セクゾ、10周年ツアー「マリウスさんと一緒に」完走

今年デビュー10周年を迎えるSexy Zoneの全国ツアー「Sexy Zone Anniversary Tour 2021 SZ10TH」の最終公演が11日、宮城県で開催されました。

新型コロナで公演の振り替えに見舞われながらもファンと久しぶりの再会を果たし、ツアーを無事に完走したメンバーたち。休養中のマリウス葉さんのことを感じさせる演出がちりばめられ、オンラインで生配信された最終公演は10周年を祝うサプライズがあるなど、感動的なツアーでした。

ツアーは、3月にリリースしたデビュー10周年の記念アルバム「SZ10TH」をひっさげ、3月下旬に大阪でスタート。デビュー時から活動をウォッチしてきた記者も、公演を見守りました。

グループは5人、強調する演出が随所に

休養中のマリウスさんはツアーには不参加でしたが、演出、言葉、歌を通してマリウスさんも一緒だと伝えていたことが心に刺さりました。4人は、マリウスさんのソロ曲「all this time」を披露。ステージ上のスクリーンには、マリウスさんが昨年の配信ライブで同曲を歌った時の映像が流れ、4人がそれを見つめながら歩き、歌う場面も。シンプルで優しい歌詞、自然とペンライトの色をオレンジ(マリウスさんのメンバーカラー)に変えるファンの温かさが相まって、胸が熱くなりました。

この後のシングルメドレーでデビュー曲「Sexy Zone」を歌った際には、マリウスさんのポジションとして佐藤さんと菊池さんの間を空けていました。曲中、各メンバーカラーの紙吹雪が舞い、その中にはオレンジもありました。

アンコールは、夕暮れを彷彿ほうふつとさせるラブソング「Twilight Sunset」。「今すぐこの瞬間を閉じ込めてよ どうか Twilight Sunset」という歌詞は、コンサートが終わってほしくないと願うファンの心を投影したセンスがいい選曲でしたし、オレンジ色の照明で会場が照らされる様子は何とも粋でした。

11日の最終公演のあいさつで、菊池風磨さんは「(ファンたちが)ペンライトをオレンジにして、一生懸命振ってくれる。やっぱり俺たちは5人で立っているとみんなに教えてもらった」と述べていました。デビュー10周年の記念コンサート、確かにマリウスさんはそこにいました。

バラの花でメンバーにサプライズ

11日の最終公演では、会場入り口でバラの造花が配布されました。バラの花を持ってデビュー曲を歌っていたSexy Zoneにとって、バラはグループを象徴するアイテムです。

最終公演の終盤、「Change the world」の「目の前に広がる景色に 薔薇ばらが咲いてた」という歌詞の箇所で、スクリーンにこっそり表示された指示に従ってファンが一斉にバラを掲げると、松島聡さんは号泣。それもそのはず、松島さんはパニック障害で休養し、昨年8月の復帰後、本格的に参加する初めてのツアーでした。ツアーを完走し、誰よりも感慨深いものがあったのでしょう。

今回のツアーでは、輝きを増して復帰した松島さんの明るさ、パワー、ダンス力に引っ張られる場面がいくつもあり、松島さんの存在の大きさを改めて感じました。ほかのメンバーも驚いたような表情をみせ、サプライズは大成功。メンバーとファンが一体となり、感涙するファンも少なくありませんでした。

MCが通常より長かったり、新曲「夏のハイドレンジア」を特別に歌ったり、盛りだくさんだった最終公演。ファンを楽しませたいというメンバーの心意気を随所に感じました。

ライブのメッセージとグループの現状がリンク

Sexy Zone 人形

ここ数年顕著なSexy Zoneのコンサートの特徴は、物語性やメッセージ性。歌詞から選曲し、コンサートのテーマに沿って肉付けするつくりが目につきます。単に盛り上がるからアップテンポな曲、緩急をつけたいからバラード曲……ではなく、彼らが手掛けるセットリストや演出には意図があり、どうしてこの曲を取り入れたのだろうと考察したくなります。

今回は10年の軌跡を振り返るとともに、映像などを通じ、自分らしくあることの大切さを説いたメッセージが光りました。映像で、少年が「Can we be like Sexy Zone one day(いつかSexy Zoneのようになれるの)?」と英語で尋ね、おじいさんが「Yes, if you can be yourself(君らしくいればいい)」と答える場面に、今回の主題が詰まっている気がします。

ここで少しグループの歩みや現状に触れると、Sexy Zoneは、2014年から15年にかけて中島健人さん、菊池さん、佐藤勝利さんの3人、松島さん、マリウスさんの2人にわかれて活動し、ファンが離れた時期があります。若くして華々しくデビューしたものの、後輩グループにCDセールスが抜かれるなど、悔しい思いをしたこともあると推察します。ファンではない人からすると「恵まれないグループ」と映るかもしれませんが、どんな時も諦めず、持ち前の誠実さで仕事を実直にこなす姿は一貫していたように思います。地道に実力をつけ、ここ最近はドラマ主演、舞台主演、バラエティー番組のレギュラーなど大きな仕事が相次いでいます。

Sexy Zoneが自分らしくあり続けたからこそ、充実した今がある――。コンサートのメッセージと光が当たり始めている彼らの現状が重なり、これまたすてきだなと胸に迫るものがありました。アイドルのキラキラを浴びる楽しさがあるだけでなく、賢さ、優しさ、繊細さに裏打ちされた彼らのコンサートはどこか奥深く、学びが多いです。

ツアーを通じて、これからもグループは前に進んで行くという決意も感じました。確かに、後輩に先を越された部分はあるかもしれません。それでも、変わらず向上心を見せるところは頼もしい! 数年前の取材で、菊池さんが「いつかやってやりますから」と答えてくれたことがあります。その言葉を記者は信じていますし、これからも彼ららしく、しなやかに、幸多い歩みを続けてほしいと思います。

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山村翠 (やまむら・みどり)

読売新聞東京本社生活部に在籍。中学生の頃に先輩のバックで踊るKinKi Kidsの堂本光一さんを見て沼に落ち、20年以上、ジャニーズを応援。ジャニーズのコンサートや舞台を取材・執筆し、タレントにインタビューをするほか、プライベートでも様々なグループの公演に足を運ぶ。

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