口説く女性よりも、口説かれる女性のほうが魅力的ですか?

「告白された回数と魅力は比例するの?」と題する女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。学生のトピ主さんは、同性間で恋愛話をすると、高い確率で「告白された回数」や「どちらから告白したのか」という話題が出ることが気になっているそうです。女性の間には「男性から口説かれている女性は魅力的」「女性から告白するのは恥ずかしい」といった価値観があるように感じると述べ、男性を口説く女性よりも、男性から口説かれる女性の方が魅力的なのでしょうか……と問いかけています。

言い寄られる恋愛のほうが、「心地いい」と感じる人は少なくない

「『私から告白したのよ』と話している女の子、見たことありません」とのこと、なかなか鋭い指摘ですね。そして、「人は年齢を経ても、あまり変わらないのだな」とも感じました。結婚している夫婦やカップルに、なれ初め話を聞いてみてください。双方ともが「相手から言い寄ってきた」と言っているケースに、必ず複数出会うと思います。

双方が「言い寄られた」と感じているのか、「言い寄られたことにしたい」のか、あるいは「記憶がすり替わっている」のか――。いずれにせよ、私たちは年齢や性別を問わず、「言い寄る」よりも「言い寄られる」というほうが、“心地いい”と感じる側面があるのかもしれません。

理由はいくつか考えられます。仕事でもなんでも、何かに選ばれることは「誇らしい」と感じる人は多いですよね。恋愛は自分自身をさらけ出すもので、恋心とプライドは繊細に関係しているため、「自尊心を守るため」に言い寄られたことにしたい、という人もいると推測できます。またシンプルに、自分の恋心を正直に伝えるのが「恥ずかしい、照れくさい」という人もいるでしょう。

さらには、「出るくいは打たれる」という言葉もあるように、日本人の価値観として“主張が強い人”を煙たがる傾向も関係しているのかもしれません。異性に言い寄るという行為自体、「図々しい」「相手に迷惑をかける」などと抵抗を感じやすい国民性ゆえに、「自分はガツガツせずに付き合った」という話のほうが、なんとなく心地いい、体裁がいいと感じる可能性も考えられます。

「すてきな恋愛ストーリー」に当てはめたい気持ちも!?

ただ、トピ主さんが指摘しているように、どちらかといえば、女性のほうが「言い寄られること」にこだわる傾向はあるように思います。長年、社会に根付いてきた「女性はしとやかにあるべき」という価値観も関係しているのでしょうし、「自分が欲しいものを攻め落とした」ということに喜びや手応えを覚える“ハンター気質”の人が、男性よりも相対的に少ない可能性も考えられます。

また、漫画やアニメ、ドラマなどで恋愛の物語をたくさん見て育っている人の割合も、女性のほうが多いです。最近でこそ、自分から言い寄るタイプの積極的なヒロインも増えてきていますが、以前は「すてきな男性に思われ、選ばれる」という逆のパターンのストーリーが大半でしたし、今もたくさんあります。そういった価値観の刷り込みも影響していると言えるでしょう。

色々と分析してきましたが、周囲の“告白された話”を聞くときは、「みんな告白されたことにしたほうが心地いい(自分に都合がいい)から、そう言うのかもね〜」というくらいに、事実を突き詰めずに解釈するのが最善だと思います。そもそも恋愛は両方の意思がないと始まらないことですし、告白されたからといって「相手に大切にされる幸せな恋愛になる」とも限りません。実際には、「告白の後」に二人で幸せな恋愛や関係性を作っていけるかのほうが、ずっと重要になります。

「自分の魅力を信じること」は、大きな力になる

最後に、「告白された回数と魅力は比例するの?」という質問について。トピ主さんは10歳代から20歳代前半と推測しますが、このくらいの世代は、「人からどう見えるか」ということに最も敏感な世代です。自分に確固たる自信が持てない人も多く、だからこそ「周りの子にすごいと思われたい」「ダサいと思われたくない」という気持ちにとらわれやすく、あらゆる言動が支配されている人もいます。

若い女性が告白されることにこだわるのは、「周りから、少しでもすてきな女の子(女性)だと思われたい気持ち」が隠れているからかもしれないな……なんて捉えてみると、ちょっぴり愛らしく、微笑ほほえましくも理解できるかもしれませんね。

ただ最近は、「誰がどう言おうとも、私は自分の魅力を信じるんだ」という強さを表明できる人のほうが、どんどん世の中に出てきている時代です。私たちにとって「周囲の同性・異性からの評判」を気にせずにいることはなかなか難しく、「自分で自分を愛し、その価値を認めること」が簡単ではないからこそ、それを実践している人に、多くの人が憧れの気持ちを抱くのかもしれません。

トピ主さんは「今まで告白されたことは一度もない」とのことですが、明るくさっぱりと自己開示をされている様子に、とてもすてきだなという印象を持ちました。「告白された回数と(その人の)魅力は、別に比例しないのでは?」と内心思っているのならば、その考えを、心の中だけでも貫いていけばいいと思いますよ。「異性からの評価に振り回されたくない。私は私の魅力を信じたい」という姿勢を持てるならば、この先の人生はとても生きやすくなるでしょうし、自分や自分の人生を大切にできる“幸せな大人”にも成長できると思います。応援しています。

発言小町のトピはこちら⇒「告白された回数と魅力は比例するの?」 

外山ゆひら(とやま・ゆひら)
フリーライター

哲学や心理学、芸術文化の分野に関心が高く、対人関係やコミュニケーション、生き方に関する記事を中心に寄稿。産業カウンセラー・心理相談員資格有。

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