松本のキャンプ場、5キロの距離を戻ってきた看板猫

ソロやファミリーキャンプなど、キャンプが大ブームです。今回は、人気のキャンプ場のひとつ、長野県松本市にある「高ソメキャンプ場」の看板猫「つくね(7歳・オス)」を紹介します。つくねはスタッフの飼い猫として、もう1匹の看板猫「ちくわ(10歳・オス)」と一緒にキャンプ場管理棟で暮らしていました。長らくキャンプ場のアイドルでしたが、飼い主(スタッフ)の退職に伴い、2匹そろって車に乗せられキャンプ場を離れていきました。

ところが、翌日朝にはつくねの姿がキャンプ場にありました。どうやら、飼い主の家を抜け出し、5キロほどの道のりをずっと歩いてキャンプ場に戻ったようです。まるで犬のような帰巣本能の高さにびっくりです。つくねにとって長年キャンプ場で過ごした日々は、忘れがたいものだったのでしょう。そこまでの強い思いを誰にも止められません。かくして茶トラ猫のつくねは、キャンプ場の看板猫に自らの能力で返り咲いたのでした。

つくねが戻った理由はなんとなくわかります。キャンプ場は、白樺しらかばの林や池からの乗鞍岳の展望が美しい場所です。そんな美しいキャンプ場にふさわしく、炊事場やトイレもきれいに管理されていて、足踏み式の消毒液とペーパータオルが完備されたトイレは感動ものです。隅々まで気配りが行き届いたキャンプ場は、つくねにとってもさぞかし居心地が良かったことでしょう。

そんなつくねは、主に管理棟の中や周辺で一日を過ごしています。ツンデレな性格で、見知らぬ人が近づき過ぎると、「にゃ〜にゃ〜」とサイレンのように鳴きます。こうした場合、猫の方からその場を離れる(逃げる)ものですが、自分は一歩も動かず、相手を制するところに意志の強さを感じます。

キャンプ場内でも我が道を行くつくねですが、夕方ソロキャンパーとソーシャルディスタンスを保ちながら和んでいるツンデレのデレの姿を目撃しました。キャンプ場で働くスタッフたちにもかわいがられ、なんだかんだいっても、しっかりキャンプ場の看板猫です。

キャンプ場には、初心者向けに水道やコンロも使えるキッチン付きのバンガローもあります。大きな池では魚釣りを楽しめ、夜は満天の星が魅力的です。もし管理棟周辺でつくねを見かけたら、ぜひあいさつをしてみてください。ツンツンした態度を見せても、内心は大好きな場所を訪れてくれたキャンパーに感謝の気持ちでいっぱいかもしれません。

高ソメキャンプ場
住所:長野県松本市奈川 2212−16
電話:0263・79・2919
営業期間:(2021年) 4月17日~11月3日
公式サイト:https://takasome.furusatonagawa.com/

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南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「パンダのすべて」「ハシビロコウのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

Facebook:Sotoneko Japan Instagram:sotoneko_japan

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