高岡早紀、自宅屋上「天空プール」でダルメシアンと水浴び

「ただいま~」と、自宅の玄関の扉を開けると、かわいい「娘たち」が尻尾を振ってお迎えしてくれます。私が荷物を置くと、娘たちは「おかえり~」と言わんばかりに、全力で飛びかかってきます。「オン」から「オフ」に切り替わる瞬間ですね。心や体がホッとほぐれます。

娘たちとは、わたしの愛犬2匹のこと。Dちゃん(メス、3歳)と、Mちゃん(メス、1歳)です。

【ごほうび】東麻布のミシュラン☆フレンチでやりたいことを全部やる

キュートな水玉 「飼おう!」

愛犬の名前に、違和感を感じた読者もいらっしゃると思います。名前は公開していません。なぜかというと、芸能界に入って、プライベートのことをどこまでお話しするかと考えた時、「家族の名前だけは、公表しなくてもいいんじゃないか」と思いました。私にとって、愛犬も大切な家族です。今回はイニシャルでご紹介します。ご理解いただけたらうれしいです。

Dちゃんが我が家にやってきたのは、2018年のこと。次男(21)が「犬を飼いたい」と言っていて。でも私は「いやいや、ちょっとね……」と断っていたのです。というのも、年老いて体が弱くなってきたミニチュアピンシャーという犬種のCちゃん(メス、14歳)と暮らしていて、もう1匹飼うという気持ちにはなれずにいたのです。

でも、ある晩に、リビングでくつろいでいた時のこと。次男に差し出されたスマホの画面に、思わず目がくぎ付けになりました。

「わぁ、かわいい!」

「犬を飼っているおかげで生活がより豊かになっています」(吉澤健太氏撮影)

スマホ画面の動画に映っていたのは、ダルメシアン。そうそう、ディズニーの名作映画「101匹わんちゃん」に登場する、白に黒の水玉模様のあの犬です。

見た目もしぐさも、とってもキュート。「飼おう!」と即決しました。衝撃的な一目ぼれとでもいうのでしょうか。なぜだかピンときたのです。

それからまもなく、栃木県内のブリーダーさんに連絡し、ノリノリの気分で車で向かいました。ブリーダーさんの紹介で、ダルメシアンの赤ちゃんに対面しました。それがDちゃんです。生後3か月になる頃、私の家族の一員になりました。

小犬のDちゃんに、一緒に暮らす次男や長女(10)もメロメロ。そして昨冬、同じブリーダーさんから「Dちゃんの妹が生まれた」と聞いて、Mちゃんも譲り受けました。

こうして、私と母、次男と長女、犬3匹の家族7人暮らしが始まったのです。

「Mちゃん(左)とDちゃんは仲良し姉妹。かわいくて仕方がありません」(吉澤健太氏撮影)

高齢ミニチュアピンシャーのおばあちゃん 家族で見守る

ミニチュアピンシャーのCちゃんは14歳。人間の年齢に換算すると、70歳過ぎのおばあちゃんです。

Cちゃんが我が家に来たのは、1歳くらいだったと思います。知人から譲り受けて、私の「娘」になりました。

年を重ねて、だんだんと体が弱くなり、自宅から外に出て散歩することはなくなりました。今は一日中、家の中で過ごしています。加齢による病気を患い、両目は見えない状態です。

それでも、トイレの場所や水を飲む場所はちゃんと覚えていて間違えない。「すごいなぁ」と感心します。部屋の中を自分のペースで歩き、一日一日を大切に暮らしています。そんなCちゃんの姿を、私たち家族は温かく見守る毎日です。

私は幼少の頃から色々な生き物を飼っていました。ウサギやニワトリ、インコやオウム、カメやハムスターなど。特に犬はずっと飼っていて、シバ犬やダックスフントなど、これまで10匹以上になると思います。

振り返ってみると、ペットがいない生活は、芸能界の活動のために上京して、一人暮らしをしていた数年間だけですね。
私が6歳の時、父が交通事故で亡くなり、その後は母が一人で私と兄妹を育ててくれました。家庭の中には、いつも人間以外の動物や生き物がいました。ペットの世話が大変だと思ったことは一度もありません。私にとっては動物や生き物が家庭にいることは自然で、当たり前のことでした。

一方で、大切な家族である動物や生き物たちが命を失うということも目の当たりにしてきました。動物たちとの暮らしはとても癒やされますが、命が消える瞬間にも立ち会わなければならない。それはやはり、とてもつらくて悲しいです。

「みんないつかは順番が回ってくる」――。今はそう感じています。だからこそ、「今を大事にしよう」と思うのです。

私は成人した息子が2人と10歳の長女がいますが、3人とも自宅で出産しました。心から落ち着ける自宅で産みたいと思い、信頼できる助産師さんにお願いしました。

次男を産むときは長男が立ち会いました。長女を産む時は息子2人が見守ってくれました。Cちゃんも別の部屋ではありますが、同じ家の中で新しい家族の誕生を楽しみにしてくれていたと思います。

私と同様、子どもたちもいつも犬が家庭にいる環境で育っています。子どもたちは命が誕生するという奇跡や、年をとったCちゃん、元気いっぱいのダルメシアンのDちゃんやMちゃんと日々向き合っているからか、やさしい気持ちを持った人に育っています。母親として、とてもうれしく思っています。

愛犬を抱く高岡早紀さん 読売新聞 大手小町
高岡さんに抱っこされるCちゃん。「愛犬たちにも『この家族でよかった』と思ってほしいです」(吉澤健太氏撮影)

毎日ベッド争奪戦!

