おもてなし上手の美猫女将 京都老舗旅館に「おこしやすにゃ~」

JR京都駅からすぐ、落ち着いた雰囲気の不明門あけず通り。ロシアンブルーの美しい猫が旅館の入り口でお出迎えしています。猫の名はリリー。今年10歳になる藤家旅館の2代目の猫女将おかみです。看板猫女将として有名だった先代エミリーから引き継ぎ、きょうも猫女将業にいそしんでいるのです。生後2か月で旅館にやってきた時は、先代とはロシアンブルーの見た目が同じだっただけで、中身は女将と呼ぶにはほど遠い、やんちゃ娘だったそうです。現在はそんな頃があったとは信じられないほどで、訪問中は手厚い歓迎を受けました。お出迎えだけでなく、夜も朝も部屋にごあいさつに現れた猫女将リリーの“おもてにゃし”をレポートします。

京都駅から歩くこと3分。藤家旅館は、東本願寺の宿坊としてスタートした純和風旅館です。玄関から見える廊下のみごとな船底天井は旧京都ホテル別邸から移築したもの。

猫女将の訪問を受けたいときは、ふすまを少し開けておくのが合図。リリーの手が入りさえすれば、自ら襖を開けて体を通して入ってきます。ただし女将といっても猫なので、各部屋へ必ず巡回するとは限りません。そんな時は女将の内藤津以子さんにお願いするとよいでしょう。

当日は貸し切り状態だったこともあり、リリーの自発的な訪問を受けました。お行儀の良いあいさつの後は部屋の中をしばし歩き回ります。これが猫女将の接客のようです。お部屋はアットホームな雰囲気で、ポットのレトロさもツボに入りました。

朝の訪問ではいきなり部屋の真ん中でゴロン。これは畳の上で横になるのを、身をもってお勧めしているのか、「触っていいよ」のアピールなのか悩みます。猫女将は想像以上のおもてなし上手です。

そんなリリーのおもてなしの原点は、女将の内藤さんにありました。取材者の私に、名所の案内から地下鉄の入り口まで案内してくださるなど、ずいぶんとお世話になりました。女将のお客さまへの思いが、ロシアンブルーの猫女将たちにも伝わっていると感じました。

コロナ以前は海外のお客さまが早めに部屋を押さえてしまい、予約の取りにくい宿でした。現在は、リリー目当ての国内ファンが会いにきてくれて、内藤さんはリリーにとても感謝しているそうです。初代から20年続くロシアンブルーの猫女将の招き猫パワーを、改めて感じました。

藤家旅館
所在地:京都市下京区不明門通七条下ル 東塩小路町735
電話:075−351−3894
https://fujiyaryokan.com

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南幅俊輔(みなみはば しゅんすけ)

盛岡市生まれ。グラフィックデザイナー&写真家。デザイン事務所コイル代表。現在、デザイン以外にも撮影、編集、執筆を手がける。2009年より外で暮らす猫「ソトネコ」をテーマに本格的に撮影活動を開始。日本のソトネコや看板猫のほか、海外の猫の取材・撮影を行っている。著書に「ソトネコJAPAN」「猫と世界遺産の街カレンダー」(洋泉社)、「ワル猫カレンダー」「ワル猫だもの」「サーバルパーク」(すべてマガジン・マガジン)、「どやにゃん」(辰巳出版)など。企画・デザインでは「ねこ検定」「パンダのすべて」「ハシビロコウのすべて」(すべて廣済堂出版)など。

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