2019年に新宿髙島屋からスタートした「特別展 りぼん 250万りぼんっ子♥大増刊号」は、全国12会場を巡り、2021年6月に終了しました。展覧会では、マンガ雑誌「りぼん」の当時の人気を支えていた11作家を紹介し、なつかしい名シーン原画を公開。会場ではオリジナルのグッズも販売され、珍しいレア物やお宝にファンが歓喜の声を上げていました。「りぼん展実行委員会」のグッズ担当者Kさん(男性、開発責任者)とMさん(女性、担当者)にグッズについて聞きました。
――グッズを開発する上で工夫したことを教えてください。
Kさん 今回の展覧会は、「りぼん」の発行部数が最も多かった1990年代前半の人気作品を中心に取り上げました。大人になった当時の読者がいま、「欲しい」と思ってもらえるようなデザインを目指しました。
Mさん バッグやTシャツのようなアイテムは、普段使いしやすいようにさりげないデザインを心がけました。バッグの中に忍ばせる文房具などは、当時のふろくや全サ(応募者全員サービス)のイラストで“懐かしさ全開”に、作中に登場する「再現グッズ」は、作品の世界観を意識しました。
Kさん 「大人が使ってもおかしくない」と「当時を思い出す懐かしいデザイン」のバランスが難しかったですね。少女マンガの繊細で美しいイラストの色彩を再現するのも大変でした。
――実際に会場で購入したお客さんの反応はどうでしたか?
Kさん 特にふろくを復刻した商品などは、アイテムを手に取って「これ持ってた!」「懐かしい!」と喜んで購入してくださって、担当者としてとても嬉しかったです。
――それではいくつか具体的に紹介してもらえますか?
Mさん 「コスチュームキューピー®」という、キーホルダーのキューピーに人気キャラの“コスプレ”をさせた商品が好評でした。もともと平面上に描かれているキャラを立体に再現するのが大変で、ポコ太(「姫ちゃんのリボン」)のたてがみの数、リーヤ(「赤ずきんチャチャ」)の瞳のキラキラ感、スドーザウルス(「天使なんかじゃない」)の頭から尾へかけてのギザギザは、原作イラストのようにかわいく仕上がっていると思います。後ろ姿もこっていてかわいいんですよ!

Kさん 僕のイチオシは「復刻ふろくノート」です。みなさん、思い出深いふろくが数多くあると思うのですが、厳選して商品化しなければいけないので苦渋の決断でした。できれば、もっとたくさん復刻したかった!(笑)
当時はまだデザインをデータにして保管していなかったため、どうやって再現すればいいか悩みました。最終的には当時のふろくの実物をカメラで撮影し、きれいに画像処理することで、何とか当時のままのクオリティーで再現することができました。このノートを使うと当時の記憶がよみがえると思いますし、同世代の友人の目にとまれば、そこから思い出話に花が咲くと思います。

Mさん もう一つお薦めしたいのが「まほうのくすり」です。みなさん覚えていますか?『ご近所物語』の番外編に登場する金平糖が入った瓶をイメージしたものです。開発当初は瓶にキャラクターのイラストを入れる案もあったのですが、作品に登場したデザインを近づけることに専念し、矢沢あい先生の手描き文字から起こしたラベルと作中に登場するブランド「ハッピーベリー」のマークを入れたデザインにしました。このグッズは金平糖を食べた後も、中身を入れ替えてずっと楽しめるんです!

Kさん そのほかのグッズも、使うたびに当時にタイムスリップして思い出に浸れること間違いなしです!
©彩花みん/集英社 ©池野恋/集英社 ©一条ゆかり/集英社 ©岡田あ~みん/集英社 ©小花美穂/集英社 ©さくらプロダクション ©椎名あゆみ/集英社 ©柊あおい/集英社 ©水沢めぐみ/集英社 ©矢沢あい/集英社 ©矢沢漫画制作所/集英社 ©吉住渉/集英社
「特別展 りぼん」グッズ事後販売
▽オンライン販売(2021年7月26日~10月31日)
・ジャンプキャラクターズストア
・ジャンプキャラクターズストア HAPPY PLUS STORE店
・MARUYODO
・ハイブリッド型総合書店honto
▽書店POPUPショップ
・丸善 丸の内本店4階文具フロア(7月28日~8月17日)
・MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 1F&2Fイベントスペース(8月21日~9月3日)
・ジュンク堂書店 池袋本店9F催事場 (9月8日~9月20日)
※事後販売の詳細は公式サイトへ。