ウエリントンを後にし、最終日を過ごしたのはオークランド。日本からニュージーランドへの直行便は、ここオークランドに発着しています。同国最大の都市であり、玄関口でもある街には、ハイセンスなカフェやショップが点在。刺激がありながらも、潮風と緑を感じる大都会で、街歩きを一日楽しみました。
個性派ショップが集まるポンソンビーロード
10年ぶりに訪れたオークランド。何度か訪れていますが、落ち着いてじっくりと歩くのは、今回が初めてです。といっても、滞在日数はわずか1日。今のオークランドを象徴するような場所を見てみたくなって、ポンソンビー地区へと向かいました。
ダウンタウンの東側あるポンソンビーロードは、洗練されたカフェやダイニング、スノッブなバー、個性的な雑貨店が集まる、地元の人にも大人気のエリア。パーネルロードやハイストリートと並ぶ、オークランド3大人気ストリートのひとつと言われています。

ダウンタウンより高台にあるポンソンビーは、洗練された趣に加えて、絶好のビューポイント。正面にスカイタワーが見えて、なかなかの絶景です。
通りに大きなビルはないものの、センスのいいブティックがちらほら。そんな雰囲気が気に入って、気鋭のアーティストが多く暮らしているのだそうです。
まずはポンソンビーの中心的存在となっているショッピングコンプレックス「ポンソンビー・セントラル」へ。アルゼンチン発のアサード(バーベキュー)の専門店やオーガニックにこだわるデリなど、コンセプトがはっきりとしたお店が集結し、ここを目当てに多くの人がやって来ます。

ブランチは、地元で人気の「Foxtrot Parlour(フォクストロット・パーラー)」で。「foiyo Doughnuts(ホイヨドーナツ)」という、ユニークなスイーツが名物のお店です。

ホイヨドーナツは、注射器のような充填(じゅうてん)機を使って、ドーナツの中にクリームを注入して食べるという変わり種。見た目はいかにも甘そう! でも、自分でクリームの量を調整できるし、なによりこんな遊び心が楽しくて、スイーツが苦手でも試したくなります。
ポンソンビーロードを1本入った路地にも、おしゃれなベーカリーやカフェが点在していて、裏通りもなかなか魅力的。ここにもすてきなオーガニックショップがありました。自転車でやってきた女性や、通勤途中らしきビジネスマンが、さっと量り売りのオリーブオイルを買っていく日常風景は、いかにもオーガニック先進国のニュージーランドらしくて憧れてしまいます。

ランチに訪れたのは、「Little Bird Organics & The Unbakery(リトルバード・オーガニックス&ジ・アンベーカリー)」です。その名の通り、火を通さない生野菜を中心とした料理のほか、砂糖を使わず素材の甘さを生かしたスイーツ、グルテンフリーの料理を提供するレストランです。
オーナーは、ニュージーランドで活躍する料理家のミーガン・メイさん。彼女は、自身の体調不良をローフード(火を通さない料理)で整えた経験から、マクロビオティックやビーガン、グルテンフリーなど、さまざまな食事の手法を取り入れた料理を提案しているのだそうです。

ビーガンやローフードをメインにしたレストランと聞いて、当初はややスノッブなお店を想像していましたが、印象は真逆。心地よく太陽の光が差し込む店内には、赤ちゃん連れのお母さんや一人でくつろぐ学生さんらしき女性もいて、ほのぼのと温かな空気を感じるお店でした。
シーフードマーケットとウォーターフロント
最終日にふと、「そういえばシーフードを食べていない!」と気づきました。シーフードのイメージが強い国にいながら、野菜やお肉がおいしくて、すっかりその存在を忘れていたのです。
でも、やっぱり食べたい……。そこで、最終日のディナーは、フィッシュマーケットへ。「Sanford(サンフォード)」は、1904年にオープンして以来、100年以上もオークランド魚市の中心として栄えてきた場所です。
近年、リニューアルしてレストランやカフェが入り、観光スポットとしても注目されるようになりました。生ガキやイカフライなどシーフードはもちろんのこと、日本料理、タイ料理、南米料理、イタリア料理からカフェまで、さまざまなお店が集結し、その日の気分で何を食べるか選ぶことができます。

ディナーは、カキとフィッシュ&チップスでカジュアルに。初夏の風に吹かれながら、屋外で白ワインとともに食べるシーフードは、よりおいしく感じます。
ここは港のすぐ近く。ホテルに帰る途中、ウォーターフロントのヴィアダクト・ハーバーに立ち寄って夜の散歩も楽しみました。ヴィアダクト・ハーバーは、2000年に世界的なヨットレース「アメリカズカップ」の開催地となり、来年も開催が予定されている港です。以来、一帯は開発され、今ではレストランやバーが立ち並ぶ観光スポットとなっています。停泊しているクルーザーやヨットを眺めながらワインを飲むのは、旅を締めくくるのには最高の時間でした。

オークランドで宿泊したのは、街の中心部にある「M Social Auckland(エム・ソーシャル・オークランド)」。滞在時間が短いときは、なにより立地が良い場所が一番です。このホテルはこぢんまりとしていますが、内装はシックで、スタイリッシュさも感じます。夜遅くにチェックインしたときの、ウェルカムスイーツと温かな紅茶のサービスはとてもありがたく感じました。
たっぷりと街歩きを楽しんで、翌日、ニュージーランドと日本(成田、関西)を結ぶ唯一の直行便、ニュージーランド航空で帰国。ニュージーランドでは、さまざまな特徴を持つ地域での時間を楽しみ、最終日にオークランドで過ごすプランがスムーズだと思います。
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