言動のユニークな天然キャラクターとして最近、バラエティー番組にひっぱりだこの島太星さん(23)。実は、北海道を拠点に活動するボーイズユニット「NORD(ノール)」でリードボーカルを担当し、歌唱力に定評があります。ゲスト出演した「ダウンタウンDX」(日本テレビ系、3月4日午後10時から放送予定)の収録後、「バラエティータレント」と「アーティスト」としての横顔に迫りました。
――ダウンタウンDXへの初出演はいかがでしたか?
夢のような体験でした。すごく緊張しましたが、MCの浜田(雅功)さんをはじめ、(ゲスト出演の)千原ジュニアさん、渋谷凪咲さんとは、他局のクイズバラエティー番組でも共演させていただいています。ロイ君とも何回か共演したことがあって、LINEを交換して仲良くさせてもらっています。知っている人が多くて安心でした。

――今回は「私だけ!? 芸能人の生態 定点観測!」というテーマで、島さんのユニークなプライベートがたくさん明かされました。すごくお母さん思いの一面があることもわかりました。
今も北海道の実家暮らしなんですが、母が大好きなんです。いろいろ言い合いになって、ケンカすることもあるけれど、仲はいいです。いつも母のことを心配しているし、ずっと健康でいてほしいと思っています。
「歌唱王」出演で、南原さんの目にとまる

――地元の北海道では、すでに自身の冠番組を持つほど活躍しています。全国放送のバラエティー番組に出るようになったきっかけは?
2019年に「全日本歌唱力選手権 歌唱王」(日本テレビ系)に出演して、尾崎豊さんの「I LOVE YOU」を歌いました。その時、歌よりトークが面白いということで、MCの南原清隆さんに「バラエティー界に新しいスターが誕生した」と言ってもらえたんです。それから、南原さんがMCを務める「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)に出させてもらったり、全国放送のバラエティー番組に呼ばれたりするようになりました。
大泉洋さんも絶賛
――20年に出演した「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)では、事務所の先輩・大泉洋さんと共演し、大泉さんが島さんを「うちの事務所のリーサルウェポン(最終兵器)」と紹介して話題になりました。
びっくりしました。全国の視聴者のみなさんは僕のことをほとんど知らないのに、大泉さんが僕を番組で紹介したいからと、事務所を通して「一緒に出よう」と誘ってくれ、「スペシャルゲスト」として共演することになったんです。頭がパニックになりました(笑)。
――「チームナックス(大泉さん、森崎博之さん、安田顕さん、戸次重幸さん、音尾琢真さん)」のみなさんは、どんな存在ですか?
すごくかわいがってもらっています。大泉さんもそうですが、みなさん、いつも僕たちNORDを心配して、応援してくれます。イベントでお会いすると、大先輩なのに「がんばってるね!」とフレンドリーに声をかけてくれます。音尾さんも、別の現場なのにわざわざ楽屋を訪ねてきてくれて、「あ、パパが来た!」みたいな安心感がありました(笑)。
――何かアドバイスをもらったことはありますか?

「何も考えないでリラックスしていればいいんだよ」と言われます。でも、緊張しすぎると、共演者の方たちに「大丈夫?」と心配されてしまいます。緊張しすぎて、周りが見えなくなってパニックになっちゃうんです。マネジャーさんにも「もう少しリラックスすれば、ちゃんとトークできるようになるよ」と言われたのですが、やっぱり緊張しちゃいます。
――歌っている時と、バラエティー番組に出演している時のギャップも魅力だと思います。
よく言われます(笑)。ギャップと言っていいのかわからないけれど、どっちの僕も自分なので、両方の僕をちゃんと見て理解してもらえればいいなと思っています。
――島さんは歌唱力にも定評がありますが、アーティストになろうと思ったきっかけは?
中学1年生の時、「学校祭」があって、全校生の前で歌う機会があったんです。同級生から「歌、うまいね」とほめられて驚きました。高校3年生だった15年に、地元のテレビでオーディション番組があり、応募しました。そこで優秀賞に選ばれ、16年、ボーイズユニット「NORD」のメンバーになりました。
――子供の頃は、どんなお子さんでしたか? 歌もうまいし、かっこいいし、学生時代はもてたでしょうね。
髪の毛が生えるのが遅くて、4歳ぐらいから生えてきました。小学生の頃は、お相撲さんみたいにぽっちゃりしていたんです。だから、全然もてませんでした。部活でサッカーをやるようになって、やせてきました。
音楽の殿堂「アポロシアター」で熱唱
――18年に、ニューヨークの音楽の殿堂「アポロシアター」で、スターへの登竜門と言われる人気イベント「アマチュアナイト」に出演し、歌を披露しました。貴重な体験だったと思いますが、アウェーな状況で緊張しませんでしたか?
事務所の方に「挑戦してみないか?」と言われたのですが、まさか自分が、数々のあこがれのアーティストが出演した「アポロシアター」で歌うことになって、恐れ多いというか。何回かデモ音源を送っては落ちた末に、やっと合格し、出演することができたんです。僕、歌では緊張しないんですよ。ステージに上がってマイクを持てば緊張はしません。
――海外の観客はシビアですね。映像を見ましたが、とても素晴らしいパフォーマンスで観客の心をつかんでいました。
イベントの盛り上げ役と言われるトップバッターを任され、サム・スミスさんの「Stay With Me」を歌いました。観客は「なんだ、こいつ?」みたいな感じで、怖い顔で僕を見ていて、最初はブーイングも起きました。でも、気にせず一生懸命歌いました。終わってからマネジャーさんが「最後はみんな笑顔で拍手してくれたよ」って教えてくれました。
――なぜこの曲を選んだのですか?
僕は、苦手なこともあって英語を避けて通ってきて、洋楽をほとんど聴いたことがなかったんです。だから、ぜひチャレンジしてみたいと思って、僕の声に合うバラードということで選んでもらいました。英語も全然しゃべれないし、発音も難しいので、アメリカに行く前の半年間、英会話の勉強をしました。
――島さんの公式YouTubeチャンネル「たいせいはボク」で、毎週金曜日にカバー曲を公開しています。一番手応えがあった曲は?
YOASOBIさんの「夜に駆ける」のピアノバージョンですかね。テンポがとても速い曲なので、詞に感情をのせるというよりも、ピアノに合わせることを大事にしました。とてもいい曲だし、楽しく歌うことができました。YouTubeでは、流行のJ–POPを歌うことが多いのですが、今後できるだけ幅広いジャンルに挑戦していきたいです。
――好きなアーティストは?
地元の北海道出身の玉置浩二さんの歌をよく聴いていました。それから、タイプは全然違いますが、EXILE のATSUSHIさんです。人生で初めて見たライブが、EXILEの北海道公演だったんです。中学生の時で、ものすごくかっこよく見えました。カラオケに行くと、玉置さんとEXILEさんのオンパレードです。
――島さんのバラエティー番組出演で、「NORD」の認知度も上がったと思います。今後はどんな活動をしたいですか?
「NORD」が全国のみなさんに名前が知られるようになって、いつか「NORD」のメンバーと一緒に全国ツアーをしたいです。グループが大きくなればいいなと思います。
(取材/撮影、読売新聞メディア局・遠山留美)