Snow Man舞台「滝沢歌舞伎」が圧巻!お気に入りのシーンは

ジャニーズの9人組「Snow Man」の主演舞台「滝沢歌舞伎ZERO 2021」(演出・滝沢秀明さん)が東京・新橋演舞場で始まり、4月7日に公開稽古(ゲネプロ)と初日前会見が行われました。昨年は新型コロナの感染拡大で舞台上演は見送られ、観客を入れての開催は2年ぶり。この2年で、9人はメディアに引っ張りだこの次世代を担うグループになり、成長した姿をこの舞台にぶつけています。

「滝沢歌舞伎」は、2006年に滝沢さん主演の舞台「滝沢演舞城」として誕生。2019年、「滝沢歌舞伎ZERO」となり、Snow Manに受け継がれました。歌舞伎の要素を取り入れた演目のほか、ねずみ小僧や太鼓など和をモチーフにした独自色の強いエンターテインメント作品として上演を重ねてきました。昨年は、舞台上演は中止になりましたが、映画化されて大ヒットを記録しました。

多彩なショーを詰め込んだ1幕

冒頭の楽曲「ひらりと桜」は、鮮やかな青い衣装で登場。これまでのピンク色の衣装よりちょっと大人っぽい印象で、デビューという階段を上った9人にとても似合っていました。これについて、会見で岩本照さんが「最前線で闘ってくださっている医療従事者の皆様への感謝とエールを込めた」と説明してくれました。岩本さんのかけ声とともに300万枚もの青い桜吹雪が落ちてきて、一気に作品に引き込まれます。

その後1幕は、ダンス、歌、殺陣、歌舞伎など、息をつく暇もないほど多彩なショーが繰り広げられます。9人はどの演目も全力で臨み、熱量の高さを劇場の端の端まで伝えます。見どころだらけですが、記者のお気に入りパートを三つ、挙げます。

(1)「Maybe」

すっかりこの舞台のスタンダードナンバーになった名曲。センター奥でラウールさんが踊り、下手に深澤辰哉さん、上手に阿部亮平さんが登場します。最年少のラウールさんは、普段のかわいらしさから一転、長い手足を生かした大人っぽいフリーダンスを披露。苦悩する表情を見せたり、何かを追い求めるように宙をつかんだり、「表現者」としての才能を見せつけます。深澤さんと阿部さんも、哀愁漂う踊りと歌で客席を魅了します。

(2)「Black Gold」

ファンの中で嫌いな人はいないのでは、と思うほど格好いいダンスナンバーです。ゴールドの上着、黒いパンツといった、まさに曲名のような新衣装で登場します。腹筋をしながら太鼓をたたく「腹筋太鼓」で体を酷使した後に、この曲を据えた構成も秀逸でした。ソロパートがあるので、それぞれのオラオラした個性的な踊りがじっくり堪能できますが、9人そろうとやっぱり見たいところが多くて目が足りない!

(3)「組曲」「花鳥風月」

クライマックスは、水が降る中でパフォーマンスをする迫力満点の「組曲」と「花鳥風月」。使用する水量は10トンにも及ぶそうです。水を全身で受け止め、バシャ!バシャ!と、踊りながら水を蹴り上げる音が客席まで響きます。水を滴らせながらの踊りは力強く、終盤、自分を鼓舞するよう「ウォー!」とおたけびをあげる目黒蓮さんやラウールさん。大量の水でどんどんスッピンになり、色気やたくましさが増したように見えます。

見どころ……ではないですが、滝沢歌舞伎にあわせ、9人そろって黒髪にした点も好印象でした。

Snow Manへの継承、連想させるラストシーン

2幕は、鼠小僧を題材にした芝居が上演されました。公開稽古で最も笑いを誘ったのは、冒頭、宮舘涼太さん演じる犬「ダテタマ」の登場シーン。普段はクールな宮舘さんが犬の着ぐるみを着て登場すると、まさかの配役に報道陣からは笑いが起こりました。

