「炊飯器の内釜で米を研ぐのはガサツな女」問題。正しい研ぎ方とは

読売新聞の運営する掲示板「発言小町」で、炊飯器の内釜で米を研ぐことについて議論が沸騰しています。この問題は3月下旬、ツイッターやテレビ番組でも取り上げられ、「え?内釜で研いではいけないの?」と思った人も多いのではないでしょうか。

話題のトピは、そもそもどのような内容だったのでしょう。

トピ主の「付き合いたて」さんが炊飯器の内釜を使ってお米を洗っていたら、彼氏に「釜にキズがつくだろ!」と怒られてしまいました。両親が内釜で洗っていたため、いけないことだとは思っていませんでしたが、ザルを使って研ぐものと考えている彼は、トピ主さんを「ガサツな女」扱いし、友達に「コイツ、炊飯器の内釜で米研ぐんだぜ? 信じられない!」と触れ回ったのだそうです。そこでトピ主さんは、発言小町に「そんなに変なことでしょうか?」と問いかけました。

発言小町では、多くの人が内釜で米を研ぎ、そのまま炊いているとコメントしています。一方で、「内釜で洗ったら水を流し切れず、洗った意味がないですよね。ボールやザルで洗う手間が面倒だからとしか思えないので、ガサツという印象を持ちます」(「チョコレート」さん)という手厳しいコメントもありました。内釜のコーティングにもよるという意見もありました。炊飯器の取扱説明書に「内釜でお米を研がないでください」と書いてあったという「匿名」さんは、面倒なので内釜で研いでいたところ、案の定、コーティングが剥がれてきているそうです。

シャープさんがつぶやき

この問題について、シャープがツイッターで「さしでがましいようですが、いまの炊飯器は取説でも内釜でお米を研いでいます。内釜で研いでも大丈夫」とツイートしました。1000件以上の引用リツイート、1万件以上のリツイートがありました。同社の商品はいずれも内釜での洗米がOKだそうです。

そこで大手小町編集部の記者が、都内の家電量販店に行って、各社の炊飯器について調べてきました。

店頭に並んでいた日立の炊飯器「圧力&スチーム ふっくら御膳」の蓋を開くと、内釜に「洗米もできる」とシールが貼ってありました。”売り”にしているか、よく聞かれる質問だから明示しているのでしょうか。取扱説明書には、「内釜で研ぐ場合は、金属製の泡立て器などを使わないでください。(フッ素被膜が傷つき、はがれることがあります)」などと書かれています。

 内釜が土鍋になっているタイプの炊飯器は、さすがに内釜で研いだらダメかと思いましたが、タイガー魔法瓶の「土鍋ご泡火炊き」シリーズは、洗米可でした。

炊飯器とはちょっと違うかもしれませんが、おしゃれな料理器具ブランドの炊飯鍋「バーミキュラライスポット」は、コーティングが取れてしまうため、鍋で米は洗えないと店頭で説明を受けました。取扱説明書の炊き方のページを見ると、ザルとボウルで洗うように書いてありました。

 炊飯器事情からすると、内釜で洗米することがガサツな行為とは言えそうもありません。また、彼女を「ガサツだ」と批判する彼氏が自分でご飯を炊けばよい、という指摘ももっともです。

研ぎ方のポイントは

ではそもそも、米はどのように研げばよいのでしょう。

小学校5、6年生向けの家庭科の教科書(東京書籍)には、炊飯器ではなく鍋でご飯を炊く方法が紹介されていました。炊飯器がないときでも、鍋で炊いた経験が役立つと書かれています。ちなみに、ボウルとザルを使って米を洗う方法が記されています。

炊飯器でおいしくご飯を炊くにはどうしたらいいでしょう。ベターホーム協会の講師、大須賀真由美さんに洗米のポイントを聞きました。

まず、炊飯器の内釜で研いでも問題ないかどうかを、取扱説明書で確認します。内釜で研いでも良いと書いてあったとしても、取り扱いには注意が必要です。「研ぐのは手のひらで。泡立て器や米を研ぐグッズなどを使用して内釜を傷つけないようにしましょう」

研ぎ方のポイントは、「最初に使った水を手早く捨てること」。米は乾物なので、最初に入れた水を最もよく吸収するそうです。せっかく米の表面についているぬかやゴミを取り除いても、研いだときの水に長く浸しておいては、米が汚れた水を吸ってしまい、ぬか臭さや黄ばみの原因になりやすいというのです。

そこで大須賀さんは、料理教室では次のような方法で研ぐことを教えています。

(1)ボウルに水をためて米を入れ、ざっとかき回してすぐにザルに取る。
(2)ザルの米をボウルに戻し、1カップなら10回程度、2カップなら20~30回程度研ぐ。「研ぐ」というのは、かき回すのとは異なり、軽く押すようにして米粒同士をこすりあわせる。最近は、精米技術が発達しているので、力を入れなくてもよい。
(3)ボウルに水を入れてすすぎ、白く濁った水を捨てる。3~4回を目安に、水をかえてすすぐ。とぎ汁は、タケノコをゆでてあく抜きしたり、ふろふき大根の大根を下ゆでしたりするのに活用できる。
(4)分量の水を入れて約30分つけておく。
(5)米を炊く。

内釜で研ぐかどうかではなく、洗米時の水の処理に、ご飯のおいしさの秘密があったのですね。

(読売新聞メディア局 大手小町編集部)

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