塩糖水に漬けると鶏胸肉もステーキもおいしい…簡単レシピと調理のコツ

コロナ禍で、自宅で食事を作る「内食」が続き、献立作りに苦労している人も多いのではないでしょうか。スーパーで買った肉や魚が、漬けるだけでおいしくなり、料理の幅が広がると話題になっているのが、水に塩と砂糖を混ぜ合わせた「塩糖水」です。「えんとうすい」と読みます。「おいしくなって保存もきく!塩糖水漬けレシピ」(世界文化社)を出版した料理研究家の上田淳子さんに、塩糖水を使ったレシピと調理のコツを聞きました。

塩糖水とは?

「塩」「砂糖」「水」で作った液体で、食材をおいしくする。
▼パサパサになりやすい鶏むね肉や魚などの食材を漬けると、やわらかくなります。
▼下味がしっかりとつくので調理の時間短縮や手間を減らすことができます。
▼煮る、焼く、茹でるなど、味付けいらずでパパッとできるからキャンプにも最適です。
▼日持ちするのでスーパーなどへ買い物に行く回数を減らすことができます。

塩と砂糖を水に混ぜて肉や魚などを漬け込む方法は、古くからあるものの、一般的にはあまり知られていない調理法の一つです。漬けるだけで、食材がしっとり軟らかくなり、素材のうまみも引き立つといいます。

「コロナ禍で、自宅で食事を作る『内食』が定番化し、1週間で『家族の人数×21食』を作らなければいけなくなったという人もいるはず。簡単な調理でおいしさが引き立つ素材があれば、気が楽になります。塩糖水漬けは、作り置きのものほど味付けを決めていないので、その日の気分で味付けを変えられる自由さもあるんです」と説明します。

塩糖水の作り方

塩糖水の作り方は、肉や魚などの食材200~300グラムに対して、塩を小さじ3分の2、砂糖を大さじ2分の1、水100ミリ・リットルをポリ袋に入れて混ぜるだけ。食材全体に塩糖水が浸るように袋の空気を抜いて、冷蔵庫の中に3時間以上置いておきます。

肉や野菜を漬けるとおいしくなる塩糖水の作り方
「おいしくなって保存もきく!塩糖水漬けレシピ」(世界文化社)より

おいしくなる理由は、塩が肉や魚の筋繊維をほぐして水分を保ち、砂糖が加熱による凝固を抑えてくれるから。特に、鶏むね肉やささみ、豚ロースなど、加熱するとパサパサになりがちな食材だと大きな違いを感じられます。

塩分の効果で、冷蔵保存が利くのもポイントです。肉は冷蔵庫に入れて4~5日、魚は2~3日保存できるのだそうです。肉は塩糖水を捨てた状態で、冷凍庫に移すこともできます。

ハム作りにヒントを得た「塩糖水」 

「塩糖水歴」25年の上田さん。きっかけは、働いていたレストランで自家製ハムを作ったことでした。塩と砂糖、ハーブを水に混ぜた「ソミュール液」と呼ばれる塩糖水の一種に肉を漬けて加熱すると、ハムがジューシーに仕上がることを知ったといいます。

ハム作りでヒントを得た上田さんは、様々な食材で塩糖水を使った調理に挑戦。ソミュール液は、塩分濃度が10%もあるため、少しずつ濃度を下げて試した結果、食材の保存性を維持しながら、軟らかな食感となり、日常使いがしやすい3%の濃度に落ち着いたのだそうです。

働く女性にぴったり「鶏肉とアボカド、トマトの重ね焼き」

著書の中から、働く女性にぴったりの「塩糖水漬けレシピ」を紹介してもらいました。

塩糖水を使った料理のレシピ
「おいしくなって保存もきく! 塩糖水漬けレシピ」(世界文化社)より

【鶏肉とアボカド、トマトの重ね焼き】
▽材料(2人分)
鶏むね肉の塩糖水漬け  1枚
コショウ        少々
アボカド        大1個
トマト         大1個
オリーブ油       大さじ1
マヨネーズ       約大さじ1
▽作り方
1.鶏むね肉の塩糖水漬けは、水気を切り、ペーパータオルで拭く。厚さ1センチのそぎ切りにしてコショウをふる。アボカドは縦半分に切り、種を取って皮をむき、厚さ1センチに切る。トマトは縦半分に切ってへたを取り、厚さ1センチに切る。
2.耐熱皿に1をトマト→鶏肉→アボカド→鶏肉の順に斜めに重ねる。オリーブ油を回しかけ、オーブントースターで鶏肉に火が通るまで約10分焼く。
3.鶏肉に火が通ったら、マヨネーズを全体にかけ、再び3~5分焼く。

高タンパク・低脂肪の鶏むね肉は、健康志向の女性にぴったり。トマトやアボカドの彩りも楽しめます。

塩糖水があれば、料理のハードルは下がる

「おいしくなって保存もきく!塩糖水漬けレシピ」(世界文化社)を出版した料理研究家の上田淳子さん
料理研究家の上田淳子さん

上田さんは「『仕事は相変わらず忙しい。でも、家で料理をする機会が増えた』という人にこそ、塩糖水を試してほしい。『案外簡単で、おいしく作れる』と感じられると、料理のハードルが下がると思います」と話しています。

(取材/読売新聞メディア局 安藤光里)

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上田淳子(うえだ・じゅんこ)
料理研究家

調理師専門学校の研究職員を経て渡欧。ヨーロッパや日本のレストランなどで修業後、料理研究家として幅広く活躍。成人した双子の息子を持つ母。子育てと仕事の両立経験を生かした現実的なレシピが好評。著書に「かんたん仕込みですぐごはん」(世界文化社)、「バターは調味料。ほんの少し使うだけでおいしくなる」(グラフィック社)など多数。インスタグラムでレシピを紹介中。

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