婚約指輪にお返しは必要か、「ないの?」と不機嫌な彼にモヤモヤ

カップルが結婚に向かって進むとき、“世間の常識”を巡って、迷うことも少なくありません。婚約指輪をもらった相手から「お返しはないの?」と聞かれたという女性の投稿が読売新聞の掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。婚約指輪のお返しにスーツや腕時計を贈る人もいるようですが、価値観も多様化する中、どこまでが常識となっているのか。調べてみました。

プロポーズでフワフワ気分だったのに…

5年間付き合った彼から、プロポーズを受けて、婚約指輪をもらったトピ主「おさゆ」さん。うれしくてフワフワした気分でいたところ、ある日、彼から「お返しはないの?」と言われたそうです。「女性からも男性へプレゼントを贈ることを知りませんでした」というトピ主さん。謝ったものの彼は機嫌を損ねてしまい、2人の間には微妙な雰囲気が漂っているといいます。

トピ主さんは、「ギクシャクした感じを打破したいのですが、いまさら何か贈っても遅いのでしょうか?」と、発言小町に助けを求めています。

この投稿には、120件ほどの返事(レス)が寄せられ、実際にお返しを贈ったという女性からはトピ主さんへの苦言もありました。

「私は、お返しは何が良いか聞き、腕時計をリクエストされ、一緒に買いに行きました。婚約指輪は、80万円ほどだったので、(腕時計は)40万円から50万円だった気がします。お相手には自分の常識のなさを反省したこと、マナーを確認したことを伝えてください」(「コナ」さん)

「70歳になるものです。婚約指輪のお返しはするものだと思っていました。私も、妹も、友人も知りうる限りの人はしていました。『(お返し)しない』というのは最近のことでしょう。指輪の半額程度のお返しをなさいませ」(「くにこ」さん)

「3年前結婚しました。私は時計をお返しとして贈りました。でもそれは常識というより、婚約指輪ほどの高価なものをいただいて彼に対して何もなしというのが自分の中で良くないかなと思ったからです。彼が婚約指輪として誠意を見せてくれたのだから、私も結婚のけじめというか、彼に対しての誠意を表したものがお返しという形になっただけです。……催促には少し驚きです」(「あこ」さん)

「結納返し」は聞いたことあるけれど…

一方で、お返しはいらないと考える人たちからは、驚きの声が集まりました。

「ヨーロッパの人と結婚しましたが、お返しなんて要求されませんでしたし、周りを見渡しても、そんな風習はないのでは、と思います」(「シャルロット」さん)

「婚約指輪にお返しが必要なんて知りませんでした!!! でも、トピ主さんは、反省して事態をどうにか好転させようとしていて偉いです」(「はむすた。」さん)

「結納金を頂いたら結納返しをするという儀礼がありますが、婚約指輪のお返しは絶対にしなければいけないというものではないですよ。ただ、最近は結納を行わない人が多くなったため、結納返しで男性側に贈られることの多い腕時計やオーダースーツなどを指輪のお返しとして贈る人が増えてきたのだと思います」(「なな」さん)

「私の周囲は、婚約指輪を頂いた場合、新居の家具家電を女性側が負担するケースが増えています。『女性なんだから指輪はもらって当たり前。結納してないからお返しはしないわよ。でも、家具家電は折半で』と言われたら、彼のように腹立つかもしれないけど……」(「さくら」さん)

結納をどうするか、新居にかかる費用をどうしていくかなど、別の要素も絡むようです。

6割以上の女性は「していない」

結婚式についてチャットで相談できる「PLACOLE WEDDING(プラコレウェディング)」を運営する「冒険社プラコレ」(本社・神奈川)は2月、「婚約指輪」にまつわるアンケート調査を実施したところ、6割の女性がお返しをしていないことが分かりました。

対象は、20~30歳代の女性800人ほど。「婚約指輪お返しした?」と尋ねたところ、62%が「していない」と答えました。理由として「金銭的に余裕がなかった」「お返しはいらないから、新婚旅行にお金をかけようと言われました」「新居のために何か買おうと思っています」など、お返しを他の諸費用にあてるという声が目立ちました。

一方、38%の女性は、「した」と回答。プレゼントの中身は、「オーダースーツ」が最も多く、「時計」、「結婚指輪」と続きました。

婚約指輪にお返しするのは日本だけ?

このアンケート結果について、同社広報の武藤みなみさんは「婚約指輪のお返しについては、必ずしも贈らなくてはならないと、皆さんが考えているわけではありません。ただ、地域によって結納の習慣が消えつつあり、結納を省く場合は、結納返しではなく、“婚約指輪へのお返し”が定着してきたのかもしれません」と話します。

背景には、価値観の多様化で、結婚式よりも、新生活にお金をかけたほうがいいと考えるカップルの増加もあると、武藤さんは分析します。以前は結婚と同時期に、多額の費用のかかる結婚式を挙げるカップルが少なくありませんでしたが、今は、比較的安価に行える「家族婚」「フォトウェディング」などが流行中。貯金がないまま結婚するカップルも増えているといいます。

画像はイメージです

実際に、同社が行った別のアンケートでは、20~30歳代の女性約1250人のうち、およそ半数が「結婚を意識しても貯金をしていない」と回答しています。「婚約指輪にお返しをする習慣があるのは、日本だけといわれています。とはいえ、地域によっても習慣が違うので、2人で事前にすり合わせておくといいですね」と、武藤さんはアドバイスしています。

婚約期間は、結婚の意志を確かめ合う幸せな時であってほしいですね。それぞれにお財布事情はあると思いますが、「お返しは何がいいかな?」などとやんわり聞いてみてもいいのかもしれません。

(読売新聞メディア局 森野光里)

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婚約指輪のお返し

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