わざわざ備えない、フェーズフリーな防災グッズ7選

甚大な被害をもたらした東日本大震災から10年。改めて災害への備えを意識する人も多いのではないでしょうか。最近は、災害時だけでなく、日常的に使える「フェーズフリー」な防災グッズが人気を集めています。

「フェーズフリー」とは、日常時の「いつも」と非常時の「もしも」という二つのフェーズ(段階)の垣根を取り払うという意味。日常使いができる、おしゃれなグッズを選べば、置き場所がないからと準備を後回しにしたり、すぐに取り出せない場所にしまい込んで、いざというときに電池が切れていたりといったこともなさそうです。

災害用トイレが壁を飾る

2月に発売された災害用トイレ「アートトワレ」も、フェーズフリー商品のひとつ。おしゃれなアートパネルの顔をしたトイレで、災害用トイレメーカー「まいにち」(本社・大阪)が「暮らしに寄り添うアートで、防災を」と企画しました。17センチ四方のインテリア用アートパネルの裏側に、災害用トイレ5回分が収納されています。花やペットの写真、イラスト、パターン(柄)などがあり、好みに合わせて壁に飾って楽しめます。自社サイトで販売し、価格は1600円(税別)。

ネコの写真がかわいらしい災害用トイレ「アートトワレ」(左)とお守りホイッスル「エッフェ」読売新聞 大手小町
ネコの写真がかわいらしい災害用トイレ「アートトワレ」(左)とお守りホイッスル「エッフェ」

キャンディーのように色とりどりのお守りホイッスル「エッフェ」は、メガネのフレームに使われるセルロースアセテートという素材で作られたアクセサリーで、ネックレスなどがあります。作っているのは、福井県鯖江市のめがね工房「プラスジャック」。同市の防災担当者から「万一に備えて市民に防災用の笛を配ったが、しまい込んでなかなか持ち歩いてくれない」という相談を受けたのがきっかけで、あめ細工のようなかわいらしい見た目の笛が生まれたといいます。「電池切れがなく、いざというとき、子供から年配の方まで誰でもすぐに居場所を伝えられる。持ち主を守ってくれます」と説明するのは、同社社長の津田功順さん。セレクトショップや自社のサイトで販売しています。価格は3800円(同)など。

電池、電源要らずのランタン

200種類以上の防災グッズを扱う「銀座ロフト」(東京)でも、普段使いのできる商品が増えています。「昨今、地震や水害など災害が立て続けに起きたことから、防災意識が高まっています。本当に必要なものを見極めて、持ち歩きができ、部屋に置いても違和感がないものを準備したいという人が目立ちます」と話すのは、ロフト広報の田中寛子さん。

銀座ロフトで扱うフェーズフリーな商品。上から時計回りにソーラー充電式ライト「キャリー・ザ・サン」、エレコムの懐中電灯型モバイルバッテリー、タグライト、Bush Craftのドライバッグ、ストージョ ポケットカップ 読売新聞 大手小町
銀座ロフトで扱うフェーズフリーな商品。(上から時計回りに)ソーラー充電式ランタン「キャリー・ザ・サン」、エレコムの懐中電灯型モバイルバッテリー、超小型軽量ライト「タグライト」、Bush Craftのドライバッグ、ストージョ ポケットカップ

例えば、ソーラー充電式LEDランタン「CARRY THE SUN」(キャリー・ザ・サン)は、紙風船のようにたたんでコンパクトに持ち運べます。停電時に使うだけでなく、キャンプ用品としても人気。太陽光で繰り返し充電できるため、電池も電源も要りません。明かりは暖色系と白色系があり、大が3800円(税別)、小が2600円(同)。

折りたためるマグカップ「ストージョ ポケットカップ」(355ミリ・リットルサイズ、価格:1500円=税別)は、気軽に持ち運べます。使い捨てのカップを節約できるのでエコにもつながります。超小型軽量ライト「タグライト」(価格:1400円=同)は、キーホルダーやバッグ類のファスナーなどに簡単に取り付けられます。

バッグやリュックサックの中のものを小分けでき、ポーチとして使えるドライバッグ(価格:680円=同)は、内側がシーリング加工されているため、ぬれると困るものを収納するのにおすすめ。小型の簡易バケツとしても使えます。

スマートフォンは、災害発生時の情報収集や安否確認などに役立ちますが、バッテリーがなくなると使えないという弱点があります。しかし、懐中電灯にもなるモバイルバッテリー(価格:3980円=同)を持ち歩けば安心です。

しまい込まず、持ち歩きたくなる、部屋に飾っておきたくなる――。「そういえば、災害時にも役立つんだった」と気づくような、“わざわざ備えない”防災グッズは今後も広がっていきそうです。

(読売新聞メディア局 谷本陽子)

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