ひとり暮らし女性こそ備えたい防災グッズ、心構えとは?

9月1日は防災の日です。ひとりで暮らす女性の中には、災害が起きた際、自宅で過ごしたり、避難所で生活したりすることに不安を抱く人も多いのではないでしょうか。女性のための防災情報などを発信している専門家に、ひとり暮らしだからこそ備えておくべきグッズや心構えを聞きました。

ひとり暮らしの場合、荷物を増やしたくない、部屋が狭いなどの理由で、備えを後回しにしている人もいるかもしれません。

川崎市男女共同参画センターでは、ひとり暮らしの女性のための防災情報を発信しています。市民らが参加する「女性の視点でつくるかわさき防災プロジェクト(JKB)」とともに、東日本大震災の避難者の声から学び、情報を取りまとめました。「災害時には、女性の心身に大きなストレスがかかります。いざというときは避難所があるし、備蓄品もあるだろうと考えていると、被災後につらい生活を送ることになりかねません」とJKB代表の三村英子さんは指摘します。

水や食料のほかに、女性が自宅や職場などに備えておくグッズについて、「人に頼みにくいものこそ自分で用意しておきましょう。心の健康を守るためのグッズも女性には必要です」と男女共同参画センターのディレクター、脇本靖子さんはアドバイスします。

【備えておくとよいもの】
□生理用品
□替えのショーツ(買い替え時に古いものを備蓄用にしておくと安心)
□ブラジャー(自分に合うサイズのものや、カップ付きの下着など楽なもの)
□おりものシートや尿漏れシート
□携帯用ビデ
□メガネ

【心の健康を守るもの】
□エッセンシャルオイル(好みの香りでリラックスできる)
□スキンケア用品、メイク落としシート
□リップクリーム
□くし、鏡(支援物資として届きにくく、鏡がないと化粧するのが難しい)
□いつも使っているペンや手帳、心が落ち着く趣味のグッズなど

生理用品は使い慣れたものを用意しておくほか、最近はナプキンだけでなく、吸水ショーツや月経カップなど種類も増えています。「平常時に試してみて、使えるものの選択肢を広げて準備しておくとよいですよ」と脇本さん。

このほか、100円ショップでも手に入る携帯トイレについても、「事前に試したり、開封して使い方を確認したりして、準備しておきましょう」と呼びかけます。コロナ禍の今は、感染症を防ぐためのマスクや消毒液も用意しておく必要があります。

普段から持ち歩こう

普段から、脇本さんは懐中電灯にもなるスマホの予備バッテリーを持ち歩き、三村さんは、小さなライトと笛を付けた家のカギ、ティッシュ、ばんそうこう、携帯トイレ、携帯用レインコート、手ぬぐい(タオルやスカーフに使える)、レジ袋を、ジッパー付きの保存袋に入れて、バッグに常備しているといいます。阪神大震災で被災した三村さんは、「災害はいつ、どこにいるときに起こるかわかりません。最低限必要なものをコンパクトにまとめ、持ち歩くのがおすすめです」。

ツイッターや防災アプリで情報収集

過去の災害時には、混乱に乗じて、犯罪が起こりやすくなり、女性や子どもに向けた加害事例も報告されています。

「ひとり暮らしの女性は特に、信頼できる人や情報源を準備しておくことが大切です。日頃から、職場や友人に、いざというときに連絡が取れる人、頼れる人を作っておきましょう」と三村さん。

情報収集のため、住んでいる自治体のツイッター、防災アプリや雨雲レーダーなどの天気アプリに登録して使い慣れておくとよいでしょう。災害時、避難が必要なときなどに、迅速に対応できるといいます。

自宅や職場などをハザードマップで確認し、いざというとき、「家を出たら、高台のある右手に逃げる」などと想定したり、「避難指示が出そうなら、安全な場所のホテルに宿泊する」「信頼できる友人宅に身を寄せる」など一度、想像しておくことも大事です。

「災害時は、瞬時の判断、1秒の差で生死が分かれることがあります」と三村さん。コロナ禍の今、人間関係を見直すとともに、「いざというときにどうするかをシミュレーションしましょう。自分にとっての安心材料を増やし、選択肢を広げておくことが命を守ることにつながります」と話しています。

いつもの食事になる長期保存食

ひとり暮らし女性が備えたい防災グッズ、心構え 大手小町 読売新聞
東京・銀座の「IZAMESHI Dish」では、長期保存食を季節の野菜などとアレンジして提供している

災害時には非常用の食料が必要となりますが、避難が長引けば、栄養の偏りも気になってきます。食べずにしまい込んでおく備蓄食ではなく、日常時からおいしく食べられる長期保存食を提案する動きもあります。

建築金物などを扱う杉田エース(東京)が提案する長期保存食「IZAMESHI(イザメシ)」には、非常時に不足しがちな野菜を使用したガスパチョ、コーンポタージュ、トムヤムクンなどのスープや、蒸し鶏のエビ油漬けなど中華レストランとコラボレーションした缶詰、シチューや煮物、パンやデザートなどがあります。賞味期限は製造から3年から5年が中心。

同社の杉田裕介社長は「コンビニが冷蔵庫代わりになりがちで、買い置きも十分でないひとり暮らしの人に、特におすすめしたい商品です。災害時の非常食となるのはもちろんですが、いつもの食事や忙しいときの一品としてなど、日常の食卓に取り入れてもらいたい」と話しています。

「IZAMESHI」は、通販サイトhttps://www.sugicow.com/などで販売しているほか、9月1日に東京・銀座にオープンしたカフェ「IZAMESHI Dish」でも取り扱い、季節の野菜や果物、魚などとアレンジしたオリジナルメニューを提供しています。

(読売新聞メディア局 谷本陽子)

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