なぜ正月に羽根突き? 意味を知ると盛り上がる年末年始の行事

家族みんなで幸せ願う

年末年始は、親子で伝統文化を学ぶよい機会だ。おせち料理などの食事、福笑いなどの遊びや様々な行事に込められた意味や願いを子どもにわかりやすく伝え、一緒に準備しながら楽しみたい。

年神様

「行事は、家族の幸せを願う気持ちを形にしたもの。大人になっても毎年その時期がくるたびに家族の思い出がよみがえり、子どもの宝物になります」

そう話すのは「子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本」(永岡書店)の著書がある和文化研究家の三浦康子さんだ。

例えば二十四節気のひとつ、冬至(今年は12月22日)。1年で最も日が短く、夜が長い。古くから「太陽が生まれ変わる日」と考えられ、希望に満ち、運気が上がっていくとされる。運がつくようかぼちゃを食べ、ゆず湯に入る。「香りが強いゆず湯は邪気を払い、元気に冬を乗り越えられると言われています」と三浦さん。ゆず湯につかって、いいことが巡ってくるという意味の「一陽来復いちようらいふく 」と親子で繰り返し唱えるとよい。

日本文化では、新年を迎える行事は「掃除や飾り物をして、幸せを授けてくれる年神様を家に招く行事」だと考えられてきたことを子どもに伝えよう。

年末に行うことが多い大掃除は、ぞうきんの絞り方など掃除の仕方の基本を教える機会にもなる。「意味がよくわかると、子どもは楽しく手伝いができます」

福笑いは笑いに幸せへの願いが込められている

正月遊びの福笑いは、「笑う門には福来たる」のことわざのように面白い顔を見て笑い合い、新年の幸せを願う意味が込められている。画用紙などに家族の顔を描いて、手作りしても盛り上がる。

正月料理

おせち料理は一品ごとに意味がある

行事食も大切にしたい。農林水産省が昨年、20~69歳の2000人に実施した和食文化に対する調査では、正月、大みそかにおせち料理、年越しそば、餅、お雑煮など行事食をほぼ毎回食べると答えた人は6割に上った。

東京都内で料理教室を開いている柳原尚之さんは、「おせち料理にはそれぞれ意味合いがある」という。例えば、お祝いに欠かせない3種の料理「三ツ ざかな 」は、子どもにも伝えやすい。

関東の3種は、数の子、黒豆、田作り。黒豆には、日に焼けて真っ黒になるまでまめ(勤勉)に働けるよう願いが込められている。関西は田作りではなく、たたきごぼう。根菜のごぼうに、力強く健康にとの願いが託されているという。

地域や家で具材や味が異なるのがお雑煮だ。地元の産品を知るほか、親の出身地の味など、家族のルーツもわかる。東京なら、とりささみと角餅を入れたしょうゆ味のすまし汁、京都は丸餅入りで白みそ味、広島はカキが入るなど、地域の食材が入っている。

柳原さんは「親子で食卓を囲むだけでなく、昆布とカツオ節でだしをひいてみるなど、和食に親しむ機会にしてみては」と勧める。

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