長期化するコロナ禍で子どももストレス 心のケア、対処法を身につけて

新型コロナウイルスの流行が長期化し、小学校や保育施設などでの感染も広がる中、子どもの心のケアが課題になっている。専門家は保護者らに、普段と変わらない生活を送れるよう工夫してほしい、と呼びかける。子ども自身がストレス対処法を身に付けることもできるという。

「コロナでどこへも行けず疲れてしまった」「親のけんかが増えてどうしたらいいか分からない」

NPO法人チャイルドライン支援センター(東京)が運営する子どもの相談窓口「チャイルドライン」には連日、コロナ関連の相談が寄せられる。感染への不安を感じたり、在宅時間が長くなって孤独感を深めたりしているケースが目に付く。理事の高橋弘恵さんは「ほとんどの相談がコロナの影響を受けているといっていい状況」と嘆く。

日課・習慣維持し、体調・行動に注意。ゲームも使いよう

今夏以降、10代以下への感染が拡大し、子どもたちの心に影を落としている。体調や生活にまで変調を来す場合もあり、保護者らは子どもの変化に敏感でありたい。

千葉大病院こどものこころ診療部では、ネットゲームにのめり込んで昼夜を問わずに遊ぶ男児(小学校高学年)や、不安から手洗いをやめられない強迫性障害を生じた女児(小学校中学年)らの受診例があるという。

副部長の佐々木剛さんによると、子どものストレスは、頭痛や腹痛などの「体の症状」や、食欲の増減や落ち着きがないなどの「行動の変化」として表れることが多い。表情やしぐさ、行動に目を配り、話に耳を傾ける必要がある。平時と変わらない日課や習慣を維持することが、心の落ち着きにつながるという。

外出が難しくても、ビデオ会議システムなどを使えば、友だちの顔を見ながら会話できる。ネットゲームも、友だちとの対話の機会にしている可能性があり、使い方次第だという。佐々木さんは「子どもたちなりに工夫して現状に慣れようとしている。そうした姿勢を肯定的に受け止め、対応してほしい」と話す。親同士で話し合い、利用時間などのルールを決めるといったことを検討したい。

自分で対処する力を

「こどもが考えた 気持ちを楽にする23のくふう」の一部(国立成育医療研究センター提供)

「子ども自身が自分のストレスを察知し、対処する力を身に付けることも大切」と指摘するのは、国立成育医療研究センター研究員の半谷まゆみさんだ。

同センターは、「こどもが考えた 気持ちを楽にする23のくふう」をまとめ、サイト上で公開している。「すきなぬいぐるみをだっこする」(小1男児)、「いやなことを紙になぐり書き」(高3女子)など、子どもが実際に行ったストレス解消法を、「だきしめるあまえる」「書き出す」といった項目に分類し、紹介している。半谷さんは「ちょっとしたことで楽な気持ちになれる。つらいと感じたときの実践集として役立ててほしい」と話す。

大人も息抜き必要

保護者自身のセルフケアも重要だ。同センターこころの診療部診療部長の田中恭子さんは「ストレスの蓄積は、親子関係の悪化や虐待などにつながりかねない」と警告。まず、「大変な状況なのによくやっている」と自分をねぎらい、短時間でも子どもから離れて、趣味に興じたり、SNSで友人らと交流したりするよう勧める。

「つらいときに親がきちんと休息を取ることは、子どもにとってもストレスへの対処法を学ぶ機会になる」と、田中さんは話している。

(読売新聞生活部・斎藤圭史、野倉早奈恵)

子どもの心のケア相談先
▽NPO法人チャイルドライン支援センター「チャイルドライン」
(毎日午後4~9時)0120・99・7777
▽国立成育医療研究センター「こころ×子どもメール相談」
(12月31日までの土日、祝日) kodomo-liaison@ncchd.go.jp
▽無料電話相談「よりそいホットライン」
(24時間対応)0120・279・338

あわせて読みたい

    •     
Keywords 関連キーワードから探す