おうち時間にひたすらニードルを刺す…人気の羊毛フェルトに挑戦

新型コロナウイルスの影響で広がりを見せている巣ごもり消費で、手芸が注目を集めています。自宅で手軽にできる趣味として始めてみたいという人も多いのではないでしょうか。とりわけ、100円ショップなどでも材料がそろえられる「羊毛フェルト」は、ニードル1本でサクサクと刺すだけなので、腕に自信のない人でも挑戦しやすいと人気です。東京・目黒区の羊毛フェルト教室「TeyneyFelt(テイネイ フェルト)」で、実際に作りながら、その魅力を探りました。

人と羊は昔から仲良し

「羊と人間との関わりには長い歴史があります。羊は人を守るもの。眠れないときに人は羊を数えるし、おなかの中で赤ちゃんは、『羊水』に守られています」。教室代表の横井佐恵子さんはそう話します。保温性に優れ、柔らかな肌触りの羊毛(ウール)は、冬の防寒衣料に使われるほか、汗の水分を素早く放出する性質もあり、ルームシューズや座布団に使用されるなど、日常生活に幅広く取り入れられている素材。欧米では古くから、手芸などのものづくりで羊毛が親しまれています。

たった三つの道具で始められるマスコットづくり 

今回は横井さんの教室で、読売新聞の掲示板サイト「発言小町」のマスコット「くらげっと」を作らせてもらいました。準備したのは、セーターなどにも使われる上質な「メリノウール」と、スポンジのマット、ニードルの三つだけ。くらげっとの体は薄い水色ですが、気持ちが明るくなるように、明るい空色のウールを選びました。

左上の、横幅が約4センチのくらげっとを手本に作っていきます

ウールの繊維の塊から、わずか2・5グラムほどをつまみ出します。ふわふわの繊維をスポンジの台の上に広げ、先端にギザギザの入ったニードルで表、裏、表とザクザクと刺していきます。すると、羊毛が絡まり合い、少しずつ布状のフェルトになっていきます。くらげっとの体はボール状なので、毛の向きを考えながら、折りたたむようにして形を整えていきます。

折りたたみました

形に大きな変化を加える場合は、ニードルを深く刺します。表面を整えたいときは、ニードルの先端を使って浅く刺し、出し入れするのがコツだそうです。横井さんは「安価なキットなどでうまく作れなかった経験がある人は、ニードルをちょっと良いものに変えてみてください。仕上げたい形にまとまりやすく、短時間で作れるようになります。ニードルは、とても折れやすいので気をつけて」とアドバイスします。刺し方のポイントは、刺すときと引き抜くときの角度を変えないこと。無言でニードルを刺し続けていると、ツンツンと刺す感触が指先に伝わって気持ち良く、時間が過ぎるのを忘れていました。

横井さんに手直しをしてもらいました

刺せば刺すほどウールは堅く小さくなっていきます。くらげっとの体が出来上がったら、目と口を黒いウールで作ります。黒いウールをほんのわずかつまんで、目を付けたいところに置いてみます。目や口を付けるときも、使うのはニードルのみ。黒いウールを埋め込むようにしてくっつけていきます。失敗したと思ったら、指でつまんで簡単に抜くこともできます。「羊毛フェルトは、簡単に何度でもやり直しがきくところも魅力のひとつ」と横井さん。口は「こより」を作り、同様に刺していきます。

目と口も黒いウールを刺して作っていきます

仕上げは、クラゲの触手に当たる、くらげっとの足です。糸通しに毛糸を通し、足を5本付けました。足の長さをそろえて完成です。所要時間はたったの30分ほどで、何ともかわいらしいくらげっとが出来上がりました。

縫わない、編まない、世代を問わない羊毛フェルト

横井さんは「羊毛フェルトは、縫ったり編んだりという複雑な作業が一切ないので、幼い子供でもニードルの扱いに気を付ければ簡単に作れます。おばあちゃん、お母さん、娘さんの3世代で作りに来る人もいます。作品は、子供も大人も遜色のない出来栄えになります」と話します。

羊とクラゲも仲良し

世代を超えて楽しめ、一心不乱に刺すだけで夢中になれる羊毛フェルト。おうち時間に一度、挑戦してみてはいかがでしょうか。

(読売新聞メディア局 渡辺友理)

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