猫クイズ!(四つの選択肢から選んでください)
Q.子猫のトイレのしつけをするタイミングで正しいのはどれ?
(1)生まれてすぐ
(2)生後2週間
(3)生後1か月
(4)生後3か月
A.(3)生後1か月
【解説】一般的にトイレを覚えるのに適した時期は、生後1か月と言われています。
(ねこ検定公式ガイドブックより)
「ミルクボランティア」って?
週末、保護猫カフェ“小豆沢の森”に足を運ぶと、
「真穂さん、ちょうどいいところに! ミルクボランティアさんに預けている子猫が、今来てるの」
と店長のアイさんに案内され、まだよちよち歩きの子猫たちを見せてもらった。
「うわぁ、ちっちゃい!」
うっかり触ろうものなら壊れてしまいそうな、小さな小さな子猫たちがふにゃふにゃ動いていた。
「この子たちはどこで保護されたんですか?」
「2週間前、近くの民家の軒先で見つかった4きょうだいなんです。本当はお母さん猫も一緒に保護したかったんだけど、近くにいなかったから、まずは子猫だけ保護してきたんです」
「生後どれくらいなんですか?」
「今、ちょうど生後1か月くらいですね。保護した時は、まだ生後1週間もたっていなかったから、2、3時間おきの授乳が必要で、ミルクボランティアさんに預かってもらうことにしたんです」
「ミルクボランティアさんって、名前通り、授乳時期を担当するボランティアさんなんですか?」
「はい、乳児期のお世話を専門にするボランティアさんです。ミルクや離乳食の時期は食事の回数も多く、温度・湿度管理も必要になってくるので、目が離せないんです。なので、体調が安定する生後2か月くらいまでは、ミルクボランティアさんの元でお世話してもらいます。子猫用フードが食べられる時期が来たら、ここに移動して、同時に里親募集も始めます」
もらう方もあげる方も必死
ミルクボランティアという言葉は聞いたことがあったが、どういう役割なのかは知らなかった。今、目の前の子たちでさえふにゃふにゃで繊細なのに、生後1週間未満の子猫って……今の私には想像ができない。2、3時間おきの授乳に温度・湿度管理など、時間に余裕があるボランティアさんじゃないと難しそうだ。
「生後数日の子猫の授乳は難しいんでしょう」
「私が育てた子の写真、見ます?」
見せてもらった写真は、子猫ではなく、まさに乳児の食事風景で、
「うわぁ、もらうのも必死!」
「あげる方も必死です。一番怖いのが誤嚥。それと低体温。でも、体を温めすぎると熱中症にもなるし……。下痢は命取りです。この時期は毎日右肩上がりに体重が増加しないといけないんです。停滞したり、減ったりしたらもう、生きた心地がしません」
と言うアイさんの表情で、その大変さがひしひしと伝わってきた。
順調に大きく育って!
「小さい子猫は哺乳瓶の乳首で飲めないこともあります。そういう時はシリンジでミルクをあげるんですけど、細心の注意を払わないと簡単に誤嚥してしまいます。慣れているボランティアでもとても神経を使う、大変な作業なんです」
「1匹じゃないですもんね」
「多い時は5、6匹いますからね。2、3時間おきでも、ミルクや排泄の介助、体重の計測、1匹ずつの生育記録を含めると、一日中かかりっきりといった感じです」
「うわぁ、それは大変!」
「なので、子猫の保護が重なった時はミルクボランティアさんにお願いするようにしています。とはいえ、ミルクボランティアさんにも日常生活があるので、用事がある時は、今日みたいに、ここで預かるようにしているんです」
「そういう連携、必要ですよね」
「この4きょうだいはもう少しで離乳なので、このまま順調に育ってくれれば、あと1か月でここに戻ってくる予定です」
そうか、この子たちがカフェに戻ってきたら、イクメン猫・サノスケさんの本領発揮ですな。
Vol.11子猫の保護とミルクボランティア_後編へ続く
(※この物語は、実在する飼い主募集型保護猫カフェをモデルにしたフィクションです)
(Photo by 保護猫写真家ねこたろう/写真提供・協力 CAT’S INN TOKYO)
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