天皇陛下の即位に伴い国内外の賓客をもてなす「饗宴の儀」が22日夜、皇居・宮殿で開かれました。皇后さまが着用されたロングドレスに注目が集まりました。
バラを思わせるラッフルが襟まわりに縁どられたシャンパンゴールドのドレスは、皇后さまの笑顔と相まって、華やかさを増していました。そのデザインから、1993年のご成婚のパレードの際に身に付けられたドレスが思い出されます。

ヨーロッパの服飾文化に詳しい文化学園大学教授の高木陽子さんによると、ローブデコルテは、フランス語で「襟ぐりを大きく開けたドレス」という意味で、日本では明治時代に女性皇族の正装の一つに取り入れられました。色は白、アイボリーなど淡い色が多く、ブロケード、タフタ、レースなどの絹地を使用し、プリント柄ではなく、地織りや刺繍で模様を出すとのこと。肘が隠れる長さの白い長手袋を着けるか、手に持つということです。

皇后さまのロングドレスのフォルムは、胸元が大きく開いておらず半袖がついているので、典型的なローブデコルテの形式ではないようです。5月の「即位後朝見の儀」のドレスも類似したデザインでしたので、そのようなかたちにするという皇后さまの強い思いがあったのかもしれません。「これからの日本の皇室のスタイルを作っていく」という気持ちが反映しているとも考えられます。
饗宴の儀での出席者の服装は、女性は「ロングドレス、白襟紋付又はこれらに相当するもの」として指定がありました。
「デンマークのメアリー皇太子妃はマントが特徴的なロングドレスを着用していましたが、宮廷服(マントー・ド・クール)を現代風にアレンジしたイヴニングドレスと見ることもできます。他にも、ベルギーのマチルド王妃やスペインのレティシア王妃も印象的でした」と高木さんは話します。
タイ首相夫人やブータン王妃など、民族衣装を着用してきた賓客もその鮮やかさが目を引きました。
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