「押しに負けて付き合い、振られて終わる」を卒業したい

「付き合っても続かない」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。34歳のトピ主さんは、婚活アプリを通じて38歳の恋人ができたばかり。しかし、「相手の押しに負けて付き合い」「自分のほうがどんどん好きになって立場が逆転」「最後は相手の気持ちが冷めて振られる」というパターンを過去に繰り返してきたことから、今回もそうなるのではと強い不安を感じているとか。恋愛を長続きさせるため、彼の気持ちを冷めさせないための方法について読者に問いかけています。

「関係が浅い交際」で勘違いしやすい注意点とは?

長続きしている交際には、どんな共通点があるのか。色々なケースを見ていると、<A>「交際までの思いの強さ」、あるいは<B>「交際後の自分軸」が鍵を握っているように思います。それぞれ解説していきますね。

まず<A>、片方あるいは双方が「相手を好きなのかな、どうなのかな」という葛藤の期間を交際前に経ており、気持ちを固めた上で交際を始めている関係は、長続きしやすい傾向が見て取れます。言うなれば、家の基礎工事がしっかりとできている関係、といったイメージでしょうか。こうした関係は、人としての尊敬や関心がベースにあることも多くなります。片方だけでも「この相手しかいない」という確信を持てていると、相手の迷いや不安も受け止められるので、関係が揺らぎにくいです。

一方、世の中には数度会った程度で、交際に踏み切るケースも多くあります。このような恋愛の始まりから長続きさせるためには、「お互いに相手の気持ちを過大評価せず、関係を一から築いていく意識」が大切になります。

トピ主さんのように、出会って間もなく「相手に押されて」交際を始めた場合も同様です。一般的に「好意はありそうだけど、明確な意思が伝わってこない態度」は、男女を問わず、恋愛初期において相手の興味を引き、気にならせてしまう傾向があります。その期間が続くと、「相手が何を考えているかが気になる=好きなのかも!」という衝動的な思いに陥らせ、「なんとかイエスと言わせたい」という達成感や征服欲のような感情を刺激することも少なくありません。

「押しに負けて付き合った」関係は、実はこのようなケースがとても多いです。押している側がどんなに情熱的に見えても「揺るがない気持ちを持てている」ほどではなく、「地盤が固まっていない関係である」ということですね。この点を心得ておくことは、押される側が冷静さを失わず、長期的な関係を築いていくために非常に有効だと思います。

「価値観」と「行動」において、自分軸を育てよう

続いて、<B>「交際後の自分軸」について。人は魅力を感じる相手とカップルになれると、交際への執着心や不安が大きくなりやすく、それによって自分らしさを貫けなくなる場合があります。“相手次第の自分”になってしまい、「嫌だな」「おかしい」と思うようなことでも受け入れてしまう。そうなると、相手側は思いどおりになる関係に次第に刺激や魅力を感じられなくなり、気持ちが冷めてきてしまう……という顚末てんまつにも陥りやすくなります。

逆に言えば、交際後も“自分軸”をしっかり持って付き合えるならば、長続きする可能性が高まる、ということです。投稿を読む限り、トピ主さんも交際後に“相手次第の自分”になりやすい傾向があり、それが、交際が短命に終わってしまうひとつの要因と推測しました。

どんなに相手が好きでも、「嫌だな」「おかしい」と思うことにはNOを言い、自分らしさを失わない。イメージで言うならば、柔らかく風に吹かれるけれども、根っこはしっかりと土に埋まっていて、ブレることがない。今後はそんな野の植物のような人物像を目指してみるといいかもしれません。

そのためには、常日頃から「価値観」と「行動」の2軸を育てていくのがおすすめです。たとえば、「店員さんに偉そうな態度を取る人はおかしいと思う」「浮気をする人とは付き合えない」といった、自分の正義感や価値観を明確にしておく。そして交際中も「明日の準備をしたいから、今日は早く帰りたい」「大切な趣味に取り組む時間は確保したい」など、毎日の行動に主体性を持つ。「恋人に流されたり、振り回されたりする人にはなりたくない」といった明確な意思を持っておくことも、助けになると思います。

「絶対に別れない関係」などないからこその心構えを

最後に。どんなカップルも夫婦も「いつか別れるかもしれない二人」には違いない、ということは心得ておきましょう。10年、20年と一緒にいるカップルでも、最期の瞬間まで添い遂げるかは未知数です。一日一日を過ごしているうちに、結果的に、二人で年を重ねていた……というだけで、“絶対に別れない関係”などは存在しない。だからこそ目の前にいる相手との時間を大切にし、快く一緒にいられるようできるだけ努力する。そんな心構えを持っておくことは、良好なパートナーシップの継続を助けてくれるはずです。

トピ主さんは「甘えるのも苦手だし、思っている事を素直に伝えるのも苦手」「自分に自信がありません」ともつづっていますが、自分を諦めないでいきましょう。そういう性格が交際にマイナスをもたらすと感じるならば、大切な関係のために、これから少しでも改善に励んでみればいい。その繰り返しによって変化が起こり、自信が育ってくることは大いにあると思います。応援しています。

発言小町のトピはこちら⇒「付き合っても続かない」 

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外山ゆひら(とやま・ゆひら)
フリーライター

哲学や心理学、芸術文化の分野に関心が高く、対人関係やコミュニケーション、生き方に関する記事を中心に寄稿。産業カウンセラー・心理相談員資格有。

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