記者のお気に入りは、佐久間大介さん演じる金之助と、渡辺翔太さん演じる銀之助のシーン。コントのような軽妙なやり取りをする二人は、シリアスなシーンもある芝居の中でホッとする存在になっています。

悪役を演じる目黒さんのセリフの言い回しが、前回より聞き取りやすくなっていたことも、公開稽古取材の収穫でした。ドラマ「教場Ⅱ」の好演などを経て、芝居の魅力に気付いたのでしょうか。

最後は、岩本さん演じる岡っ引きの新吉が、鼠小僧の夢を引き継ぐように10万枚の小判を客席に降らせます。象徴的なシーンで、滝沢さんが担ってきた役は、映画版までは鼠小僧の幻影が務めました。今回、岩本さんになったことは、作品が完全にSnow Manに継承されたことを表現しているようでした。

仲の良さ、礼儀正しさが垣間見える会見

Snow Man
笑いが多く、和やかな雰囲気の会見

公開稽古後に行われた会見に、9人は晴れやかな表情で登壇。体力を消耗する過酷な舞台でありながら、手応えを感じている様子がすぐに伝わってきました。

「無事に初日を迎えられることを楽しみにしています。実際にお客さんが入った時の状況は、今の想像を遥かに超える鳥肌ものだなと思っているので、本当にゾクゾクするくらい楽しみ」と岩本さん。その後は、Snow Manらしい和やかで楽しい雰囲気の中、会見が進みます。

公演を乗り切るために特別にしたことを尋ねられると、向井康二さんと楽屋が同部屋という渡辺さんが、「(向井さんが)楽屋グッズをいっぱい買ってきてくれる。おそろいの歯ブラシ立てを買ってきてくれてうれしかったんですけど、ちょっと鳥肌が止まらない……。逆にモチベーションが下がっちゃった」と笑いを誘います。さすが、おもてなしが大好きな向井さん! そのほかのメンバーの楽屋の部屋割りも気になるところです。

「組曲」と「花鳥風月」について「(水の中でのダンスは)怖くないですか? 見ていると『転ばないでね』と思う」とリポーターが述べると、向井さんが「なんでそんな優しいん!? 見たらわかる、優しい人や!」と間髪入れずツッコミ。これに限らず、向井さんは終始ツッコミやボケで場を盛り上げ、グループのよいアクセントになっていることがうかがえました。取材者からすると、こうした盛り上げ隊長がいるのはとても助かります。水を使った演出について、「汗だくで体に熱が入っている状態なので、(水を)浴びた時はサウナの後の水風呂みたい」(渡辺さん)、「水の量がすごく多い。降ってくる水で溺れます」(佐久間さん)と答えます。

深澤さん、佐久間さん、阿部さんなどメンバーたちは舞台の端で取材陣に再び一礼し、去っていきました。デビュー以降、高度なパフォーマンスや仲の良さで大活躍の9人ですが、ジャニーズJr.時代から変わらない謙虚な姿に、彼らが愛される理由を見た気がしました。

取材を終え、「お客さんが入った状態で観劇したい」と強く思いました。2年前の滝沢歌舞伎はメンバーが6から9人に増えた直後でした。これには賛否両論あり、公演でも客席の空気感はどこかピリッとしていました。でも、この2年間で実績を積み重ね、増員は間違いではないことを証明してきました。ファンが「味方」になった雰囲気の中、堂々とパフォーマンスする9人が見てみたい! ファンにとっても、9人にとっても、すてきな春になるのではないでしょうか。

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山村翠 (やまむら・みどり)

読売新聞東京本社生活部に在籍。中学生の頃に先輩のバックで踊るKinKi Kidsの堂本光一さんを見て沼に落ち、20年以上、ジャニーズを応援。ジャニーズのコンサートや舞台を取材・執筆し、タレントにインタビューをするほか、プライベートでも様々なグループの公演に足を運ぶ。

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