Snow Manデビュー後初の有観客ライブ、職人集団の本領発揮

ジャニーズの9人組「Snow Man」が10月8日、昨年1月のCDデビュー以降、初めてとなる有観客ライブツアーを横浜アリーナでスタートさせました。初アルバム「Snow Mania S1」を引っ提げたツアーで、同アルバムは初週売り上げが84.1万枚(11日付、オリコン調べ)を記録するなど、グループの人気は高まるばかり。待ちに待ったライブに、メンバーとファンの笑顔がはじけました。

デビュー後、初有観客ライブを開催したSnow Man

Snow Manは、昨年3月に予定していたツアーが新型コロナの感染拡大で中止に。一度は振替公演の日程が発表されましたが、それも中止し、昨年10月、横浜アリーナで無観客の生配信ライブを開催しました。8日の開演前、会場にはどこかフワフワした空気、高揚感、熱気が漂っていたのも無理はありません。

ファンを前にパフォーマンス、あふれる喜び

まばゆいペンライトに照らされ、デビュー曲「D.D.」で9人が登場すると、メンバーもファンも喜びを爆発。向井康二さんは「お客さん、いるよ! いるよ!」と言わんばかりの笑顔で何度もメンバーとアイコンタクトをとり、目黒蓮さんがそれに応えるようにうなずくなど、ファンを前にライブができるうれしさがあふれていました。MCでも、佐久間大介さんが「デビューしてからライブでご一緒できなかった。初めて言いたい、Snow Man、デビューしました!」と報告すると、会場は大きな拍手に包まれました。本編最後、ファンへの謝意を表現した「GRATITUDE」を歌い終わると、フーッと息を吐き、満足そうな表情で会場を見渡したラウールさん。念願の有観客ライブを無事に終え、あんしたのでしょう。

ライブは、約2時間で29曲を披露。熱量の高いパフォーマンスに、取材後、心地よい疲労感に包まれました。引き込まれ、集中して鑑賞するので疲れるといううれしい現象です。「これ……、すごくないですか?」。隣にいた記者と思わず顔を見合わせました。主演映画の撮影、レギュラー番組の収録、アルバムの宣伝など多忙を極める9人。取材前、コンサートのリハーサルをする時間は十分あるのだろうかと案じていました。しかし、序盤からトップギアで歌って踊る姿に、そんな余計な心配はあっという間に吹き飛びました。ダンススキルが高く、ジャニーズJr.時代は先輩のバックダンサーとして引っ張りだこで「職人集団」と呼ばれていたSnow Man。その異名を再認識しました。

ファンが見たいものがギッチギチ!

まず特筆すべきことは、運動量の多さです。9人は、オープニングの「D.D.」から6曲目までほぼ踊りっぱなし。公演全体を通じても、途中、バラードやユニット曲などあるものの、終始歌って踊って、外周を走り回って……、ハードな公演に挑戦する姿に横浜アリーナが狭く感じました。取材前に「2時間で29曲」と知った際、メドレーがあるのかと予想していましたが、いい意味で外れました。歌い、踊り、演出を駆使し、1曲1曲をきっちり届けるさまは、彼らの本領発揮の場といえるライブへの意気込みが表れていました。これを1日2公演もやるなんて! 倒れてしまわないか心配になるほどでした。

セットリストもテンポよく、ファンが見たいものがギッチギチに詰まっていました。12月1日にリリースするシングル曲「Secret Touch」を初めてファンの前で歌唱。柔らかく、流れるような振り付けに目がくぎ付けになりました。

ジャニーズJr.時代の持ち歌も、バランスよく組み込まれていました。初アルバムにはJr.時代の楽曲一部が収録されていましたが、そこから漏れ、ファンたちがちょっとガッカリした人気曲「Cry out」もライブではしっかり披露。ファンのモヤモヤ(?)をしっかり回収していました。しかもライブのクライマックス、体力的に追い込んだ場面でキレのあるダンスナンバーを持ってくるのはしびれました。

セットリストはもちろん、中毒性のある振り付けが人気の「Crazy F-R-E-S-H Beat」もなるべく多くの観客に見えるよう、方向を変えながら踊ります。ファンの需要がよく分かっているなあと感心する場面の一つでした。

ライブでは、大人っぽさ、色気でみせる場面も。「Super Sexy」では、メンバー一人ひとりが箱に入り、上から水が降ってくる演出でつやっぽさを強調しました。この演出は阿部亮平さんのアイデアだそうですが、デビュー前、取材で「いつか大学院で学んだ知識をライブの演出に生かしたい」と答えていた阿部さん。有言実行する姿を目の当たりにし、胸が熱くなりました。

Snow Manのチームワークの良さも随所に感じました。ジャニーズのライブではメンバー同士がくっついたり、イチャイチャしたりして観客が沸くことがあります。ワチャワチャした場面がなかったわけではありませんが、Snow Manのライブでは、何より9人の本気のぶつかり合いから絆を感じました。例えば、複雑かつ、めまぐるしく変化するダンスのフォーメーションは、息の合ったグループだからこそできるものです。苦難を乗り越えて強固な絆を手にした9人が、全力で公演に臨む姿は実にすがすがしいものです。

ライブを通じて感じたグループの誠実さ

これだけ人気があるなら、ちょっと手抜きした内容であっても(失礼!)キャーキャー言われるでしょう。しかし、その選択をしないのがこのグループの誠実さ、支持される理由なのだと痛感しました。また、満足度の高いライブは、長い下積み時代を経験した彼らのキャリアや努力に裏打ちされた底力を感じさせました。

昨年の配信ライブ、最後のあいさつで、ラウールさんは「いつかSnow Manを応援する人が大多数になる」と述べました。昇り調子のグループ特有のイケイケドンドンな雰囲気がステージからも客席からも伝わってきた本公演、ラウールさんの発言が現実になる日は近いのかもしれません。

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山村翠 (やまむら・みどり)

読売新聞東京本社生活部に在籍。中学生の頃に先輩のバックで踊るKinKi Kidsの堂本光一さんを見て沼に落ち、20年以上、ジャニーズを応援。ジャニーズのコンサートや舞台を取材・執筆し、タレントにインタビューをするほか、プライベートでも様々なグループの公演に足を運ぶ。

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