猫クイズ!(四つの選択肢から選んでください)
Q.猫の給水で間違っているのはどれか?
(1)猫の水飲み場は複数用意する
(2)ヒゲが当たらないように容器は口が広いものを用意する
(3)おしっこの後にすぐ飲めるようにトイレの近くに置く
(4)ミネラルウォーター(軟水)をあげても問題ない
A.(3)おしっこの後にすぐ飲めるようにトイレの近くに置く
【解説】嗅覚がとても鋭い猫はトイレと給水の場所が近いと、においが気になって飲んでくれなくなることもある。給水の場所はトイレからなるべく離すようにしたい。
(※この物語は、実在する飼い主募集型保護猫カフェをモデルにしたフィクションです)
(ねこ検定公式ガイドブックより)
譲渡会のスタッフデビュー
駅前の書店を借りて、保護猫カフェ“小豆沢の森”の子猫譲渡会を開催することになったと聞き、私もボランティアスタッフとして参加させてもらうことにした。担当はケージの搬入や組み立てなど会場設営である。
想像していたよりも小さな書店だったため、「えっ、どこにケージ並べるの!?」と一瞬不安になったが、私以外のスタッフは譲渡会設営のプロ。躊躇することなくケージを店内に搬入し、テキパキと組み立てては縦に積み上げ、あっという間に譲渡会会場が完成した。
ほんの数時間で終了する譲渡会だが、子猫たちの快適さを追求し、ハンモックやトイレの設置、おやつや水の準備なども、手を抜くことなく丁寧に対応。
そうこうしているうちに、ボランティアさん宅で育ててもらっていた子猫たちが続々と到着し、プロフィル付きのケージへ入っていった。
書店で譲渡会
町の小さな書店ということもあってか、実に和やかな雰囲気の中、“子猫譲渡会in書店”はスタートした。
入り口付近にケージを設置したため、お店の外からも中の様子を伺うことができ、
「こんなところに猫が!」という表情で眺めている人も多かった。
そりゃそうだろう、本屋に子猫がたくさんいるなんて、想定外の光景だ。そんな保護猫譲渡会にスタッフとして参加していることが、何だか誇らしく感じた。
保護猫たちのかわいさに驚く
私もそうだったが、“保護猫”“譲渡会”“里親会”という言葉を耳にしたことがあっても、実際、日常生活の中で開催中の譲渡会に遭遇したり、保護猫に出会ったりする機会はなかなかない。
そのため、
「みんな保護猫ですか!? こんなにかわいいんですね!」
と、数か月前の私と同じ反応をする人も多かった。
保護猫=栄養失調で貧相な見た目……というイメージを持っている人も少なくはなく、そういう人が実際の保護猫を見ると、そのかわいさにまず驚く。
ここでは誰でもさりげなく譲渡対象の猫たちを目にできる。書店という日常の光景の中で行う譲渡会の意義は、大きいに違いない。
保護猫のかわいさを知り、次に頭に浮かぶのが、「どうやったら里親になれるのか?」。
気に入った子がいたからといって、誰でも里親になれるのか、というとそういうわけでもなく……保護団体によってその条件は様々で、里親になる条件を熱心に聞いている方も多かった。
猫との愛しい日々
また、飼い猫を看取ったことで陥る“ペットロス”を抱えた方も想像以上に多く、譲渡会の文字を見て覗いてみたものの、「今はまだ無理」と言葉を詰まらせる方もいた。
猫と暮らす=看取りも含めた愛しい日々。私がこれから手に入れようとしている日々は、かわいい、楽しいを超越した愛しい日々なんだなぁと改めて思った。
初の書店開催は、人が途切れることなく、ケージ周りはスタッフとお客さんで常にザワザワしていた。
そんな落ち着かない雰囲気の中、参加子猫たちは……というと、終始固まったまま動かない子もいれば、あお向けになって「ヘソ天」で爆睡している子、人が好き過ぎてアピールが止まらない子など十猫十色。
猫暮らしを疑似体験
生まれてまだ数か月なのに、場の空気を読んで澄ました表情をしている子猫には、頭が上がらない気持ちでいっぱいになった。
ボランティアスタッフとして過ごしたこの1日は、ケージの組み立てから猫用トイレの対応など、猫暮らしを疑似体験させてもらえるいい機会にもなった。
粗相をしてしまった子猫のケージを、何の抵抗感もなく掃除しながら、
「あぁ、今の私なら猫暮らし大丈夫だわ」
と確信でき、思わず頬がユルんだ。
(※この物語は、実在する飼い主募集型保護猫カフェをモデルにしたフィクションです)
(Photo by 保護猫写真家ねこたろう/写真提供・協力 CAT’S INN TOKYO)
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