Snow Manの滝沢歌舞伎が再開、ファン救ったブログと生配信

ジャニーズの9人組「Snow Man」の主演舞台「滝沢歌舞伎ZERO 2021」の東京公演が緊急事態宣言を受け、一部中止になりました(5月12日から再開予定)。9日に無観客公演が生配信されましたが、上演中止の対応を巡っては、ファンの間で賛否両論がありました。そんな中、メンバーのラウールさん(17)、渡辺翔太さん(28)らが演者とファンの気持ちをくみ取ったブログを発信して反響を呼んだほか、生配信公演でも熱量の高いパフォーマンスを披露しました。

「お見送り」など、中止の対応に賛否両論

公演は、4月8日~5月16日に東京・新橋演舞場で開催される予定でしたが、緊急事態宣言で4月24日の公演を最後に、5月11日まで中止になりました。Snow Manは、昨年のデビューコンサートも新型コロナの影響で中止になり、無観客で開催。やっと訪れたメンバーに会える機会に、ファンの期待は大いに高まっていただけに、中止には落胆が広がりました。

観劇したファンたちのツイッターによると、4月24日の公演では「滝沢歌舞伎は走り続ける、その意味を込めて幕を下ろさない」としてSnow Man全員がステージに残ってファンを見送りました。翌25日、ジャニーズ事務所の有料サイトには、「笑顔」というタイトルでステージ衣装に身を包んだ9人の動画が投稿され、9人は「笑って乗り越えよう」という趣旨のメッセージを発信しました。

こうした対応にファンたちは喜ぶ一方、一部の人からは「見に行かれた人たちを特別扱いする必要はない」「中止になったのに笑えない」など疑問の声もあがりました。

誠実、聡明さにじみ出るラウールさんのブログ

ファンの気持ちを察し、4月27日更新の有料サイトのブログで心情を吐露したのが、グループ最年少のラウールさんです。ラウールさんは「とても迷ったけど……」と前置きし、上演中止について思いを記しました。これまで大変なことがあるたびにファンとの関係性が深まっていたものの、今回はそうではなかったため、悲しいと述べました。中止になった公演を観劇するはずだった人の思いに理解を示しつつ、医療現場の負担を軽減するために公演を中止したことを説明。賛否両論だった動画についても、不安定な世の中だからこそ、ポジティブなことを考えて笑顔でいる時間を大切にしてほしい、そして公演に行けなくなってしまった人に早く笑顔になってほしいという思いを込めたと明かしました。

さらに、自分自身も以前つらいことがあった時に周囲に冷たくなったり、言葉をネガティブに受け取ってしまったりしたことがあると打ち明けました。持ち前の聡明さや素直な言葉でファンを思いやる姿は、さすが17歳にしてSnow Manのセンターを任されている人材だと感心しました。

渡辺さんも発信、「ありがとうとごめんがコラボ」

9日に更新された渡辺翔太さんのブログも、印象的でした。渡辺さんは結果的に不平等な状況になったことをび、「見られた人、見られない人、見られなくなった人」とファンそれぞれの立場に触れました。これまで公演を見てくれたファンに感謝しつつ、12日からの公演再開に複雑な思いを抱く人がいることにも理解を示し、「ありがとうとごめんがコラボしている」と記しました。

また、SNSについても、知らない間に言葉が凶器になり、それをメンバーやスタッフが目にすることがあると言及。Snow Manとしては、ファンのみんなに舞台やライブを見てもらいたい一心であることを強調しました。

普段は照れ屋な渡辺さんのブログに、よっぽど思うことがあったのかと推察します。本人は「感情に乗せて書いているから破綻しているかも」と危惧していましたが、感情のままだからこそ、メンバーの複雑な気持ちも、ファンへの思いやりも十分伝わってきました。真剣に語った後、何げない日常の話をして湿っぽくならずに終わらせた点も好印象でした。

本音や共感、思いやりのあふれる彼らのブログを通じ、上演中止の悔しさや怒りの矛先を彼らに向けるのはお門違いであること、そんな当たり前のことに改めて気付かされました。また、今回オープニングの衣装や桜吹雪を青色にしたのは、医療従事者への感謝の気持ちを込めたから。それを踏まえると、中止は致し方ないことでしょう。そうした彼らの思いに立ち返ることもできました。

SNSでファンの反応がダイレクトにタレントに伝わる時代の功罪も考えさせられました。そして、アイドルというイメージを保ちつつ、本音や核心を語るのは難しいこと。メンバーたちはどうブログを書くか、とても悩んだと思います。沈黙を貫くほうが楽なのに、あえて自分の言葉で発信したのは、誤解を解きたいという気持ちはもちろん、「ファンを置いていきたくない」という思いが根底にあるからではないでしょうか。今年に入ってSnow Manに取材した際に飛躍の要因を尋ねると、「ファンのおかげ」と即答したメンバーたち。そんなことを思い出しました。

一方、一部のSNSの言葉に反応し続けることは「いつか疲れてしまうのでは」とちょっと心配にもなりますが……。

様々な人の思いを背負った生配信公演

9日に行われた生配信公演も気迫あふれるパフォーマンスでファンを癒やしました。幕間には事前に収録したインタビュー映像を流すなど、工夫したことが伝わってきました。「今出来ることに全力で臨むことが、ファンに寄り添うことにつながる」という答えが詰まっていた気がします。

2幕の最後に歌った「WITH LOVE」の歌詞、「今度は必ずみんなで歌おうよ 笑顔で会えるよ」は、まさにSnow Manからのメッセージ。歌唱後、誰もいない客席に深々と礼をするメンバーたちにも、胸が熱くなりました。オンライン公演であるにも関わらず余韻が続き、ツイッターで「#滝沢歌舞伎ZERO2021生配信」がしばらくトレンド上位だったこともうなずけます。

ブログや生配信を通じ、ファンに寄り添う人間性がグループの魅力なのだとあらためて気付かされました。来年は何の心配も混乱もなく、舞台ができる世の中になっていることを祈ります。

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山村翠 (やまむら・みどり)

読売新聞東京本社生活部に在籍。中学生の頃に先輩のバックで踊るKinKi Kidsの堂本光一さんを見て沼に落ち、20年以上、ジャニーズを応援。ジャニーズのコンサートや舞台を取材・執筆し、タレントにインタビューをするほか、プライベートでも様々なグループの公演に足を運ぶ。

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