新築した劇場での初興行を柿(こけら)落としと言いますが、その由来は?
【1】柿(かき)は熟すと自然に落ちるように準備万端整えて臨むことから
【2】建築中に出た木くずをきれいに払い落としてから幕を開けることから
【3】様々な利害の絡み合いの落としどころを定めて初日を迎えたことから
柿(こけら)は木屑とも書き、木材を削るなどしたとき生じた細長い木片のこと。
江戸時代の建物の屋根は、杉やヒノキなど薄い板で葺(ふ)くのが一般的でした。工事の最後に、木くずを払い落として初興行を迎えることから来ています。現在では、映画館や体育館などの新・改築でも用いられることがありますが、本来の使い方ではありません。
なお、多くの漢和辞典では、「こけら」は柿(かき)とは別の漢字とされています。「かき」の旁(つくり)は「亠+巾」で総画数9、「こけら」は旁の中央の縦線を1画で書くため8画というわけです。
ただ、JIS(日本産業規格)の漢字コード規格は、古今の文献を精査したうえで「そのような字体区別は、必ずしも明確ではない」として、「柿(かき)」の字体しか規定していません。
正解は【2】建築中に出た木くずをきれいに払い落としてから幕を開けることから
(読売新聞「校閲道場」より)
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