「ネメシス」日本テレビ系 日曜後10時30
横浜の「探偵事務所ネメシス」にいる名探偵・風真(桜井翔)は、実はポンコツで、天才助手のアンナ(広瀬すず)が数々の事件を解決していた。2人は日々の依頼に対応しつつ、失踪したアンナの父を捜していた。
多くの映画に出演し、NHKの朝ドラでヒロインを務めるなど、22歳にして豊富な演技経験を誇るが、探偵助手を演じる本作は、挑戦の連続という。
「これまでのミステリー作品では、事件の手がかりを見て、涙する役が多かった。今回のように手がかりについて説明するセリフを言うのは難しいというか、私にとっては新鮮です」
演じる美神アンナは推理の天才で、事件もの特有の膨大な説明セリフがある役だ。役の感情とは無関係なセリフに苦労しながらも、「句読点を無視して、セリフを続けて言っています」と、頭の回転の速いアンナになるための工夫を欠かさない。
説明セリフのほか、「ずっとやりたかった」というアクションも新しい挑戦の一つ。ただ、アンナは動物の動きなどを取り入れたインドの古武術「カラリパヤット」の使い手という設定で、「独特の動きが混ざっていて、まねする手本がないんです。だから、正解もないので、自分の動きやすいようにやっています」と、アクションについても試行錯誤している。
また、「極上のミステリー」を見せる仕掛けとして、各話の脚本のうち謎解き部分は気鋭の推理作家5人が書き下ろしている。「この作品は各話で色みもテイストも全然違うので大変なんです」と漏らすが、様々な難しい挑戦に対し、「やっぱり、面白いですね」と笑顔を絶やさない。そんな前向きさがあるから、俳優として着実に成長し続けているのだろう。
髪を切ってからシャツが好き
Q 最近見た映画は。
A 以前は重たい内容の映画が好きでしたが、(コロナ禍で)家にいる時間が増えてから、ポップなラブストーリーばかり見ています。「そんなこと、あるかぁ」って言いながら。
Q お気に入りの洋服は。
A 髪を切ってからシャツが好きです。あとはジャケットやセットアップ。10代の頃は着せられているような感じに見えたのですが、20代になってTシャツにジャケットを着て、ラフにかわいく着こなせるようになったと思います。
(文・笹島拓哉 写真・田中秀敏)
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