「家事なんて秒で終わる」と言う夫…その隔たり、どう埋める?

共働きでも、家事は妻主導という家庭は少なくありません。夫が家事の大変さを理解してくれていればいいのですが、必ずしもそうとは限らないようです。読売新聞の掲示板サイト「発言小町」には、夫の「家事なんて秒で終わる」の心ない一言にショックを受けたという女性からの投稿が寄せられました。妻が家事を担うことへの評価の低さに対して、女性たちから怒りの声も上がっています。家事を巡る夫婦間の認識の隔たりを埋めるには、何をすべきなのでしょうか。夫婦問題で悩む人の指南をしている人気ブロガー「ザビエル」さんに話を聞きました。

料理や皿洗いはするが、トイレ掃除は1度もない

トピ主「mono」さんは、正社員として働く20代の女性。結婚して1年の夫は、在宅勤務のときなどに料理や皿洗いはしてくれますが、モノの扱いが雑で、よく皿を落として割ったり、包丁で手を切ったりします。結婚以来、浴室やトイレの掃除は一度もしたことがなく、家事の負担はトピ主さんの方が大きいといいます。

ある日、トピ主さんの友人の女性について、夫に「今、何しているん?」と聞かれたので、「彼氏と同棲を始めたんだけど、本人はまだ転職先が決まっていないんだって。家事とかしているんじゃない?」と答えました。すると夫は、「2人やろ? 家事なんて秒で終わるやん」と言い放ちました。「私は秒で終わらないから。それなら夫くんが家事をして」とトピ主さんが返すと、夫は「やだ」と拒否したうえに、「でも、家事なんて1日あれば終わるやん」と言ってのけたそうです。

家事への評価が低いことがショック

トピ主さんは「私の方が収入は低いので、家事の負担が大きいのは仕方ないですが、家事をすることへの評価が低いんだな……と感じ、ショックでした」と発言小町に書き込みました。ちょっとした夫婦げんかにも見えるこの投稿に対し、100通を超す反響が寄せられています。

◇日頃の感謝がないから、そういうことを平気で言えるんでしょう。子供が出来たら手伝わないダメ夫化が進みますよ! 今のうちから教育しましょう!(「エル」さん)
◇ご主人、言い過ぎ。もうちょっと、自分で家事をしてほしいですね(「さくら」さん)
◇正しい返しは、「秒で終わるかーい!!」です。そりゃあね、乾燥までしてくれる洗濯機から、洗濯物を取り出さず、そのままでいいなら秒。食洗機をそのまま食器棚として利用するなら秒。自走する掃除機も、ゴミは自分じゃ捨ててくれないのよ。捨てているの、誰かが……。それを知らない人には秒。見えない家事って言葉があるけれど、まさにそれ。お互いに、家事も仕事もなかなか大変と思えたらいいのにね(「尼のおんな」さん)

このように、不用意な発言をしたトピ主さんの夫を批判する声が集まりました。

驚きと反発の声も 「化粧水を塗ったり鼻毛を切ったり」

また、トピ主さんが「夫に化粧水や薬を塗ったり、鼻毛を切ったり、出かける時の服の準備も、私がしています」と書き込んだことにも、驚きと反発の声が寄せられています。

◇時代錯誤すぎる。こんな妻は、戦国時代を最後に完全に絶滅したと思っていました。令和の今でも、20代で生き残ってますか! おお~(「コーヒー」さん)
◇トピ主さんって、ご主人の母親なの? 想像してゾッとしました。いい年をした大の男を、まるで幼児のように扱うトピ主さんと、当たり前のようにそれをさせる夫。怖い…(「vivi」さん)
◇なぜヒゲは自分でそるのに鼻毛のお手入れはしないのかが疑問ですが、おそらくトピ主さんは、そんな疑問を夫さんに投げかけることも遠慮しているのでしょう。世の中には鼻毛カッターというものがあります。とても簡単に鼻毛が切れます(「マグネシウム」さん)

こうした指摘には、さすがにトピ主さんも「反省しました。鼻毛カッターを早速購入しましたので、これで本人にやってもらうようにします」と報告しています。

不毛な夫婦げんか、どうすれば前進できる?

2013年から「夫婦道」というメールマガジンを配信し、約5万人の読者を抱える「ザビエル」さんに、この投稿を読んでもらいました。ザビエルさんは昨年、人間関係の問題や悩みを研究する特定非営利活動法人「Funスタ協会」を設立し、オンラインで夫婦関係の修復に悩む人たちの相談に乗っています。

掃除機をかける女性
写真はイメージです

「投稿の中で『(夫は)掃除や洗濯はしないけれど、在宅勤務のときなどに料理や皿洗いはしてくれる』という表現があります。これって、家事をやってないわけではないですよね。でも、奥さんは、『皿を割ったり包丁で手を切ったり』というように、相手が出来ていないところに意識が向いていますね。こうしたことは、おのずと言葉や態度に表れるもの。旦那さんの方も認められていないと感じるので、『家事なんて秒で終わる』と発言してしまったのではないでしょうか。一緒に暮らし始めてからの1年間で積み重なったものだと思います。根は意外に深いと思いますよ」とザビエルさんは分析します。

ギスギスした雰囲気のまま、妻が「あなたは家事を知らなすぎる」「低く見ている」と言っても、夫を責めたててしまうことになり、さらに不機嫌になる可能性もあるといいます。

「まずは、夫がしている家事について、『少しでも私を助けようと思っているのだろうなあ』などと、行動の基にある相手の思いに意識を向けてみるといいです。夫だって、意図的に相手を苦しめようとしたり、傷つけようとしたりはしていないはず。相手の思いに意識を向けると、自然に『ありがとう』という言葉が最初に出てきます。さらに、夫の不満なところも『こういうふうにしてくれると、もっとうれしいなあ』などと、ポジティブな言い方ができるようになります。その練習をすることが大切なんです」とザビエルさんは強調します。

1年目の新婚生活。「秒で終わる」といった軽口に怒る前に、家事に関するお互いの不満をどう解消していくか、夫婦で話し合ってみたいものですね。

(読売新聞メディア局 永原香代子)

【紹介したトピ】
家事なんて秒で終わる

ザビエル(ざびえる)
特定非営利活動法人「Funスタ協会」理事

1978年生まれ。3人の子どもがいる。自身の体験をもとに無料メルマガ「夫婦道」を開始。著書に「夫婦道 がんばらない幸せ~夫婦関係改善マニュアル 夫編&妻編~」(青山ライフ出版)、「なぜか、いつも夫は他人ゴト。」(サンクチュアリ出版)がある。がある。最近は、エルのニックネームで<幸せな夫婦の作り方(夫編)><幸せな夫婦の作り方(妻編)>なども執筆。 Funスタ協会はこちら 

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