Snow Man最新シングル 好セールスのワケは?

ジャニーズの9人組「Snow Man」の勢いが止まらない――。7月14日発売のシングル「HELLO HELLO」が、20日発表のオリコン週間シングルランキングで80.6万枚を売り上げ、初登場1位になりました。CDが売れないと言われる昨今、イベント抽選券など特別な特典もないのに圧倒的な売り上げを記録。内容の濃いシングルだったことはもちろん、巧みなプロモーションが奏功したと考えます。

この曲は、メンバー最年少のラウールさんが主演する映画「ハニーレモンソーダ」の主題歌。恋の高揚感を表したポップなラブソングで、これまでダンスナンバーをシングルリリースしてきたグループにとって、新たな一面を見せる一曲です。サビの歌詞は一度聴いたら覚えてしまうほどキャッチーで、床に寝て始まるダンスも斬新です。

Snow Man

カップリングも名曲ぞろいです。「縁YUAN」(Aは、アクセント符号付き)は、アニメ映画「白蛇:縁起」の日本語吹替版の主題歌で、中国語を織り交ぜた幻想的な歌詞が特徴。メンバーのラウールさん、渡辺翔太さんが出演するモスバーガーのCMソング「YumYumYum~SpicyGirl~」は、グループが得意とするアップテンポなダンスナンバーです。このほかメンバーがクイズゲームに興じる撮り下ろし映像を収録したDVDをつけるなど、盛りだくさんの内容です。

今回、7月14日という発売時期も絶妙だったと考えます。6月下旬~7月にかけては大型音楽番組が目白押しで、新曲を大々的にPRできます。Snow Manはあらゆる音楽番組に出演し、「HELLO HELLO」を披露しました。バラエティー番組や雑誌にも多く登場し、4~6月に主演舞台を終えた直後に怒濤(どとう)のプロモーションに突入して休む間もなかったことと推察します。

SNSを駆使した宣伝

発売にあたり、SNSを巧みに活用した宣伝も秀逸でした。発売約1か月前から、YouTubeの公式チャンネルにミュージックビデオなど関連動画を相次いで投稿。表題曲「HELLO HELLO」だけでもミュージックビデオは3本に上るほか、カップリングも見応え十分なミュージックビデオを作る力の入れようです。こんなに無料で見せてしまってCDは売れるのか少し心配になりますが、実際に買ってフルでミュージックビデオを見たり、歌を聴いたりすると、Bメロで「そう来たかー」とうなる箇所があるのがすごい! YouTubeで公開するところ、CDで聞かせるところ、その線引きが戦略的だと感心します。

ツイッターには、6月下旬から、「#スノハロカウントダウン」という共通のハッシュタグでメンバーそれぞれが撮影、編集した動画が次々に投稿されました。コメディー風でクスッと笑えたり、格好良かったり、様々な表情でファンを楽しませました。編集に時間を要したメンバーもいたようですが、多忙な中、手が込んだ動画を作ってメンバー自ら盛り上げた点には頭が下がります。

このほか、ツイッターにはメンバーが3人ずつ「HELLO HELLO」を踊る動画なども投稿されました。ジャニーズのタレントがSNSを開設するのはもはや珍しくなくなりつつありますが、ここまで積極的に、そして頻繁にタレントが登場するのはレアケースと言えるでしょう。

仲の良さ、充実感伝わる生配信

7月15日夜には、発売を記念し、メンバーそろって約1時間半に及ぶ生配信をYouTubeで行いました。生配信の企画の一つが、箱の中に入った特定のメンバーへの匿名メッセージを読み上げる「目安箱コーナー」。無記名なのでクレーム的な内容かと思いきや、「いつもありがとう」などほっこりするものばかり。誰が書いたかもすぐにバレるなど、メンバーの仲の良さがうかがえる平和な好企画でした。

何より、生配信ではメンバー全員が終始ニコニコしてとても楽しそうだったことが印象的で、グループ活動が充実していることが伝わってきました。その笑顔こそ、ファンを獲得し続ける秘訣。「まずタレント自身が楽しむこと、それがファンを引きつける」という、当たり前のようで実はなかなか難しいことが出来ていると感じました。

深澤さんの棒立ち、話題性もバッチリ

新曲プロモーションの一環で出演したTBS系のバラエティー番組で、バナナマンらに「メンバーが9人もいるので、カメラになかなか抜かれない」と相談したのは、グループ最年長の深澤辰哉さん。すると、バナナマンの日村勇紀さんが「フリーダンスの箇所で、真顔で棒立ちになれば目立つ」といったアドバイスを送りました。すると「ミュージックステーション」(テレビ朝日系)、「シブヤノオト」(NHK)など音楽番組に出演するたび、局を超えて深澤さんは“必殺技”を披露。SNSでは深澤さんの棒立ちが話題になり、新曲の盛り上げに一役買ったように思います。

熱心なファンの存在も、好セールスには不可欠です。長い下積みを経て、ようやくデビューした彼らには、献身的に活動を支えるファンが大勢います。彼らのパフォーマンス力、仲の良さなどに引かれ、最近ファンになった人も多いでしょう。確かに、Snow Manを取り上げるたび、読売新聞にも多くのはがきやメールが届きます。こうした現象はほかのジャニーズグループにはなく、ファンの熱量の高さには驚くばかりです。

「HELLO HELLO」の発売に弾みをつけるように、7月に入って、3作目のシングル「Grandeur」が100万枚のミリオンセールスを達成。デビュー曲から3作連続ミリオン達成という、驚異的な記録を樹立しました。数字にばかりとらわれてしまうとタレントもファンも大変では……とちょっぴり心配になりますが、快進撃を続けるSnow Manには、また新しい景色を見せてもらえるのではと期待もしてしまいます。

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山村翠 (やまむら・みどり)

読売新聞東京本社生活部に在籍。中学生の頃に先輩のバックで踊るKinKi Kidsの堂本光一さんを見て沼に落ち、20年以上、ジャニーズを応援。ジャニーズのコンサートや舞台を取材・執筆し、タレントにインタビューをするほか、プライベートでも様々なグループの公演に足を運ぶ。

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