佐藤可士和展…日本を代表するクリエイティブを味わう

内面も磨きたいあなたへ、読売新聞の運営する美術展情報サイト「美術展ナビ」から、働く女性の感性を刺激するアートの展示会やイベントを紹介します。

誰もがどこかで見たことがあるイメージがずらり。日本を代表するクリエイティブディレクター、佐藤可士和(さとう・かしわ)さんが、自らキュレーションする過去最大規模の個展が2月、東京・六本木の国立新美術館で始まりました。約30年にわたる活動の軌跡を多角的に紹介する内容です。

30年にわたる、50以上のプロジェクトを紹介

佐藤さんは、1965年、東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科を卒業し、博報堂を経て2000年に独立しました。同年、クリエイティブスタジオ「SAMURAI」を設立。ロゴマークを核とする企業や事業のブランディングを多数手がけています。

主な仕事にユニクロや楽天グループのグローバルブランド戦略、セブン‐イレブン・ジャパン、本田技研工業「N」シリーズのブランディングプロジェクト、国立新美術館のシンボルマークデザインとサイン計画などがあります。多目的スポーツ施設など大規模な建築プロジェクトにもたずさわり、今治タオルや歌舞伎公演など、日本の優れたコンテンツを海外に発信することにも力を注いでいます。

展覧会では幼少期まで遡り、30年にわたる仕事の中から50以上のプロジェクトを取り上げ、多彩な展示方法で紹介。

佐藤可士和さん

「『宇宙』1974年、色紙のコラージュ」は、小学生の時の作品。子供のころからマンガの表紙やロゴ、標識などのマークが好きだったそうです。

「宇宙」1975年 色紙のコラージュ

従来の広告展開がテレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4大メディアだったのに対し、佐藤さんはCDジャケットや飲料のパッケージ、ショッピングバッグ、駅の連貼りポスター、ビルボード、ラッピングバス、ポケットティッシュに至るまでメディアとしてとらえ、メディアの拡張を進めました。

「ホンダステップワゴン」ポスター 1998年

企業や団体の理念、商品やサービスの価値などを視覚化したロゴは、コミュニケーション設計の要だけに、明快なデザインが不可欠。企業、教育機関、文化施設、病院、地域産業、服飾デザインなど、佐藤さんが手掛けてきた多種多様なロゴを大規模なインスタレーションで紹介しています。

「国立新美術館」Ⅵ計画 2006年

2000年代の半ばから、企業や教育機関、文化施設など様々な領域で、クリエイティブディレクターとして、ブランディングのプロジェクトを数多く手掛けました。ロゴや商品、店舗やオフィスなどの空間、建築物、それらが存在する街の風景も、コンセプトを伝達するアイコンとなっています。

「八代目中村芝翫襲名披露公演 祝幕」 2016年10月 歌舞伎座
左・「ふじようちえん」リニューアルプロジェクト トータルプロデュース 2007年。右・「日清食品関西工場」トータルプロデュース 2019年

佐藤さんがプロデュースするプロジェクトのベースには、グラフィックデザインがあります。今展では、えりすぐりのポスターも紹介しています。

シャトー・ワイマラマ ワインエチケット 「MINAGIWA Kashiwa Sato Limited Edition」ポスター 2020年 シルクスクリーン

「LINES」と「FLOW」は、佐藤さんのアイコンともいうべきアートワークのシリーズ。

「LINES」2020年 吹付塗装/ステンレススチール/アルミ樹脂複合板
「FLOW」2020年 岩絵具/和紙

今展では、全体の空間構成から個々の展示物の見せ方、ショップに並ぶグッズに至るまで、すべてを佐藤さんがディレクションしています。

大規模なインスタレーションやデジタルコンテンツも展開し、見慣れたデザインが思わぬ形で出現することといい、とても刺激的な展示になっています。

(読売新聞東京本社事業局美術展ナビ編集班 岡部匡志)

佐藤可士和展

会場 国立新美術館 企画展示室1E(東京都港区六本木7-22-2)
会期 ~5月10日(月)
開館時間 10:00~18:00 ※入場は閉館の30分前まで。※開館時間は変更になる場合があります。
休館日 毎週火曜日 ※5月4日(火・祝)は開館
観覧料 一般・1700円、大学生・1200円、高校生・800円、中学生以下、または障害者手帳をご持参の方(付き添いの方1名含む)は入場無料。※すべて税込み
※混雑緩和のため、事前予約制(日時指定券)を導入します。電話等ではご予約をお受けできません。※会場の混雑状況によっては、入場までお待ちいただく場合がございます。
詳しくは公式ホームページへ。
公式サイト

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