女の幸せとは、結局何なのか…正社員になること?結婚や出産?

「女の幸せって何?正社員になること?結婚?」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。就職氷河期に卒業し、非正規社員として長年働いてきて、先日、正社員の内定をもらったというトピ主さん。しかし同時期、同じく非正規雇用だった同級生から結婚と出産の報告があり、「やっと女としての幸せが手に入った」というメッセージが胸に刺さったそうです。「もしかして私、人生の選択を間違えた?」と考えてしまった……とつづっています。

「人並みの人生ではないこと」に、不安を感じるときは

まずはご就職、おめでとうございます。これまでの仕事ぶりや努力を認められての成果なのだろうと想像しました。トピ主さんとしても「うれしかった」し、「幸運」だと感じたものの、手放しに喜べない心境になっているようですね。

投稿では、近しい人たちの生き方や価値観がいくつも紹介されています。
・ 自分と同じ意見だった同級生も、就職後は「やっぱり女は早く家庭に入って子供を産むのが賢い選択」という意見に変わった。
・ 学生時代、就活せずに婚活をしていた同級生のことを「他力本願だな」と白い目で見ていた。
・ 内定がないまま卒業した女友達は、正社員になることなく家庭に入り、子どももいて、はたから見れば幸せそう。

……等々。トピ主さん自身は、キャリアウーマンを目指していたわけではなく、「家庭に入って家事を優先。仕事はそこそこにしたい」という考えだったとか。トピ主さんが置かれた環境での“人並みの生き方”というところを、目指してきたのかもしれませんね。年齢は明記されていませんが、「今の私は結婚願望のある男性からは避けられる年齢」とのこと。派遣を続け、未婚のまま正社員になった今の自分の人生は、上記のような同級生たちとは違って「人並みではない」と感じており、そこに不安や葛藤を感じているのだろうと想像しました。

同志は作れる。「今ここからの私の幸せ」を探そう

「人並みでない人生」における不安は、「同志がいない」「将来が想像しづらい」ことの2点が原因と考えられます。それを回避するには、

(A) 境遇や年齢ではなく、趣味。嗜好しこうや仕事を通じての「同志」を見つける
(B) その時々で、「ロールモデルとなりうる存在」を探す

上記2点を意識して、生活してみるのがおすすめです。

(A)から説明しますね。山登りが好きな人同士は年齢が離れていても仲間になれるし、同じ音楽が好きな人たちは、境遇が違っても会話やライブ参加、演奏などを一緒に楽しむことができます。仮にそうした趣味がなくとも、たとえば「同じバーに通っていて、時々話す人たち」だって、共通点のある仲間といえるでしょう。そしてトピ主さんが手に入れた仕事の場も、共通の目標に向かって取り組める「チーム」や「同志」に出会える可能性を大きく秘めています。

そのような「境遇」や「年齢」にとらわれない人とのつながりを、ぜひ探してみてください。「結婚しているか」「子どもがいるか」「正社員かどうか」といった“属性”以外の要素、たとえば「何が好きで、何が得意で、何を大切にしている人なのか」といったことにも目を向けていきましょう。その結果、「世の中には本当に色々な人がいるんだな」と思えるようになると、比例して、“人並み”に縛られない自分らしさが浮かび上がってくることが期待できます。

その上で、「今ここからの私の幸せ」を考えてみましょう。過去を悔いるのはほどほどにして、「今の自分は、これからどうなっていけば幸せなのか」を真剣に考えてみる。「正社員となれた会社で良い仕事をして、社内に自分の居場所を作っていくこと」を、これからの自分の幸せとして目指してもなんら問題はないですし、「パートナーを見つけることが、やっぱり自分が目指す幸せだ」と思うのならば、何歳からでも、そこに向かって努力をしてみることは可能です。今までの婚活で成果が出なかったならば、異なる方法やスタンスを色々と試していきましょう。

自分と近しいと感じられる“先輩”を励みに

さりとて、前例のない“けもの道”を歩んでいくのは、多くの人にとって不安なことです。トピ主さんも「自分に近い生き方をしている人」が周囲に見当たらないことに、不安を感じているのかもしれません。そうした不安を和らげるには、(B)の「ロールモデルとなりうる存在」をその時々で積極的に探してみることを、心がけていくといいと思います。

30歳代で正社員になってから活躍していった人、40歳代で子どもを産んだ人、50歳代で起業した人、60歳代で結婚をした人……等々。世の中を広く見渡してみると、およそあらゆるロールモデルを見つけることができます。タレントや著名人だけでなく、書籍の著者などにも目を向けてみるのがおすすめです。そして不安になったときには、「同じような状況から頑張った人生の先輩もいるんだよな」「自分にだって、できないことはないかもしれない」と励みにしてみてください。

投稿文には、「頑張ってもどうせ男性と同じには社会で評価されないんだし、それなら家庭に入るのが、結局は女の幸せだよね」という諦めのムードも漂っています。社会全体を変えるには地道に声を上げていくことしか方法はありませんが、トピ主さんは今、仕事でのチャンスを得たわけです。100%理想どおりにはならなくても、今この時代、この瞬間にある自分の人生を大切にしていきませんか。幸せのあり方も多様になってきているし、諦めずに今ここからの私の幸せを探していこう……そんな決意をしてみることが最善のように思いました。トピ主さんが自分らしい幸せの形を見いだしていけますよう、応援しています。

発言小町のトピはこちら⇒「女の幸せって何?正社員になること?結婚?」 

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外山ゆひら(とやま・ゆひら)
フリーライター

哲学や心理学、芸術文化の分野に関心が高く、対人関係やコミュニケーション、生き方に関する記事を中心に寄稿。産業カウンセラー・心理相談員資格有。

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