シバの兄とレトリバーの妹が追いかけっこ、篠原信一超かわいがる

篠原家のワンちゃん2匹を紹介します。シバ犬の「小鉄」(オス、6歳)とゴールデンレトリバーの「ニコ」(メス、3歳)です。2匹のおかげで、癒やしの多い楽しい毎日を送っています。

まず最初に家族になった小鉄は、ペットショップで出会いました。秋田犬など大型犬がいいと思って店に出かけると、目に飛び込んできたのは生後3か月ぐらいのシバ犬の子犬たち。その中でも小鉄はオスのわりに小柄で、「小さくても強く」という思いを込めて命名しました。あまりにも小さかったので「豆柴ですか?」と聞かれたこともあるほどです。

元々僕は犬が好きで、犬を飼うのは初めてではありません。中学生の時、知り合いが飼っていたシェパードが出産した際にメスの子犬を譲ってもらい、「エル」と名付けました。飼う前に「おまえ、面倒見るんか」と両親に問われて「面倒見る、見る」と即答した篠原少年。でも、なんやかんやで僕はあまり世話をせず、母に任せていました……。よくあるパターンですね。

嫌がる妻が一目ぼれ

小鉄を飼ったのも、子どもたちが「世話をするから犬がほしい」と言い出したことがきっかけの一つでした。嫁さんは「どうせ面倒を見るのは私でしょ。嫌だ、嫌だ」と否定的でしたが、ペットショップで小鉄に一目ぼれしたのは彼女でした。

子どもたちも犬を超かわいがっていて、僕が仕事で不在の時は散歩などを手伝ってくれますが、一番面倒を見ているのは嫁さん。ん? どこかで見たような……。歴史は繰り返す……。

小鉄は人間にはフレンドリーですが、犬に対面すると「ウーウー」とうなってしまうのが気になりました。幼少期に親兄弟から引き離され、私たちも過保護にしたことが原因でしょうか。

犬同士のコミュニケーション能力が高くなく、自分のことを人間だと思っているようでした。社会性を養うため、2匹目を飼うことに。賢くて穏やかなゴールデンレトリバーなら、“相棒”にふさわしいと考えました。

ちょうどその頃、知り合いが飼うゴールデンレトリバーが出産し、譲ってもらったのがニコです。生後3か月の時、篠原家の一員になりました。ニコは、いつも笑っているような顔なので、この名前になりました。この連載に載っているニコの写真も、笑っていますか? そう見えるとうれしいなあ、親バカですけど(笑)。

「シバ犬の小鉄とゴールデンレトリバーのニコは我が家のアイドルです」(長野県安曇野市の「ドッグカフェ ウィズ」で=読売新聞写真部・園田寛志郎撮影)

信州で四季の散歩満喫

2018年、長野県安曇野市に立つ中古住宅を購入しました。テレビ番組のロケなどで全国各地を訪れる中、自然豊かで四季がはっきりしている信州にかれました。僕はすでに奈良県から長野県に住民票を移し、両県で2拠点生活を送っていますが、来年、三男が高校に進学して入寮するタイミングで完全移住を目指してます。

信州暮らしで、シバ犬の「小鉄」(オス、6歳)とゴールデンレトリバーの「ニコ」(メス、3歳)はどう変わったか。まず、小鉄はよく走るようになりました。安曇野の家に芝生の庭を作ったので、朝の散歩後などにそこで走ってます。しんどいことが嫌いなので、自主的というより、ニコに追いかけ回されているだけかもしれませんが……。

ニコはというと、大して変わりません。ただ、山に散歩に行くとビビリな性格が出てしまいます。最初は「私についてきなさいよ」と言わんばかりに尻尾を立て、先頭を進むニコ。でも、いざ山に入ると色々なにおいがするからか、だんだんペースが遅くなって、だんだん小鉄の横、いや後ろを歩いて……。「おい、さっきの勢いはどこ行ったんや」とツッコミたくなります。

信州ライフに喜びを得ているのは、犬より人間のほうかもしれません。山や田園集落など散歩コースが多彩になり、散歩を通じて自然を感じることが増えました。例えば、冬なら雪上に動物の足跡を見つける、春なら北アルプスの残雪と新緑の“コラボレーション”が楽しめる――。どうですか、素晴らしいでしょう?

日々の変化も感じます。例えば、花のつぼみが出てきたと思ったら、数日後につぼみが増え、そのまた数日後には花が咲いています。「もうそろそろ、あの小道に新緑のトンネルが出来ているかもなあ」と出かけると、本当にそうなっている日も。愛犬たちと鮮やかな新緑に包まれ、すがすがしい気持ちになります。

もしワンちゃんがいなかったら、しんどいから、寒いからといって散歩に行かない日があるでしょう。2匹のおかげで散歩に出かけ、おいしい空気を吸って、四季の移り変わりや自然の美しさに気付きます。そして、健康にしてもらっています。それは、犬を飼う喜びの一つだと思います。

散歩中、猿に遭遇するのも自然あふれる信州ならでは。猿を見る度、小鉄はほえまくって威嚇。ただ、大きなオス猿だと何かを悟ってシュッと引き下がりますが、「犬猿の仲」とはよく言ったものです。ニコは、ここでもビビリなので立ち向かっていきません(笑)。

これから、信州は緑が一層濃くなる季節。今後も家族とワンちゃんたちとで自然を満喫するぞ~!

