心優しきラッパー、SWAYがラップに込めた思い

ヒップホップグループ・DOBERMAN INFINITY(ドーベルマン・インフィニティ)のメンバーとして活動するSWAYさん。ラッパーにとどまらず、俳優やデザイナーとしてもマルチな才能を発揮しています。ゲスト出演した「ダウンタウンDX」(日本テレビ系、12月17日午後10時から放送予定)の収録後、表現者としての思いや将来の目標について語ってくれました。

自分にウソのない言葉選びや音楽性にしたい

――今日の収録では、MCのダウンタウンのお二人から、かなりいじられていましたね。

もうズタボロでしたね(笑)。汗をかいちゃいました。僕は北海道の出身で、東京に来て、地元じゃ考えられないことを聞かれたんですけど、魚の「ホッケ」の話でヒートアップし過ぎて、次に何を話すのか忘れてしまいました。でも、すごく楽しかったです。

――16歳でラッパーとしての活動を始めたそうですが、ラップという表現を選んだのはなぜですか。

もともと音楽がすごく好きで、ダンスもやっていました。ブラックカルチャーにはまっていたんです。そのとき、たまたま触れたラップが、強烈でカッコよかった。マイクでのパフォーマンスではあるけれど、歌とは違う魅力がありました。しゃべっている感覚で言葉をリズムに乗せて、自分の気持ちをダイレクトに伝えられる。言いたいことをストレートに表現できるところがいいと思ったんです。

DOBERMAN INFINITYのメンバー、SWAY

――SWAYさんのラップは、言葉が優しくて、すっと耳に入ってきます。ラップのイメージが変わりました。

ヒップホップやラップには、どうしても“ワル”のイメージがありますよね。ギャングスターじゃなきゃいけないみたいな。最初は僕もそう思っていました。悪い部分がないと、中身のない音楽になるんじゃないかって、真剣に悩んだこともあります。「ラップ・ゴッド」と呼ばれるエミネムの自伝的な映画『8 Mile(エイトマイル)』を見た時、「なんで、オレの家はトレーラーじゃないんだろう」って思いました。

――恵まれた環境が悩みだったんですね。

でも、ヒップホップにもいろんなタイプのアーティストがいます。例えば、カニエ・ウェストはトップ・プロデューサーからラッパーになりました。中退したけれど大学にも行っていて、その延長にヒップホップがある。「なんだ、ワルじゃなくてもいいんだ」って安心したんです。僕が表現するヒップホップは、等身大でいいのかなと思っています。自分にウソのない言葉選びや音楽性にしたいと心がけています。

あしたになったら、一緒に歩こう

――リリック(詩)は、どういうときに生まれてくるのですか。

生活の中でひらめきます。そのとき書いている曲のテーマを頭に入れておくと、それに基づいてワードが出てくるんです。何か思いついたら、必ずメモしています。寝入りばなにひらめいたら、どんなに眠くても起きてメモします。困るのは、風呂に入っているときです。それで、思いついたらすぐに記録できるように、浴室を出たところにスマホを置いているんです。メモにも種類があって、「何かあったときに使うワード」「曲のテーマ」「面白いフレーズ」とかに分けてあります。

DOBERMAN INFINITYのメンバー、SWAY

――10月にリリースされたソロシングル「TALK」は、コロナ禍で疲弊している人たちへのエールのように思えました。

“夢”や“つながり”について語りたかったんです。僕は16歳でラップに出会い、ずっと好きな音楽を続けてきました。高校を卒業するとき、同級生に「お前はいいよな、夢があって。俺には何もない」って言われたんです。それが、今も心に引っかかっていて。音楽をやめたら僕には何もないから、真っすぐに進んできたけれど、夢があるから幸せ……というポジティブな思いだけじゃありませんでした。でも、ファンの方たちの励ましや、仲間の支えがあって、夢を追い続けられました。

最初に「TALK」のデモテープを聞いたとき、“夢”や“繋がり”という世界観が目の前に広がったんです。夢があってもなくても、一緒に歩くことはできる。頑張らなくていいし、歩きたくないなら休めばいい。あしたになったら、一歩進めるかもしれない。だから、一緒に歩こうよ……という気持ちを込めました。「お前はいいよな」と言った同級生も、今は結婚して家族を持って、めちゃめちゃ幸せになっている。むしろ、うらやましいです。

――でも、SWAYさんは、これから家族も作れますよね。

ですよね。今より、さらに幸せになります!

大きなステージで、ワンマイクのパフォーマンスをやりたい

――12月2日に「DOBERMAN INFINITY」の新しいシングルがリリースされました。

仲間と曲を作ると、すごく勉強になります。同じテーマで考えても、まったく違ったアイデアが出てくるんです。「そういう考え方があるんだ」とか「そのワードが出てくるんだ」とか、刺激を受けたり、気づきがあったりする。常にメンバーから学ばせてもらい、それがソロになったときにも生きてくる。仲間と一緒に制作活動をする醍醐味だいごみですね。

――新曲のタイトルは「6 -Six-」ですが、メンバーは5人ですよね。

ファンクラブのみなさんを「D6」と呼んでいるんです。ファンの方に「6番目は、自分のことかな」と思っていただけたらうれしいです。それに、「six sense(第六感)」という意味もあります。友だちって、何も言わなくてもわかってくれるときがあります。嫌なことやつらいことがあったとき、黙って寄り添ってくれる。それは、友情の「six sense」なのかなと。自分もそういう存在でありたいです。

DOBERMAN INFINITYのメンバー、SWAY

――音楽だけでなく、スニーカーをデザインするなど、クリエーターとしても活躍されていますね。

とくにデザインの勉強はしていないんです。子どものころから絵を描くのが好きで、小学生の時におじのパソコンで「3Dマイホームデザイナー」を使っていました。中学の時は、自宅にパソコンが来たので、それを占領してCDのジャケットなんかをデザインしていました。スニーカーは大好きで、履くだけで満足していましたが、縁があってリーボックとコラボさせていただきました。

――スニーカーフリークで有名です。何足くらい持っていますか。

数えられないくらいです。ひと月に5足から10足くらい買うんで、200足以上あると思います。履かないスニーカーは買わない主義なので、1日に3回、履き替えることもあります。朝出かけるときに履いていたスニーカーを、昼頃に帰宅して履き替えて、夜にコンビニに行くときに履き替える(笑)。

――将来、やりたいことはありますか。

まずは、ソロでもグループでもライブを実現したいです。もっと将来的なことだと、大きなステージで、ワンマイクのパフォーマンスをやりたいです。音楽があって、バックに映像を流して、演劇もやって、会場のロビーではアートを展示する……。いつ実現できるかわからないけど、今までやってきた全てを集結するようなイベントをやってみたいです。
(取材/読売新聞メディア局 後藤裕子、撮影/遠山留美)

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SWAY(スウェイ)
ラッパー

 1986年6月9日生まれ、北海道出身。16歳のときにラップを始め、札幌でHIP HOPクルー「WILD STYLE」として活動。2012年、ソロアルバム『THE S』を発表。同年に劇団EXILEに加入。14年、DOBERMAN INFINITYにMCとして加入し、16年にHONEST BOYZを結成。俳優、マルチクリエイターとしても注目されている。

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