交際は気持ちではなく、結婚相手を見極めるためにするの?

「付き合うのは好きよりも結婚のため?」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。交際後に社会人になった恋人がいるという、大学生のトピ主さん。最近、彼の愛情表現が少ないことが気になり、交際の意味や「本当に好きなのか」「今のままなら別れたい」といった旨を伝えたところ、彼に「付き合うのは好きよりも結婚するに値する人間か見極めることだ」と言われたそうです。この彼と、このまま付き合い続けてもいいのか……と尋ねています。

「結婚」のワードで、相手を見る目が変わることも

交際は結婚にあたって「相手が信頼できるか」や「将来性」などを見るもので、「好きとかそういったことは二の次」という考え方を、彼は表明してきたとか。トピ主さんとしては、結婚を考えてくれるのはうれしいし、彼が好きなので交際はしたいが、「結婚前提となるとまた別のように感じます」と心情をつづっています。

それに彼は、結婚を口にしているわりに「信頼をなくすような行動をしたり、親には付き合ってることを黙っていたり、言ってることと行動が伴ってない」ように思える……とのこと。彼が責任の伴う行動を避けているように見えることも、「結婚のための交際」という彼の主張がピンと来ていない原因のようですね。

今回のケースは、結婚を考え始めた時期のカップルに、よく見られる状況だという印象を受けました。相手から「結婚」という言葉を出された側は、一般的にその意味を深く捉え、相手に対して以前よりも“責任ある振る舞い”を期待するようになります。一方、「結婚」を口にした側は、結婚したい気持ちはあるものの、実際には「本当にこの相手なのか」「結婚したい時期」といったところまでは決意できていない。そうなると具体的な話にはなかなか発展していかないので、言われた側は相手への不信が募ったり、言った側も居心地が悪くなったりして、徐々に気持ちにズレが生じてしまう……ということが起こります。

二人がもしこのパターンに当てはまるならば、おそらくトピ主さんが想像するほどには、彼にとって「結婚」は具体的なものにはなっていないことが推測できます。トピ主さんの親に会おうとしないのも、まだ心づもりができていないからなのでしょう。彼は新社会人ということなので、会社で先輩たちの生き方に触れて憧れを抱いたり、大まかに先々の人生設計を想像したりするようになった……というくらいの段階なのかもしれませんね。

「早く結婚したい」と考えているのであれば、この意識のズレは致命的になることもありますが、トピ主さん自身は、結婚についてまだ考えられない段階なのですよね。そうであれば、彼から具体的な話があるまでは(あるいは自分が結婚に本気になるまでは)あまり深刻に受け止めず、今までどおりの交際を続けていく……という選択肢はひとつあるかと思います。

新社会人で「恋愛モードになる余裕がない」可能性も?

環境の変化が大きい、新社会人の時期。楽しく謳歌(おうか)する人もいますが、自分の未熟さや社会の厳しさを痛感する人も少なくありません。彼ももしかしたら後者で、学生時代のような“楽しい交際”を満喫する心の余裕がないことも考えられます。「愛情表現が少ない」という不満をぶつけてきたトピ主さんに対して、暗に「自分は仕事で手いっぱいで、楽しいだけの恋愛をしている状況ではない」と伝えたかったのかもしれません。

社会人の大変さを理解してくれないトピ主さんに不満を感じたのかもしれませんし、「別れの可能性をほのめかされたこと」で、動揺した可能性も。結婚の意思があると伝えることでトピ主さんを引き止めたかった、あるいは「俺だって相手を見極めているんだぞ」と反撃してきた可能性も推測できます。

大手小町「恋活小町」コラムのイメージ画像

いずれにせよ、今の彼が余裕がなさそうに見えるならば、今しばらくは恋愛ムードを求めず、友達のような距離感で様子を見守ってみるのも一案です。社会人2〜3年目くらいになると仕事にも慣れ、少しずつ気持ちに余裕が出てきたり、自信がついてきたりする可能性もあります。“余裕をなくしている彼”を温かく見守ることができそうか、見守りたいと思えるかどうか、自分の本音とよく向き合ってみるといいと思います。

人生のフェーズが変わっても、交際が続くカップルの特徴

投稿には、「まだまだ子供な私には、結婚や社会人の付き合うことの意味が理解できていない」と自己分析も。トピ主さんの本心として、大学生の「今」という時間が大事で、未来のことなど考えずに今を一緒に楽しめる恋人が欲しい……という気持ちが強いのであれば、別の相手を探したほうが、交際の満足度は高いかもしれませんね。

環境の変化に負けず、長く交際が続いていくカップルには、「柔軟に、明るく結びついている」という共通点があるように感じます。あまり“深刻さ”が漂わず、お互いを取り巻く状況が多少変わっても、自分たちが柔軟に変わることで乗り越えており、よっぽどのことがなければ気にしすぎない。根っこの部分で信頼関係ができているからこそ、そうした付き合い方ができるのかもしれません。

「さまざまな“変化”が起こる人生を、ともに生きていくこと」が「結婚」だと理解するならば、今回の件は、それほど難しい議論ではない印象も受けます。お互いの主張の“言葉尻”だけを捉えて考えるのではなく、問題の根幹にあるものを見つめてみれば、おのずと結論は出てくるように思いました。納得のいく結論を出せるといいですね。応援しています。

発言小町のトピはこちら⇒「付き合うのは好きよりも結婚のため?」 

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外山ゆひら(とやま・ゆひら)
フリーライター

哲学や心理学、芸術文化の分野に関心が高く、対人関係やコミュニケーション、生き方に関する記事を中心に寄稿。産業カウンセラー・心理相談員資格有。

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