甘えていいの?「尽くしてくれる男性」との交際で注意したいこと

「尽くす男性について」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。トピ主さんの現在の恋人は、率先して色々なことをしてくれるタイプ。お願いしていないことでも先回りして助けてくれるなど、気づくのも行動も早いため、トピ主さんは彼に「甘えっぱなし」の状態になっているそうです。このようなタイプの男性と付き合ったことがなく、“尽くす男性”の心理がわからない、交際において気をつけるべきことは?と問いかけています。

“されてばかり”は、意外と居心地が悪い!?

投稿には、彼の行動の具体例が紹介されています。たった15分の送迎のために2時間かけて会いに来てくれたり、欲しい物をつぶやくと数日後にネットで手配してくれていたり、部屋にいない間には掃除をしておいてくれたり、壊れかけの家電の修理をしておいてくれたり……等々、かなり気が利き、行動力もある人物のようですね。

トピ主さん自身も「好きな相手には尽くすタイプ」だと自覚していたものの、今は「彼に尽くしてもらってばかりに感じています」とのこと。交際自体に不満はないようですが、今回、投稿をしたのは、ほんの少し“居心地の悪さ”を感じているからでは?とも想像しました。前回の記事(「恋人へのサプライズプレゼント。「いらない」と言われ悲しいです」)でもご紹介しましたが、人はモノや行動で施しを受けると「何かを返さなければ」と感じることが知られています。トピ主さんも例外ではなく、“もらってばかり”の状況が、ちょっぴり心苦しくなってきたのかもしれません。

彼が素早く行動するタイプのため、トピ主さんが“お返しをする機会”を逸していることも推測できます。もしそうであれば、例えば「いつも本当にありがとう、お礼にきょうは一日(または、次のデートではなど)、私にもてなしをさせて!」などと宣言し、双方で意図的に役割交代をしてみるのは一案です。彼が疲れていそうなタイミングや、良いことがあったタイミングなどを選ぶと、喜ばれやすいと思います。トピ主さんはこれまでの恋愛では“尽くす側”だったとのこと、「たまには与える喜びを感じたい」なんて願望も満たされると思います。

尽くし・尽くされる関係に潜むリスクは?

また、尽くし・尽くされる関係性が極端になっていくことには、トピ主さんが心配されるようにリスクもあります。代表的なものでは、以下のような可能性が推測できるでしょう。

(A) 尽くす側が「バーンアウト(燃え尽き)」してしまう可能性
(B) 尽くされる側の「自立性」を奪ってしまう可能性
(C) 「支配・コントロール関係」に陥ってしまう可能性
(D) 尽くす側の「自己満足」で終わってしまう可能性

まずは(A)から。尽くすという言葉は、「他者のために“力の限り”働く行為」と定義されます。恋愛初期は脳内に高揚感などをもたらす化学物質が活発に出るので、平常時よりも大きなパワーが出せる人は少なくありません。しかし、そうした状態は長くは続かず、過度な頑張りはバーンアウトにもつながります。相手側は「してもらうのが当たり前」になっていく一方で、次第に「自分ばかり頑張ることに疲れた」「報われない」といった不満が生じやすくなり、別れの原因になってしまうケースもあります。

続いて(B)。尽くす行為は、相手にラクをさせてあげる分、相手から自立精神や主体性を奪ってしまうこともあります。尽くされる側は「自分が動かなくても誰かが動いてくれる」と、以前より“怠け者”になってしまうことも。その関係にお互いが満足しているならば、大きな問題はありませんが、中には仕事や人生に対する意欲まで減退してしまう人もいます。この可能性が気になる方は、自分のやりたいことや目標は見失わないよう意識しておくことが肝要です。

(C)は少々深刻なケースです。恋人に尽くすことが自分の存在意義のようになっていくと、「相手がいなければ、自分は生きていけない」という精神的な依存が強くなり、片方が片方を支配・コントロールするような関係性に陥ってしまうこともあります。

あるいは(D)。「相手に喜んでほしい」という動機からではなく、「恋人に尽くす自分」に陶酔して、尽くし、行動をしたがる人もいます。この場合、独りよがりな言動に陥りやすく、自分が思ったように相手が喜ばなかったり、飽きてきたりすると、あっさりと気持ちが冷めてしまうケースも見られます。

不安や恐れの「理由」を見つめ、相手にも話してみよう

上記はあくまで可能性なので、過度に心配する必要はないと思いますが、トピ主さん自身が「この関係の何を不安に思っているのか」については、しっかり見つめてみるといいと思います。「甘えすぎにならないように」という記述を見る限り、(B)のように怠惰な自分になってしまうのが怖いのかもしれませんし、(A)のように彼がいずれ尽くすことに疲れて(飽きて)振られるのではないか……といった不安があるのかもしれません。

不安や恐れの理由が見えてきたら、彼にも話してみましょう。トピ主さんの気持ちを聞けば、彼も尽くす行動の“加減”を意識するようになるかもしれませし、トピ主さんも何かを頼む際、「これ以上はやめておこう」と甘えすぎにならないボーダーラインを意識しやすくなると思います。幸せな交際ができているからこその不安とも推測できますが、できるだけ安心感を持って、お互いに無理のない関係を築いていけるといいですね。応援しています。

発言小町のトピはこちら⇒「尽くす男性について」 

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外山ゆひら(とやま・ゆひら)
フリーライター

哲学や心理学、芸術文化の分野に関心が高く、対人関係やコミュニケーション、生き方に関する記事を中心に寄稿。産業カウンセラー・心理相談員資格有。

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