猫クイズ!(四つの選択肢から選んでください)
Q.猫の肉球の説明で間違っているのはどれ?
(1)足音を消して歩く役割
(2)滑り止めの役割
(3)皮脂腺があり、におい付けの役割
(4)着地時の衝撃を和らげる役割
A.(3)皮脂腺があり、におい付けの役割
【解説】肉球には皮脂腺ではなく汗腺があるためしっとりと潤い、滑り止めのみならず自分のにおいを残すマーキングの働きもしています。(ねこ検定公式ガイドブックより)
猫のことをよく分かってなかった……
譲渡会で紹介され、運命の出会いを求め足を運んだ、保護猫カフェ“小豆沢の森”。
運命の出会いと言っても、相手は人間ではなく猫。
念願だった人生初の猫暮らしを果たすべく、今、猫カフェにいるわけだが、ここにきて気付いたのが……私は、猫のことをよく分かっていない、ということ。
凡ミス!?……いや、猫暮らしを始める前にそこに気付けた私はラッキーだ。
「実際の猫たちと接して、真穂さんのイメージしている猫暮らしが脅かされているかもしれないですよね。けど、いくらでも理想の暮らしに近づける方法はあります。運命の子に出会うまでに、不安を潰していきましょ!」
私の微妙に揺れる心境を察し、助け舟を出してくれたのは猫カフェ店長のアイさん。
雑誌や動画上でしか猫のことを知らない私は、ある意味、かわいい部分や許容範囲のユニークな部分しか知らなかった。
自由に動き回る猫たちは、私の想像を超えた、結構手強そうな感じで……それでもやっぱりかわいく、愛しい存在には変わりない。
猫のいたずらが心配
この猫カフェにいる猫たちは、全員飼い主募集中の元保護猫で、相性がいい子がいれば飼い主になることもできる。
「今の真穂さんにとって、何が一番引っかかる部分ですか?」
「私、OLをやっているので、平日は結構長い時間ひとりでお留守番をしてもらうことになるんです。不在の間に部屋が大変なことになるんじゃないか……とか」
「そうなんです。猫って運動能力が高くて好奇心が旺盛なので、どこにでも上ったり、入り込んだりするんですよね」
「それも子猫やスリムな猫だけじゃなく、体が大きい猫も運動能力高いですよね!」
「そうそう、そうなんですよ。一見ぽっちゃりしているように見える猫も、身軽に跳び上がったりするんですよね。そのしなやかな動きが猫の魅力のひとつだったりもするんですけど」
「猫と一緒に暮らし始めたら、なるべくモノは出しておかないように気をつけようと思っているんですけど、どこにでも上れて、どこにでも入り込めるとなると、何も出しておけなくなるのかなって」
「分かります! そう思いますよね。でも、ちょっと店内を見てみてください」
そう言われ、改めて店内を見回すと、天井近くにはガーランドが掛かり、額装した絵が飾られ、足元には雑誌ラック。
極め付けは小さいアクセサリーや雑貨、書籍が並んだ物販コーナー。
そう、改めて店内を見回してみると、雑貨や本などいろいろ置いてある中を猫たちがうまいこと避けて歩き、思い思いの場所でくつろいでいる。
雑誌や雑貨の上で寝転がっている子もいるが、荒らされている様子は特に感じなかった。
限りない猫との知恵比べ
「もちろん、落としたり、壊したり、本の端っこをかんだりすることもありますし、小さな商品を子猫が持って行ってしまうこともあります。でも、大人の猫がいじることはほぼないです。ただ、これは本当に猫によりますので、出しっ放しで大丈夫なものとそうでないものは、迎えた猫と暮らしながら、少しずつ工夫してくださいね」
「そういうことなんですね! 帰宅するたびに部屋が大変なことになっていたらって思って」
「大切なものやいじられそうなものは、確実に猫がアクセスできない場所にしまうのが鉄則です。とはいえ、中には扉を開けたり、引き出しを開けたりする器用な猫もいます。当店には電子レンジのドアを開けてしまう猫もいるんですよ(笑)」
「えぇっ!電子レンジまで……」
「それどころか、冷蔵庫の扉を開ける猫もいるそうです。だから、猫と暮らすということは、“猫との知恵比べ”と思ってくださいね。それを楽しむことが猫暮らしには必要です」
「な、なるほど……。まるで小さな人間のようですね。大丈夫かな!?」
「まさに小さな人間のようです(笑)。帰宅した時に室内の様子が変わっていたとしても、『確実に誰かと暮らしている!』という実感があっていいものですよ」
理想の「猫暮らし」が見えてきた
一瞬おじけづいたが、誰かと暮らすということは確かにそういうことだ。相手が猫というだけで、そんなに頭でっかちになる必要はないのだ。
それに、ここには10匹近く猫がいるのに、これだけ整然さを保てているではないか。それだけ猫の生態に沿った空間作りがされているということなのだろう。つまり、工夫さえすれば、家の中がすごいことにはならないということだ。
「猫暮らしの不安がなくなるまで、何度でも遊びに来てください」
私にとっての理想の猫暮らし……猫も飼い主も快適な日々。
“小豆沢の森”へ行き、アイさんと話し、私にとっての猫暮らしが少しだけ見えてきた。
(※この物語は、実在する飼い主募集型保護猫カフェをモデルにしたフィクションです)
(Photo by 保護猫写真家ねこたろう/写真提供・協力 CAT’S INN TOKYO)
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