モーニングルーティンはトイレ、歯磨き、おっぱいチェック

10月は、乳がんの早期発見や治療を呼びかける月間。日本人女性の9人に1人が患うといわれる乳がんですが、新型コロナウイルスの影響で、がん検診を受ける人が減っているといいます。撲滅に向けて、日本ではピンクリボン運動が展開され、女性になじみのある、ファッションや化粧品のブランドもキャンペーンを実施しています。

ファッションブランドの「ステラ マッカートニー」は、Netflixのドラマシリーズ「セックス・エデュケーション」とコラボして、特別な動画を制作しました。デザイナーのステラ・マッカートニーさんも先生役で出演、「Toilet,Teeth,Tits(トイレ、歯磨き、おっぱいチェック)」を合言葉に、若者たちにトイレや歯磨きのような毎朝の生活習慣として、乳がんのセルフチェックを組み込むことを呼びかける内容です。

10月は乳がん月間。ファッションブランドが啓発キャンペーンを展開。
「ステラ マッカートニー×Netflixシリーズ セックス・エデュケーション」(C)Nick-Eagle

母親で写真家のリンダ・マッカートニーさんを乳がんで亡くし、毎年、キャンペーンを行っているステラさん。「これまで以上に陽気なエネルギーが求められる時代です。今回のキャンペーンでは、ファッションとユーモアを通して、あらゆる年齢層の人々に、乳がんへの注意喚起とセルフチェックの重要性を再認識してもらうことを目指します」とコメントしています。

キャンペーンにあわせて、「トイレ、歯磨き、おっぱいチェック」の言葉が刺しゅうされたライトブルーのTシャツ(税込み5万1700円)も発売しました。手形がプリントされた部分には、熱に反応する染料が使われているため、手を重ねるとピンク色に変わります。女性たちに乳房をさわって、検査することを思い起こさせるデザインになっています。Tシャツが1枚売れるごとに、ステラさんが設立した基金を通じて、乳房切除手術後から再建手術までにつけるブラジャー1点が英国内の病院などに寄贈されるそうです。

「コロナの影響で検診控えた」人2割も

昨年以降、新型コロナの影響で、がん検診を受ける人が減ってしまった、という傾向が見られます。日本対がん協会の調査によると、2020年のがん検診(胃、肺、大腸、乳、子宮頸けい)の受診者は、前年と比べて3割も減少しています。

コスメブランドを数多く展開する「エスティ ローダー グループ」は今年9月、全国の20~60代の女性300人を対象に、乳がんに関する意識調査を行いました。国内で推奨されている「2年に1度の乳がん検診を受けている」人は4割にとどまりました。新型コロナの感染拡大を受けて「検診を目的に病院に行きにくい」と答えた人が8割に上り、実際に、「乳がん検診を控えた」人は約2割でした。

乳がんはセルフチェックによって見つけられることが多いため、チェックを習慣化することが早期発見の近道ですが、「月に1度セルフチェックをしている」人は9%にとどまりました。

インスタアップが寄付に

「エスティ ローダー グループ」では今月、インスタグラムで「リップリボン」キャンペーンを実施。お気に入りのピンクの口紅でリボンを描いた画像を、指定の3種のハッシュタグ(#TimeToEndBreastCancer #ELCdonates #乳がんのない世界へ2021)をつけて投稿すると、1投稿につき25ドル(約2830円)、合わせて最大15万ドル(1695万円)が米国乳がん研究資金へ寄付されます。

エスティローダーグループのキャンペーン
エスティローダーグループのキャンペーン。 ハッシュタグをつけてインスタグラムに写真を投稿すると寄付につながる

グループ内のブランドでは、「ジョー マローン ロンドン」のコロン、「ボビィ ブラウン」のリップグロスなど、キャンペーン支援商品も販売し、収益の一部は、医療研究に役立てられます。気軽に参加できるキャンペーンを通して、「自分や大切な人のために、乳がんのない未来を作ろう」と呼びかけています。(読売新聞メディア局 谷本陽子)

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