桜の季節に襲われる体の不調「春バテ」の原因と対策は?

なんとなく体がだるい、やる気が起きない、疲れやすい……。桜が開花し、ポカポカと過ごしやすい季節が訪れたのにもかかわらず、このような体の不調を感じたら、もしかして「春バテ」かもしれません。コロナ禍のストレスも加わり、「朝起きるのがつらい」「イライラする」と訴える人もいます。春バテの原因や対策について、専門家に聞きました。

「春バテ」の三つの原因

春バテとは、季節が冬から春に移り変わる3月から5月頃にかけて表れる倦怠けんたい感や疲労感などの体調不良をいいます。「気分が落ち込む」「集中できない」といったように、精神面の不調をきたすケースもあります。

女性の健康について情報発信を行っている「ウーマンウェルネス研究会」が、首都圏在住の20~50代の男女835人に行った調査によると、3~5月の体の不調について、「とても感じる」「やや感じる」と回答した人は64.1%でした。女性だけでみると、不調を感じる割合は68.8%に上り、男性(59.5%)より1割ほど高いという結果でした。

ウーマンウェルネス研究会の調査結果によると6割以上が春バテを経験。女性は7割近くの人が何らかの体調不良を感じています。
(ウーマンウェルネス研究会の調査より)

ウーマンウェルネス研究会は、春バテの原因について次の三つを挙げます。

〈1〉激しい寒暖差
一年の中でも寒暖差の大きい春先は、気温の変化に対応しようと体のエネルギーを消耗するため、疲れやだるさを感じやすくなります。

〈2〉めまぐるしく変化する気圧
3~5月は、次々にやってくる移動性高気圧の影響で、低気圧と高気圧が頻繁に入れ替わります。気圧の変化は、内臓などの働きを調整する自律神経に影響を与え、だるさ、眠気、気分の落ち込みを引き起こします。

〈3〉生活環境の変化
卒業、進学、転勤、異動、復職など、春は生活環境が大きく変化する季節です。コロナ禍で趣味やレジャーを思い切り楽しめない状況も続いています。気づかないうちに抱えたストレスで自律神経が乱れ、春バテしやすくなります。

研究会のメンバーで東京有明医療大学教授の川嶋朗さんは「1957年に行った調査では、日本人の体温の平熱は36度9分でした。今なら、ほとんどの人が高いと感じる体温でしょう。冷暖房の普及などで体温を調節する機能が衰えたのに加えて、きんきんに冷えた飲み物を摂取するといった体を冷やす食習慣などによって、季節の変わり目に体調を崩しやすくなったのです」と指摘します。

春バテが女性に多い傾向については、「女性は男性に比べて筋肉量が少なく、体脂肪が多いため、代謝機能が弱く、体が冷えてバテやすい体質なのです」と川嶋さん。手軽に体温を上げる二つの方法をアドバイスしてくれました。

〈1〉入浴
全身が温められるので冷えに効果的。シュワシュワと炭酸が出るタイプの入浴剤を入れれば、血管を広げ、血流を良くする効果があります。全身浴は水圧がかかり、疲れを感じることも。睡眠前の入浴がおすすめです。

〈2〉よくかんで食べる
最近のデータでは、1回の食事につき600回かんでいると言われています。かつては数千回かんでいたという記録もあり、食習慣の変化に伴って、かむ回数はどんどん減少しています。かむことは、消化を助けるだけでなく、体温を上昇させる効果があります。

春バテ予防の腸活レシピ

春バテの原因となる自律神経の乱れを整えるには、腸の働きを活発にするのが良いと言われています。管理栄養士で、HER-SELF女性の健康プロジェクト理事の三城円さんに、春バテ予防の腸活レシピを聞きました。

豆乳ヨーグルトとトマトのスープの写真。温かいスープで体を温め、冷え防止に。
豆乳ヨーグルトとトマトのスープ

【豆乳ヨーグルトとトマトのスープ】
材料 1人分
・豆乳ヨーグルト 大さじ6
・トマトジュース(無塩)200g
・レモン果汁 小さじ1
・塩、こしょう 少々
・オリーブオイル 小さじ1
・パセリ、バジル 適量
作り方
1 鍋に豆乳ヨーグルトとトマトジュースを入れ、中火で約3分温める。
2 レモンを加え、塩、こしょうで味を調整する。
3 器に盛りつけ、オリーブオイルをかける。
4 お好みで、パセリやバジルなどを振りかけるとおしゃれ。

「大豆に含まれるイソフラボンには、女性ホルモンを整える作用があります。また、普通のヨーグルトだと酸味が強すぎるため、豆乳ヨーグルトがおすすめです。まろやかでとてもおいしいですよ。注意点は、温めすぎると豆乳ヨーグルトがダマになってしまうこと。とろみがあるので、スープというよりポタージュのような感じで、食べ応えがあります」(三城さん)

 

食物繊維「イヌリン」入りのスフレケーキの写真
食物繊維「イヌリン」入りのスフレケーキ

【スフレパンケーキ】
材料 1人分
・(A)小麦粉 大さじ3、イヌリン(※1) 大さじ1
・(B)卵黄 1個、牛乳 大さじ2、サラダ油 大さじ2
・(C)卵白 1個分、砂糖 大さじ1
・サラダ油 大さじ0.5
・お好みのトッピング 適量
※イヌリンは、チコリやゴボウ、タマネギなどに多く含まれている水溶性食物繊維の一種。
作り方
1 生地を作る。ボウルに(B)の材料を入れて混ぜ、さらに(A)を加えて混ぜる。
2 (C)でメレンゲを作る。別のボウルに卵白を入れ、ミキサーでほぐす。砂糖を加え、つのが立つまで混ぜる。
3 生地にメレンゲを混ぜる。
4 フライパンに油を熱し、生地を流し、蓋をして10分ほど焼く。蓋を取り、裏返し火を通す。
5 器に盛り、お好みのトッピングをして完成。

「イヌリンを混ぜることで、食物繊維が取れます。女性の場合、1日18g以上の食物繊維を取りたいところですが、普段の食事では意外と取れていません。イヌリンを食品化した商品は、ほぼ無味無臭なので、他の食品と合わせることができます。効率良く食物繊維を取って、腸内環境を整えてください」(三城さん)

年度末や年度初めは何かと慌ただしいという人も多いでしょう。穏やかな春の気候とはうらはらに、体は疲労やストレスでダメージを受けている可能性があります。三城さんは「ストレスで血流が悪くなります。温かいスープで体温を上げ、甘いパンケーキで気分を和らげてください。しっかりとした食事を心がけて、春バテを予防しましょう」とアドバイスしています。

(読売新聞メディア局 渡辺友理)

【あわせて読みたい】

Keywords 関連キーワードから探す