10月初頭のパリはファッションウィーク(パリコレ)で賑わう季節。今年も、タクシーがつかまらない、幹線道路が渋滞する(最近、パリ市内のいたるところにできた自転車道のせいで車道が狭くなったせいもありますが)といった光景が見られました。
この時期、景色のいいスポットでは雑誌などの撮影が行われ、また、サントノレ通りやモンテーニュ通り、マレなどにはおしゃれな人たちが増え、街の雰囲気も華やかになります。
今回、私がお邪魔したカルティエのコレクションは、サンジェルマン=デ=プレのレストランを貸し切って行われました。会場内はラグジュアリーな社交場のようで、皆がシャンパンやスイーツを楽しみながら、優雅な雰囲気のなか、来シーズンの新作をひとつひとつ見て回っていました。

来季のイチ押しは、メゾンの象徴でもある「パンテール」です。1930年代から40年近く、カルティエのハイジュエリーの最高責任者だったジャンヌ・トゥーサンが生み出したこのコレクション。リング、ブレスレット、ネックレス、時計など全ラインプロダクトを発表しました。

そして、今春発表された新コレクション「クラッシュ ドゥ カルティエ」からは、日本ですでに先行発売されているホワイトゴールドのモデルのほか、来春発売予定のアマゾナイトのモデルも並んでいました。

「ガーランド ドゥ カルティエ」は、メゾンを象徴するカルティエのレッドボックスをイメージしたデザインのレザーグッズコレクション。11月からは新たに小さなポシェット「ナノ」が加わります。

そのほか、今回のコレクションのタイミングで、4本の動画を発表、これらはカルティエのサイトで見られます。
ドアを開け、ラグジュアリーな会場の外に出ると、そこは日常の世界。しかし、そこもパリのサンジェルマン=デ=プレ。日本ではない非日常の中に、まだ自分はいるのでした。
(取材・文⁄広告局パリ駐在 阿部泰三)