幼い頃からペットを飼い続けてきたとお伝えしました。これまでペットと一緒に寝ることはなかったのですが、ダルメシアンのDちゃん(メス、3歳)とMちゃん(メス、1歳)とは、初めて同じベッドで寝ています。

大きなベッドではあるのですが、私と長女(10)、DちゃんとMちゃんが一緒に眠るとなると、狭く感じることもしばしばありますね。毎日、寝るスペースの争奪戦が繰り広げられています(笑)。寝るスペースが狭いと感じたら、DちゃんやMちゃんの大きな体を「よいしょ」という感じで動かして、少しずれてもらいます。寝返りを打つと、2匹の体と触れるのですが、温かい体温をすぐそばで感じる距離で寝起きできるので、とても幸せです。

2匹をこんなにも「かわいい」と感じている自分に驚いています。私自身、年を重ねた分、心に余裕ができたのかもしれません。

自宅に戻ると、私は一人の母親です。とはいえ、台本を覚えることは家でもやらなければいけません。台本を読むのは家族が寝た後にリビングでしていますが、長女がなかなか寝なかったり、DちゃんやMちゃんが「寝ようよ~」と甘えてきたりして、一人の時間を作るのは、本当に難しいと感じています。

私が夜中にそっとベッドから起き出して、リビングで一人の時間を過ごそうとすると、DちゃんやMちゃんは私のあとを追ってきます。Dちゃんはおっとりとした性格。一方、Mちゃんは甘えん坊で怖がり。お姉ちゃんが大好きなので、眠くても、私のあとを追うDちゃんに付いてくるのでしょうね。

今まで、ストーカー、クラブのママ、盲導犬と出会う視覚障害者など様々な役を演じてきました。現在放送中のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」では、テレビ局の報道番組の責任者の役で登場します。連続テレビ小説に出演するのは初めてです。明るく爽やかに、かっこよく演じたいと思っています。

家で一人の時間を作り、役になりきって台本を覚える作業は、そう簡単ではありません。でも、家族がいるおかげで、限られた短い時間に集中して、台本を覚えることができています。家族に支えられているおかげで、今の私がいるのだと実感しています。

静かな中で、セリフを覚えたり、ワインを飲みながら、ゆっくりと色々なことに思いを巡らせたりする一人の時間を過ごしたいのですが、2匹が「ねぇねぇ。早くしてよ~。ベッドで寝たいんですけど~」と訴えかけるのです。2匹のおかげで、夜更かしし過ぎず、一人の時間は「お開き」になります。

「同じベッドで、長女とDちゃん(左)、Mちゃんと一緒に寝ています。いとおしい時間ですね」(吉澤健太氏撮影)

家族の存在が力の源

毎朝7時過ぎ、ダルメシアンのDちゃん(メス、3歳)とMちゃん(メス、1歳)を連れて、通学する長女(10)を自宅近くのバス停まで見送ります。その後、2時間ほど私と2匹の散歩タイムになります。

公園で私がボールを投げると、Mちゃんは口にボールをくわえて、お姉ちゃんであるDちゃんに持って行きます。Mちゃんは、お姉ちゃんのことが本当に大好きなんです。

朝の都会はいつもと違った景色に見えます。公園内の緑に囲まれて歩きながら深呼吸するのは、本当に気持ちいいですね。

散歩中、愛犬を連れた方々と自然とあいさつを交わすようになり、今では友人になりました。このようなひとときが、一日の始まりを豊かにしています。

昨年はコロナの感染拡大で、予定されていた仕事がストップし、自宅での自粛生活を余儀なくされました。「どうなってしまうんだろう」と正直不安になりましたが、家族と一緒にいることができる貴重な時間でもありました。子どもたちはいずれ独立して家を出て行くでしょう。今後、こんな時間を過ごせることは、もうないかもしれませんね。

我が家の屋上では植木のほかに、ローズマリーやラベンダー、ブルーベリーやイチジク、ユズなどを育てています。ブランコを設置していて、夏場はビニールプールも広げます。家族みんなで楽しめる癒やしの空間で、「屋上ガーデン」と呼んでいます。

天気がいい日はこの屋上ガーデンで、DちゃんやMちゃんと日なたぼっこしたり、水浴びしたり、長女と果樹の収穫を楽しんだりしています。コロナ禍ですが、自宅の中で心身ともにゆったり過ごすことができています。

過去に、家族全員で、千葉県内にある、愛犬と一緒に過ごせる施設に宿泊したことがあります。コロナが落ち着いたら、DちゃんやMちゃんとまたゆっくり旅に出てみたいですね。犬を連れた旅行は準備も移動も大変ですが、それもまた楽しみの一つです。

来年50歳になります。時が つのは本当に早くて、信じられない気持ちですが、プライベートでは3人の子どもにも恵まれ、仕事の面では、たくさんの人や作品に恵まれました。マイペースながら、歌手活動もしています。9月にシングルレコードが発売予定です。同月、金沢市内で開かれるジャズライブ「KANAZAWA JAZZ STREET2021」の出演も決まり、緊張もありますが楽しみです。

振り返ると家族の存在こそが、私の力の源です。家族が幸せでいるって、本当に大切なことだと改めて感じています。

◎高岡さんの意向で飼い犬の名前は匿名にしました。
(このコラムは、読売新聞で7月に掲載されたものをまとめて再掲載しています。)

あわせて読みたい

高岡早紀(たかおか・さき)
女優

1972年、神奈川県生まれ。14歳で芸能界デビューし、90年「バタアシ金魚」でヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞した。主演映画「リカ~自称28歳の純愛モンスター~」が公開中。5月に初のエッセー集「魔性ですか?」(KADOKAWA)が出版された。

Keywords 関連キーワードから探す