ダラダラしがちな休日をワクワクに変えてくれるって本当?

小中学生は夏休みを迎える頃だが、私は仕事の日々。待ちに待った休みもスマホを触って過ごし、出かけようとすると、すでに夕方……。そんな後悔の多い休日を変えてくれそうなサービスがあるという。

「ダラダラ過ごすことが多かったけれど、楽しい休日になりました」。熊本市の会社員女性(24)が声を弾ませた。女性は今春から、自宅で楽しめる体験キットが届くサービス「おうちハック!」(1回あたり税込み3000~5500円)を利用している。

「おうちハック!」で届くミニ庭園づくりの体験キット (休日ハック提供)

 

性格に合った体験キットとは

サービスのLINE公式アカウントで性格診断を受けると、適した体験キットが届く。スパイスを混ぜ合わせるクラフトコーラ作りや和菓子作り、陶芸など100種類以上あり、どれが届くかは分からない。「届くまでのワクワク感や、自分の手で完成させる楽しみがある」と満足そう。東京都の女性(35)も「コロナ禍で増えたおうち時間を楽しめる」と話す。

このサービスを3月に開始した「休日ハック」(東京)は、利用者に代わって休日の予定を決めるサービス「休日ハック!」も提供する。左官やDJ、旅客機のフライトシミュレーターなど、都内で体験できる100種類以上のプログラムを用意。何を体験するかは当日のお楽しみだ。利用料は1回あたり「税込み3300円~」から「同1万1000円~」の4段階。

社長の田中和貴さんも以前、ダラダラしがちな休日の計画を友人に頼み、キックボクシングを初体験。自分で思いつかない過ごし方にワクワクした経験からサービスを始めた。「思いがけない発見や出会いを通し、非日常体験を味わってほしい」と話す。

休日を無駄にしたと感じる人は少なくないようだ。セイコーホールディングス(東京)が2018年、休みについて10~60代の1200人に尋ねたところ、「時間を気にせずのんびり過ごしたい」と7割が回答する一方で、3人に1人は、予定がなかったり、ゆっくり過ごしたりすると、時間を無駄にしたと思ってしまうと答えた。

休日デザイン研究所(東京)代表の鈴木潤士さんは、「本来、休みの価値は自分自身が決めるもの。何もしないで過ごしてもいいはずだが、SNSで休日を楽しむ様子を発信する人が増えたことで、つい自分の休日と比べてしまうのでは」と背景を説明する。

休日を充実させたいというニーズは高く、注目を集めるサービスはほかにもある。

旅行サイト「AVA Travel」は、人工知能が利用者に合った旅行プランを無料で提案してくれる。旅の目的や同行者などの質問に答えるだけでいい。

コロナ禍のため、近場で休日を楽しみたいという要望に応えるサービスも。

スマホアプリ「Sassy」は、利用者に周辺の飲食店や観光地を提示。写真を見て行きたい場所を選んでいくと、地図に集約され、自分だけのマップが出来上がる。住所と連絡先、口コミ情報もすぐに分かる。運営会社代表の西村彰仁さんは「休日に行き先を地図から選べば、手間をかけずに近場を楽しめると人気です」と話す。

「ちょっとしたことでいいので、いつもと違う体験や何かの気づきがあるだけでも、休日の満足度が高くなる」。日本時間学会会長で千葉大教授の一川誠さんは提案する。

次の休みは、少しゆっくりと近所を散歩してみようか。見逃していた街の変化に気づくだけでも、良い休みだったと思えるかもしれない。

ユニリーバのブルーマンデーぬりかえ作戦とは

休日に後悔するだけでなく、休み明けも憂鬱ゆううつになりがちだ。「ブルーマンデー」という言葉もある。

メンタルトレーナーの井垣利英さんは、「休日モードから平日モードへ気持ちの切り替えがうまくできないことが要因の一つ」と指摘する。コロナ禍で普及してきたテレワークでは、通勤時間など気持ちを切り替える時間がなくなり、より憂鬱になりやすいという。井垣さんは「オンラインでもいいので、午前中に同僚と雑談するとリラックスでき、脳が活性化される」と勧める。

「YELLOW MONDAY TIME」で雑談する従業員たち

ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング(東京)は、毎週月曜の午前中にビデオ会議システムを使い、紅茶を飲みながら雑談することを推奨する「YELLOW MONDAY TIME」を4月に導入。その後の調査では、従業員の3人に1人が憂鬱な気分を感じにくくなったという。「始業前に肩の力が抜け、やる気が出た」などの声が聞かれるという。
(読売新聞生活部 松本彩和)

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