SixTONES・京本大我がリベンジ作で熱演、新境地を開拓

ジャニーズの6人組「SixTONES」の京本大我さん(26)が主演を務めるディズニーのミュージカル「ニュージーズ」が、10月30日まで東京・日生劇場で上演されています(11月11~17日、大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演)。この作品は昨年5月に上演が予定されていましたが、新型コロナの感染拡大で全公演が中止に。京本さんは、成長した姿をリベンジ公演にぶつけ、ミュージカル俳優としての可能性を感じさせるほどです。

新聞販売の少年たちの奮闘を描いた「ニュージーズ」(写真提供/東宝演劇部)

「ニュージーズ」は、トニー賞受賞歴があるブロードウェーミュージカルの日本版で、日本初上陸。1899年の米国・ニューヨークを舞台に、「ニュージーズ」と呼ばれた新聞販売の少年たちの奮闘を描きます。貧しいニュージーズたちは、新聞社から仕入れた新聞を路上で売っていましたが、売れ残りを新聞社が買い戻してくれることはなかったため、長時間働く日もありました。今回の舞台は、新聞社の一方的な新聞卸値の値上げをきっかけに、実際に起こったニュージーズのストライキをもとにした物語です。

音楽は、「美女と野獣」や「アラジン」などの楽曲で知られるアラン・メンケンさんが担当。演出・日本語訳・訳詞は「エリザベート」や「モーツァルト!」などヒット作を生み出してきた日本ミュージカル界の巨匠、小池修一郎さんが手掛けるとあって、これは楽しくないはずはない! そう取材前から期待していましたが、ストーリー、歌、踊り、演技など全てに圧倒されました。

圧倒的な歌唱力、ダンスで観客を魅了

京本さんの役どころは、ニュージーズのリーダー的存在で、少年たちを率いてストライキを決行するジャック・ケリー。登場した時、これは本当に京本さん?と困惑するほどでした。なぜなら、華奢きゃしゃで繊細、SixTONESのなかでは「姫ポジション」のイメージだった京本さんが、体を一回り大きくし、冒頭から全く違う一面を見せたからです。

力強さは、見た目だけではなく、歌唱にも表れていました。京本さんは、ジャニーズJr.時代にミュージカル「エリザベート」に出演して皇太子・ルドルフを演じるなど、元々歌唱力の高さには定評がありました。しかし、今回はさらに声量に厚みが増し、泥臭くて路上で日々もまれるジャック像が説得力をもって客席に迫ってきます。特に1幕最後に歌うソロナンバー「サンタフェ」は、心に響く歌声が素晴らしかったです。髪を乱しながら歌う姿も観客の感情を揺さぶり、「若いなら人生はやり直せる」という歌詞の趣旨に「そうだ、君ならできる!」と応援したくなります。

迫力あるダンス(写真提供/東宝演劇部)

この舞台の見どころの一つが、迫力のある踊りです。舞台の端から端まで使って披露する群舞は、少年たちの若さ、あふれるエネルギーを見事に表現しています。同時に、軽やかなダンスシーンは、経済が急速に発展した19世紀末の混沌こんとんとした米国社会や少年労働者を描きつつも、作品が暗くなりすぎないのに一役買っているような気がしました。京本さんはバレエ経験者など様々なバックグラウンドを持つ演者たちと踊り、見応えのあるダンスシーンを引っ張ります。

ジャック役にぴったりの華、カリスマ性備える

京本さんの存在感も特筆すべき点です。頼りがいがあり、格好良くて情熱的、そして時にチャーミング。ニュージーズをまとめる、カリスマ性のあるジャックにぴったりの雰囲気を終始まとっていました。カーテンコールで登場すると、一段とキラキラして華があるのは「さすがジャニーズ!」といったところです。

昨年、新型コロナで公演が中止になったものの、腐ることなく体力作りをし、歌の練習を重ね、丁寧にジャック像を作り上げた結果が表れていると感じました。舞台開幕に際し、京本さん自身も「人生最大のチャレンジと言っても過言ではないほど、高く大きな壁を目の前に感じながら日々稽古してきました」とコメントしています。

また、昨年1月のCDデビュー以降、コンサート、楽曲のリリース、バラエティー番組出演などグループとしても個人としても活動の幅を広げています。もちろん、昨年の公演中止は残念なことでしたが、経験を重ねた今だからこそ表現できるジャックなのではないでしょうか。

若手キャストも活躍(写真提供/東宝演劇部)

この作品では、京本さん以外にも多くの若手キャストが活躍しています。ジャックが思いを寄せる、聡明そうめいな新聞記者のキャサリンを演じたのは、清らかな歌声が特長の咲妃みゆさん。ジャックの弟的存在で、足の不自由なクラッチー役の松岡広大さんは、松葉づえを使いながらも、リズム感のある踊りを見せます。新入りのニュージーズ、デイヴィを演じた加藤清史郎さんは、子役時代から培った高い演技力で観客を魅了します。

評価されるのは初めてということで、日本初上陸作品に臨むのは勇気がいることだと推察します。「ジャニーズのタレントが主演」という点で、目が肥えた観客からシビアに見られることもあるでしょう。しかし、ニュージーズの上演を成功させた先に、新しい京本大我がいるような気がしてなりません。

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山村翠 (やまむら・みどり)

読売新聞東京本社生活部に在籍。中学生の頃に先輩のバックで踊るKinKi Kidsの堂本光一さんを見て沼に落ち、20年以上、ジャニーズを応援。ジャニーズのコンサートや舞台を取材・執筆し、タレントにインタビューをするほか、プライベートでも様々なグループの公演に足を運ぶ。

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