役立ち情報満載、警視庁の防災情報ツイッターの「中の人」とは?

警視庁の防災情報を発信するツイッターが人気を集めています。東日本大震災をきっかけに開始したアカウントのフォロワーは現在約86万人。「水でカップ焼きそばを作ってみた」「災害時には赤ちゃん用おしりふきが便利」など、思わず「いいね」をしてしまう、役立つ情報満載のつぶやきは、誰によって生まれているのでしょう。担当する警備部災害対策課に取材しました。

アカウント名は、「警視庁警備部災害対策課(@MPD_bousai)」。東日本大震災では、デマが飛び交うなど情報が入り乱れ、被災者が不安を抱くケースがありました。担当の村田尚徳たかのり警部(46)によると、「大規模な災害発生時に、正しい情報をタイムリーに届ける必要がある。不安をあおるような情報は打ち消したい」と2013年1月にツイッターでの発信を始めました。

平常時も災害への備えをしてほしいと、休日を除いて1日1回、発信しています。これまでの投稿数は2500を超えます。同課に所属する約30人が持ち回りで投稿しているそうです。彼らは、大規模災害の際に救出・捜索活動を担当してきた専門家たちです。

「多くの人に関心を持ってもらえるよう、身近で親しみを感じられる内容を心がけています」と、村田警部は話します。課員らはそれぞれ、災害に関する本やインターネットの情報などからヒントを得てツイートする内容を考え、家族とともに繰り返し試してみるそうです。「なるほど!」と思う情報や、試してみたパートナーや子供の感想などが盛り込まれ、ときにペットも登場する親しみやすいツイートは、課員らの試行錯誤から生まれているのです。

アカウントでは、自宅でできる防災対策などを幅広く発信していますが、消費期限が迫った非常食の活用法など、料理に関するツイートも多く発信されています。多くの「いいね」や「リツイート」のあった「料理・グルメ」に関する投稿を、村田警部に教えてもらいました。

料理・グルメ編

おすすめ1 「水でカップ焼きそばを作ってみた」

昨年、水で作るカップ麺をご紹介しましたが、今回は水で作る「カップ焼きそば」に挑戦です!災害時を想定し、カップに注ぐ水の量は少なめ。麺が隠れる程度です。20分待ち、液体ソースをからめて完成!注いだ水が少ない分、いわゆる湯きりで流す水の量は少なくてすみました。麺の固さと味はバッチリ!

水で作る焼きそばを紹介。警視庁警備部災害対策課のツイッターより 読売新聞 大手小町
水で作る焼きそばを紹介。(警視庁警備部災害対策課のツイッターより)

おすすめ2 「缶入り乾パンを牛乳で浸してみた」

非常用備蓄食と言えば缶入り乾パンを思い浮かべる方も多いと思います。非常時には缶を器代わりにして牛乳や水を入れ乾パンを浸せば10分位で即席離乳食ができます。柔らかくなるので高齢者の方にもお勧めです。缶の切り口で怪我をなさらないように気をつけてお召し上がり下さい

おすすめ3 「パスタを水で浸してみた」

「水漬けパスタ」に挑戦です! 市販のパスタを水に漬け、クタッとさせて調理する技。災害時など、ガス・電気・水の節約につながるイイ技です! 今回はパスタを4時間水に漬けた後、茹でずに、薄切りしたハムとタマネギ、ケチャップで1分炒めてナポリタンに。歯応えよく、想像以上の美味しさでした(喜)

パスタを水に漬けて(左)作った、ナポリタン。警視庁警備部災害対策課のツイッターより 読売新聞 大手小町
水に漬けたパスタ(左)と完成したナポリタン(警視庁警備部災害対策課のツイッターより)

次に、女性向けの投稿を、横井千恵子警部補に教えてもらいました。災害現場での活動経験のある横井警部補は「避難所では多くの人が生活空間を共有するため、着替えやトイレなどで不便なことが多くあります」と指摘します。

女性にお役立ち編

おすすめ1 「災害時には赤ちゃん用おしりふきが便利です」

救助隊が災害現場に持参する物の一つ「おしりふき」についてご紹介します。災害時は環境や習慣の変化からトイレも不規則になりがちです。水が止まった時など、おしりのかぶれや痛みの防止として重宝します。皆さんも防災グッズの一つにいかがですか?

おすすめ2 「災害時はスカート>ズボン」

母親が「非常持出袋の中に長めのスカートを入れているの」と妻に話していたので、私が「ズボンの方が動き易くない?」と言うと、母親が「スカートは履くだけではなく、避難所で頭から被って使うと衣服を着替えることもできるの」と答えたので、私は女性ならではの視点に「なるほどな」と感心しました。

おすすめ3 「スキンケアシートもお忘れなく!」

プライベート空間が少ない避難所生活で、女性にとって化粧ができることは大切なことだと思います。水が使えないときでも化粧落とし・洗顔・保湿ができるスキンケアシートは災害時にも役立ちます。非常用持ち出し袋の中にスキンケアシートを追加してみてはいかがでしょうか。定期的な交換も忘れずに!

ペットボトルで簡単ランタン。警視庁警備部災害対策課のツイッターより 読売新聞 大手小町
ペットボトルを使った簡単ランタン(警視庁警備部災害対策課のツイッターより)

東日本では2月13日にも大きな地震があったばかり。この地震では、停電の復旧に時間がかかった地域が多かったせいか、「ペットボトルで簡単ランタン」という過去の投稿が盛んにリツイートされたそうです。懐中電灯の上に水を入れたペットボトルを載せるだけで、光が乱反射して周りを照らせるというものです。

コロナ禍では、外出を控えて自宅にいる時に被災する可能性が高まり、被災した際にも、感染防止のために自宅で過ごすケースが予想されます。「在宅時間が長いこの機会を活用して、家具の転倒防止、停電時への備え、備蓄食料の確認などをしてください」と村田警部は呼びかけ、さらに「これからも私たちの情報発信を待っている方がいることを考え、期待に応えられるようなツイートをしていきたい」と力強く語ってくれました。

警察官のお堅いイメージを覆すような、人間味を感じさせる情報を発信し続ける「中の人」たち。ツイートをヒントに、災害への備えを万全にしていきたいものです。

(読売新聞メディア局 谷本陽子)

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