いつまで乗せていいの? 自転車幼児座席の年齢制限が変わった

自転車の幼児用座席に乗せることができる子どもの年齢制限が、46都道府県で「6歳未満」から「小学校入学まで」に緩和された。以前は、子どもを自転車で幼稚園や保育園に送迎していても、年長の時に6歳になると乗せることができなかったため、緩和を求める声が上がっていた。

「自転車は保育園の送り迎えの必需品。6歳になったからといって、1キロほど先の園まで歩いて通うのは現実的には無理です」。保育園の年長クラスの長男(5)を自転車で送迎している東京都の会社員の女性(38)は話す。

東京都では4月、都道路交通規則の一部が改正され、自転車の幼児用座席に乗せることができる子どもの年齢が、「6歳未満」から「小学校入学まで」に引き上げられた。長男は6月に6歳になるため、女性は「これで小学校に入学するまで自転車で送迎できる」とほっとした表情を浮かべた。

保護者から「乗せないと送り迎えできない」の声、実情に応じた緩和

自転車の幼児用座席に乗せられる子どもの年齢などは、都道府県ごとに道路交通規則などで決められている。警察庁によると、4月16日時点で、広島県を除く46都道府県で、自転車の幼児用座席に乗せられる子どもの年齢が「6歳未満」から「小学校入学まで」に緩和されている。広島県警によると、同県でも、6月1日に施行細則を改正して、「小学校入学まで」に緩和する方針だという。

全国で道路交通規則改正の動き

全国で初めて、2020年4月に緩和したのは大分県だ。同県警の担当者によると、保育園や幼稚園に通う子どもは親が送迎することが多いため、「小学校に入るまでは自転車に同乗できた方がいい」と判断して改正したという。

子育て世帯にとって、自転車のニーズは高い。幼児2人を乗せられる三輪自転車を企画・開発した「ふたごじてんしゃ」(兵庫)社長、中原美智子さん(49)は、緩和を求めてオンラインでの署名活動を行ってきた。6歳になると同乗させることができないという規則はあまり知られておらず、違反とは知らないまま乗せているケースも多かったという。中原さんは「改正によって、子どもを自転車に乗せる際の規則をあらためて確認してほしい」と訴える。

自転車に詳しいモビリティージャーナリスト、楠田悦子さんは「同乗させることができる子どもの年齢の緩和は、自転車で保育園や幼稚園に送迎する親が多いという社会の実情に応じた流れだ」と評価する。また、「前後の幼児用座席に子ども2人を乗せたうえに、ハンドルや座席に保育園のカバンや買い物袋などを引っかけた危険な状態で走行する人もいる」と指摘。「法律上は自転車は『車両』に含まれるため、守るべき規則は多くある。学ぶ機会を作っていく必要があるのではないか」と話している。

子どもを乗せるときの注意点

新たに自転車に乗り始める人が増える4~5月は、事故が多発する時期だ。

自転車の安全な乗り方についての情報発信を行う「自転車の安全利用促進委員会」の遠藤まさ子さんは、「自転車は車道を走るのが原則だが、やむを得ず歩道を走行する時は、子どもの足や手がほかの人にぶつからないように注意しましょう」と呼びかける。人通りが多い歩道では、自転車から降り、押して歩くようにしたい。その場合は、自転車を自分の体の方に少し傾け、腰でサドルを支えながら歩くと楽だという。

保育園への送迎など、子どもを乗せている時は時間に追われて焦っていることも多い。遠藤さんは「自転車の魅力は、季節の風を感じながら子どもとの会話も楽しめることです。時間と心に余裕を持って乗るようにしてください」と話している。

(読売新聞生活部 林理恵)

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