五輪選手村のベッドで注目の段ボール家具、エコと丈夫の二刀流

東京五輪の選手村では採用された段ボールベッドが、話題を呼んだ。段ボールはベッドのほか、棚や机など家具として定着しつつある。技術の進歩により、テントなど新たな用途も出てきた。

持ち運び簡単に

福島市の主婦、佐藤澄江さん(68)は知人の紹介で、2年前から高さ10センチほどの段ボールベッドを使っている。以前は床に布団を敷いていたが、起き上がる時に腰などに負担がかかった。「今はちょうどいい高さで、楽に起きることができる。通常のベッドは高すぎて少し怖い」と笑う。通気性が良く、夏や秋雨の時期も、湿気がたまりにくく快適だ。「簡単に持ち運びできるので、床掃除も楽にできます」

福良梱包の段ボールベッド。1トンもの荷重に耐えるという

このベッドを作っているのが段ボールの加工製造を手がける福良梱包(福島)。多くの段ボールベッドは通常のベッドより小さく、避難所など緊急時の使用が中心だが、同社の商品は通常のシングルサイズで、普段使いができる。1トンの荷重にも耐えられる。「一人暮らしの学生や単身赴任の社会人に人気。ベッドのサイズを変えられるので、子育て家庭にもうってつけ」と同社の担当者は話す。東京五輪で注目されたこともあり、売れ行きは好調だという。

マットレスと掛け布団を組み合わせて低床ベッドに

段ボールが家具などの素材となったのは40年ほど前。生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画(東京)は、1982年に段ボール製衣装ケースなどを発売。現在まで、改良を重ねながら販売を続けている。

2013年から段ボール家具などを取り扱う豊栄産業(大阪)では、最初にヒットしたのが段ボール製のおもちゃのキッチンといった、子ども用玩具だった。「子どもが成長するまでしか使わないものなので、安くて安全といった点が評価された」と話す。

その後、本棚やラック、収納用品などが、家具をあまり増やしたくないという学生や社会人から注目された。使わない時は畳んで収納でき、引っ越し時などの処分も簡単なためだ。

同社は近年、段ボール家具の売り上げが毎年20%ずつ増えている。コロナ禍での在宅勤務で、狭い場所でも置ける机と椅子のセットなども人気を集める。

テントも登場

段ボール製テントの内部。天井が高く、思いのほか開放感がある

アウトドアでも利用が広がる。日本トーカンパッケージは今秋、組み立て式の段ボールテントを発売する。ラミネート加工を施し、耐水性を確保した。条件にもよるが、野外に出したままでも1か月以上持つという。

担当者は「今後はさらに丈夫なベッドやテーブルなども開発されるだろう。粗大ゴミではなく、資源としてリサイクルされるのが段ボールの強みだ」と話していた。

※写真はいずれもメーカー提供。

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