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春らしい陽気が続くこの頃。そんな日は駅から少し離れた隠れ家イタリアンを目的地に、散歩がてらの美食探しに出かけてみませんか。
都立大学駅から遊歩道をのんびりと歩き、目黒通りへ出て駒沢オリンピック公園方面へ。12分ほど歩いて程よく体が温まってきたころ、「笠井」に到着します。スタイリッシュな外観に小さな看板と雰囲気抜群。ドアを開けると、カウンター9席のみのアットホームな空間が広がっていました。
恵比寿の有名イタリアン「TACUBO」(タクボ)から独立した笠井篤シェフが、2019年12月にオープンさせた新店。イタリアンをベースに、イノベーティブな料理を味わえます。コンセプトを尋ねると、少し悩みつつ「僕がおいしいと思ったものを皆さんにも食べていただきたい」と笠井シェフ。今回は「シェフのおまかせコース」から、腕によりをかけた3品をピックアップしました。
前菜からは「ホワイトアスパラのソテー、スクランブルエッグ」。イタリア産ホワイトアスパラガスをフライパンでこんがりと焼き上げたのは、「水分が多い食材なので、きっちり飛ばしてあげないと本当の旨味は味わえない」という笠井シェフの強いこだわりから。
卵とアスパラは、イタリアでは定番の組み合わせ。風味豊かなチーズソースを敷き、主役のホワイトアスパラガス、その上に絶妙な火加減のスクランブルエッグを載せています。フォークで持ち上げると芳醇な香りがふわり。かむとじゅわっと広がるホワイトアスパラの甘みと、卵とチーズのコクの相性の良さに驚かされました。
「修業時代から、独立したら絶対にメニュー化したいと考えていた」(笠井シェフ)との強い思いが込められた「自家製カラスミの冷製カッペリーニ」。ボラの真子で作られた高級珍味を主役に据えたパスタを、涼しげな器でいただきます。濃厚なカラスミの舌触りを最大限引き出すため、味付けは麺の塩気とオリーブオイルで軽く仕上げたのみ。シンプルながらもぜいたくな一品です。
自家製カラスミのレシピは、中華料理の名店「チャイニーズレストラン わさ」でオーナーシェフを務めていた山下昌孝シェフ直伝。かねてから親交が深く、同店の跡地で「笠井」を開店したのも縁があったからこそ。素材のおいしさはもちろん、シェフ同士のつながりも感じる温かな味わいです。
調理風景を楽しめるのもカウンター席のだいご味。肉がいぶされる香りが漂ってくると、胸が高鳴ります。メインに登場したのは「北海道産黒毛和牛カイノミの炭火焼き」。北海道・白老町で生産されるブランド牛「白老牛」を、炭火でじっくりと焼き上げたステーキです。
レアに仕上げた赤身肉は、かみ応えがありながら上品さを感じさせる肉質。あえてソースを添えないのは、「肉本来のおいしさが隠れてしまうのはもったいない」(笠井シェフ)からとのこと。粗びきの黒コショウを利かせると味の深みがさらに増していきます。
メニューはコース2種。それぞれ、おすすめのワインをセレクトしてもらえるペアリングも対応可能とのこと。14年の修業時代で培った食材の知識は豊富で、ほとんどが自ら足を運び、セレクトした産地から直接取り寄せています。
仕入れから調理、サーブまで笠井シェフが一人で切り盛りしている同店。各所に食材へのこだわりと探求心がうかがえました。(ライター/麻林由 カメラマン/野田真)
●お店とメニュー情報●
[メニュー]※税込み、前日23:00までの要予約
■「シェフのおまかせコース 8皿」9000円
[店名]笠井
[住所]東京都目黒区八雲3-6-22
[営業時間]17:00~23:30(L.O.23:00)、土日は15:00~22:00(L.O.21:00)
[定休日]水曜
[問い合わせ先]03-6421-3517
[ホームページ]https://r.gnavi.co.jp/cfaa1kr90000/
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