「兄」のまねしすぎる「妹」

シバ犬の「小鉄」(オス、6歳)とゴールデンレトリバーの「ニコ」(メス、3歳)を観察していると、さながら人間の兄妹のようです。“妹分”のニコが、“兄”の小鉄のまねをすることが多々あるからです。

例えば、散歩でほかの犬に出会うと「ウ~ウ~」とうなる小鉄。犬にも人間にもフレンドリーだったニコも、その行動をまねするようになったのです。ただ、まねしているだけなので、小鉄に便乗してうなるものの、訳が分からず「なに、なに?」とキョロキョロしていることがあります。

ニコは、小鉄の様子を見て、トイレもすぐに覚えました。家にいる時、トイレに行きたくなったら扉のところでワンワン鳴く。それで家族に扉を開けてもらい、庭に出て用を足す。その一連の流れをすんなり学習し、それは助かりました。

あと、2匹ともちょっと健康に不安を抱えたこともあります。そこは、似なくていいのですが……。

5年ほど前、食欲はあったものの、小鉄が下痢をしました。心配になって病院で調べると、「胆泥症」と診断。胆汁が濃縮、変性して泥状になり、胆のうにたまる病気です。カロリー控えめのドッグフードに切り替えるなどして、症状は改善しました。

元々、小鉄は食いしん坊。小柄なので大きくなってほしくて、つい私たちも餌を多めにあげてしまったかもしれません(反省)。

ニコも、少し食欲がない時がありました。避妊手術も兼ねて病院に行くと子宮の頸部に異常が見つかり、2019年8月、手術をしました。昨年夏には、左足を引きずって歩いていたニコ。大型犬に多い、関節形成不全でした。手術をするほど重症ではないため、サプリメントを与えながら経過観察中です。

現在2匹とも元気に暮らしています。愛犬の近況はインスタグラムで発信しているので、ぜひチェックしてください。「小鉄くん、男前ですね」といったコメントが寄せられると、やっぱりうれしく思います。

ただ、困ったもので、僕も一緒に写った写真を投稿すると「いいね」の数が増えません。嫁さんに「犬が目当てなんだから、あんたの写真は見たくないわよ」と指摘されて、納得。人間用(@s.shinohara_life)と犬用(@kotetu__niko)、アカウントをわける解決策に至りました。

インスタグラムを始めたのは、「犬をかわいがる篠原、意外でしょう。あわよくばワンちゃんのお仕事、お待ちしてます」という“魂胆”もあります。今回、読売新聞さんからお声がかかり、僕の思惑にはまってくれたわけですね。感謝、感謝です(笑)。

愛犬描き絵本作家に

昨年、ゴールデンレトリバーの「ニコ」(メス、3歳)が登場する絵本「ニコのおくりもの」(報知新聞社)が出版されました! なんと文と絵は僕が担当。知人から「嫁さんにやらせたんじゃないか」と茶化されますが、正真正銘、篠原の作品です。

昨年のステイホーム期間中、中学生の三男が「柔道の練習がしたい」と言い出したことがきっかけです。僕は「組み合うことだけが練習じゃないぞ。好きな漫画のキャラクターを模写したらどうだ」と助言しました。模写をすることで、集中力や観察力が養われると考えたからです。柔道でも「あの人の技、すごいな」と観察し、まねることが上達につながります。

こうしてみんなで絵を描いていたのに、気付けば僕が最もハマってました。インスタグラムに投稿すると「意外にうまい」と評判になりました。

その頃、生花店を営む知人から、新型コロナで学校が休校になり、子どもたちが植えるはずだった花の苗が廃棄されていると聞きました。これに胸が痛み、花を題材に絵本を出版することになりました。

花から着想した物語なので、もう一匹の愛犬「小鉄」(オス、6歳)よりメスのニコのほうが世界観に合うと思い、主人公に“抜てき”しました。ニコが夢の中で動物や魚、鳥たちに花を届け、みんなを笑顔にするストーリー。ニコは「ニコニコークルクルー」と呪文を唱え、イルカやペリカンにも変身します。ちょっとイカツイ篠原がハートフルな絵本を手掛けるなんて、このギャップ、いかがでしょうか(笑)。

お姫様気質で常に家族に構ってほしいニコのことですから、絵本の主人公にもなってご満悦かな? 僕は愛犬のおかげで絵本作家デビューし、自分の可能性が広がった気がします。

絵本にもしたことですし、愛犬たちからは、僕が家族の中で一番好かれていると自負しています。食事中も、僕の足元から離れません。しかし、嫁さんは「あんたが一番こぼすからや。勘違いしないで」と反論。うーん、確かに僕がこぼす食べ物を狙って、“待機”している感は否めません。

そういう嫁さんもしょっちゅうクッキーをポケットにしのばせ、言うことをきいた時にご褒美として与えています。いつしか、嫁さんについたあだ名は「クッキーおばさん」……。

食べ物を落とす僕、クッキーで気を引く嫁さん、「どっちも食べ物で釣っているだけやろ」なんていう子どもたちのツッコミが聞こえてきそうですが、にぎやかに楽しく過ごせているのは愛犬2匹のおかげです。これからもよろしく!

(このコラムは、読売新聞で6月に掲載されたものをまとめて再掲載しています。)

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篠原信一(しのはら・しんいち)
柔道家、タレント

1973年生まれ、兵庫県出身。シドニー五輪柔道100キロ超級で銀メダルを獲得するなどし、2003年に現役を引退。柔道の全日本男子監督を経て、現在はテレビ番組などで活躍。昨年、絵本「ニコのおくりもの」(報知新聞社)を出版。

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