パリパリ、シャキシャキ新感覚リンゴあめ、屋台の味の専門店とは

祭りや縁日で楽しむイメージが強いリンゴあめやベビーカステラなど、ニッチなスイーツの専門店が相次いで登場している。目新しいものをSNSで発信したいという消費者のニーズに加え、専門店ならではのこだわりや工夫も人気につながっているようだ。

代官山で屋台スイーツ

4月上旬、東京・代官山にあるリンゴあめ専門店「代官山Candy apple(キャンディーアップル)本店」を訪れた東京都内の短大1年の女性(18)は、山口県から上京した母(48)と2人であめをほおばった。「外側のあめがパリパリ、内側のリンゴはシャリシャリとジューシーで、食感の違いが楽しい」と満足そうだ。

祭りなどの屋台で見るような串に刺した形も販売されるが、2人が食べたのは一口大にカットされた持ち帰り用のカップ入り。「リンゴあめの概念が変わったとお客様から言われます」と運営会社代表の西野好砂みささんは話す。

一見リンゴあめには見えないカップ入りが人気だ(「代官山Candy apple本店」で)

一般的なプレーン(テイクアウトは税込み648円)をはじめ、シナモンや抹茶などのパウダーをまぶした8種類を楽しめる。甘いあめと味のバランスが良くなるよう、リンゴは酸味の強い青森県産を中心に選んだ。

昨年1月に本店を開業して以来、都内や横浜市など計6店舗に拡大。「見た目もかわいいとSNSで発信する10~20代が多いが、懐かしいと来店される30~40代が全体の6割」と西野さん。通信販売も行っており、コロナ禍で需要が伸びているという。

紅茶風味のベビーカステラ

2018年7月にオープンした東京・上野のベビーカステラ専門店「アンド・オール上野アメ横店」はテイクアウト専門。生地の原料には水の代わりに豆乳を使用し、もっちりした食感を実現した。味はプレーン(Mサイズ税込み430円)に加え、チョコチップ入り、紅茶風味もある。

豆乳を使った「アンド・オール上野アメ横店」のベビーカステラ(提供写真)

ピスタチオのスイーツも

一つの素材に特化した専門店も登場した。JR東京駅八重洲北口に昨年8月、出店した「PISTA&TOKYO(ピスタアンドトーキョー)東京ギフトパレット店」は、酒のつまみの定番、ピスタチオを使ったスイーツの専門店だ。ケーキやクッキーの生地、クリームなどにピスタチオを練り込み、独特の香ばしさを感じられるように仕立てた。

ピスタチオがふんだんに使われる「PISTA&TOKYO東京ギフトパレット店」のスイーツ(提供写真)

外食減り、少しのぜいたく

ニッチなスイーツの専門店が広がる背景について、リクルートの調査機関「ホットペッパーグルメ外食総研」の上席研究員、有木真理さんは、差別化で客を獲得しようと専門店の細分化が進んでいる外食業界の動きを指摘。「SNSで専門店の情報を得やすくなったことに加え、新しい話題を発信したいという消費者のニーズにも応えている」と分析する。

コロナ禍の影響も大きいようだ。同総研が昨年9月、20~30代の男女約2000人に実施したコロナ禍での食生活の意識変化についての調査(複数回答)では、「娯楽が減ったので食べ物でちょっとぜいたくをしたくなった」(35%)、「非日常感が味わいたくなった」(17%)との回答が上位に入った。

有木さんは「外食の機会が減った分、非日常的な体験を専門店ならではのこだわりに期待する人が増えている。まったく新しいスイーツより、既存のものの進化形のほうが受け入れやすい」とみている。(読売新聞生活部 大郷秀爾)

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