辻希美、たたかれ、救われたSNSでママたちに伝えたい

タレントの辻希美さん(34)は、「モーニング娘。」として活躍後、俳優の杉浦太陽さんと結婚、現在は4人の子どもを育てながら、プロデュース業やYouTubeチャンネルでの発信などの活動を続けています。6月、書籍「大好きな人と結婚した、その後。」(講談社)を出版した辻さんが、子育てやSNSについて語ってくれました。

――19歳で結婚を発表し、子育てと仕事を両立しながら20代、30代前半を駆け抜けてきた辻さん。2~13歳の1女3男のお母さんとしてどんな毎日を送っていますか。

子どもたちに「ママうるさい」などと言われながら、電動チャリをフルパワーで乗り回しています。家ではずっとご飯を作っていますね。小学生の長男と次男は食べ盛り。私が止めるまで食べ続けるほどで、1日に米を8合炊きます。焼き肉するときはもうヤバイです。肉をブロックで買ってきて、家でカットして焼きます。たたいて柔らかくして、質より量ですね。料理は私にできる愛情表現だと思っているので、無理のない範囲で、手作りしてあげたいです。

辻希美さん 大手小町 読売新聞
辻希美さん

――著書では「子どものやる気を引き出す作戦」など辻さん流の子育てや家族との向き合い方が書かれています。

よく「4人育てて、えらいね」って言ってもらえるんですけれど、勝手に育ってくれているというか、きょうだい同士学んで、成長してくれている部分もあります。1人目、2人目のときが一番大変でした。その後はだんだん楽になっています。

長女が生まれたときは、育児書を読んで、「お手本通りにしなきゃ」と病みました。出版した本は育児のマニュアル本でも、お手本でもありません。子育てについて書いてはいるけれど、杉浦家の場合はこうなんだと笑ってもらったり、ママたちにどこか共感してもらえて、気持ちが少しでも楽になったりすればいいなと思います。4人の子どもは同じ家庭で育っても、性格も好みも全然違います。育児書通りにあてはまらなくて当たり前だと今は思えます。

旦那さんへのねぎらいはサラダチキン

――かつては離婚の危機もあったそうですね。夫婦の役割分担はどうしていますか。

結婚当初は、家事は私がやるものだと思っていました。子どもが増えるにつれて、全部一人でこなすのは無理なのに、旦那さんに甘えたり、助けを求めたりできなくなってしまいました。お互いぶつかって、夫婦げんかになることもありました。破裂しそうになってやっと、「手伝ってほしい」との自分の思いを伝えることができ、旦那さんも「ちゃんと話そう」と向き合ってくれて、「大変さはわかっていた。自分もやるよ」と言ってくれました。私が家事をする間に子どもを見てくれますし、ときどき料理もしてくれます。二人で話をする時間を大切にするようになって、衝突はほとんどなくなりました。旦那さんの仕事が忙しいときや、ピリピリしているときは、今は話すタイミングじゃないかな、こんな言い方はやめておこう、などと察して、配慮することも互いにできるようになってきました。彼が出張から帰ってくるとき、大変な仕事を終えたときは、自宅で好きな物を作ります。今、彼は体を鍛えているので、サラダチキンを作ってあげると喜んでくれますね。

ママゴト婚と揶揄され

――ブログ、インスタグラム、YouTubeなどSNSで発信する私生活が、話題を集めることも多いですね。

今の私がいるのはSNSのおかげでしかないと思っています。結婚当初、寄せられる声はほぼ厳しい意見でした。第1子出産後、仕事に復帰し、ブログを書くようになりましたが、何を発信しても、コメント欄が好意的とは言えない言葉で埋め尽くされました。私たちの結婚は「ママゴト婚」と揶揄やゆされましたから、「あんなに若いうちに結婚して子どもを作って、一体どんな育児をするんだろう」と世間は気になったんだと思います。発信をやめたいと何度も思いました。そんな中でも、いつもブログを見てくれて応援してくれる人もいて励まされ、あきらめずに発信を続けてきました。批判されたときは、失敗から学んだり、自分が発信したことで嫌な気持ちになった人がいるのなら改めようと反省したり。厳しい声が今の自分を作り上げ、強くしてくれました。

4人目の妊娠を発表した3年ほど前、急に、あたたかくて、優しいコメントが寄せられるようになりました。SNSのコメント欄が好意的なコメントで埋め尽くされて、「え? 何この感じ」と怖くなったほどです。たたかれてばかりだったから初めての経験。あの時の気持ちは忘れられません。道を歩いていても、すれ違う人に「おめでとう」と言ってもらえたり、がんばってきたかいがあったなとジーンときました。YouTubeチャンネルで料理の動画などを発信し始めると、「辻ちゃん、ちゃんと料理してるんだ」などと認められるようになって、10年かかったけど、合格がもらえたのかな。頑張ればいいことがあるんだと、大人になってから学びました。

インタビューに答える辻希美さん(読売新聞写真部、佐藤俊和撮影)
インタビューに答える辻希美さん

“在宅勤務”でYouTube発信

――30代半ばとなり、今の仕事への向き合い方は。

10代のときはグループで活動し、誰かしら先頭に立って引っ張ってくれたので、割と自由奔放にやってこられました。一人になって、やったことがすべて自分に返ってくることへのプレッシャーもあります。SNSの時代だからこそ、頑張ったぶんだけ反応があり、結果が目に見えてわかることは、やりがいにつながっています。

動画配信で、自宅が散らかっていても、手の込んでいないご飯を作っても、共感してもらえます。以前は、食事がカップラーメンだと「手抜きしている」と言われていたのが、今は「親近感が持てる」と思ってもらえるようになりました。

子どもが小さいうちは家庭優先ではありますが、10代から続けている仕事が好きです。家でできるYouTubeの仕事は、子どものそばにいながらできますし、子どもが寝ている間に編集作業をするので、私なりの在宅勤務ですね。子育てしながら、いい環境で仕事ができていると思います。自分が発信したことによって、ママたちに「頑張れる」と思ってもらえたり、共感してもらえたりするのは本当にうれしいことです。これからも続けていきます。

(文・読売新聞メディア局 谷本陽子 撮影・写真部 佐藤俊和)

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辻 希美 (つじ・のぞみ)
タレント

1987年、東京都生まれ。2000年、「モーニング娘。」第4期メンバーとして芸能界入り。2004年のグループ卒業後もテレビ番組などに出演。YouTubeやブログで等身大の暮らしを配信している。

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