福岡市(福岡県)に保護猫シェルターを備えたゲストハウスがあると聞いて行って来ました。その名も「ねこ蔵ホステル」。なんだか知らないうちに、ゲストハウスに泊まるのがオシャレだと口コミが広まり、女子に人気だそう。しかも、コンセプトが斬新なスタイルが増えているそうで、ここもその一つ。猫好きにはたまらない個性派ゲストハウスです。1階に保護猫シェルター、2階が宿泊スペースで、ガラス越しにいつでも猫たちの姿を見ることができます。実はうっかり、ある“猫島”を訪れた後にホステルに立ち寄ってしまい、子猫たちへの感染症の恐れもあるので、シェルター内に立ち入ることはできませんでした。でも、ガラス越しにかわいい猫たちの姿を見ることができました。中でも印象に残った“猫スタッフ”と呼ばれる、教育係的な猫たちを中心にリポートします。
まず目についたのがこの三毛猫たち。ここが彼女たちの所定の位置のようですが、この三毛猫たちと長毛のキジ猫の3匹が、この保護猫シェルターの猫スタッフです。
そのうちの1匹、メスなのに“男前”な三毛猫の「夢」の背後がザワついています。初夏のこの時期は子猫がたくさんで賑やか。室内の清掃が終わり、猫たちのお遊びタイムが始まるようです。
無邪気に遊んでいますが、猫たちはあやうく殺処分を免れ、保健所や動物愛護センターから引き取られてきました。
「ねこ蔵ホステル」は猫を保護するボランティア団体が、不動産事業会社の協力を得て完成した保護猫シェルター&ゲストハウスです。猫たちはここで新しい飼い主さんとの出会いを待っています。
猫たちのお世話をするボランティアさんの猫じゃらしに元気よく飛びついています。こうした遊びが心と体を育みます。健康管理をしっかりして新しい飼い主さんが現れる日に備えているんです。
室内が猫たちでやや過密になっても、猫じゃらし合戦に参加しない猫もいます。
「夢」は猫たちの騒動には目もくれず俯瞰でシェルター内を見つめています。新しい飼い主がみつかるまで責任を持って見守っている。そんな姿勢に見えました。
撮影をしていたら子猫がやってきました。ガラス越しですが、こちらのカメラに興味津々のようです。でもそこは先輩猫スタッフたちの所定の場所では? 大丈夫かな。
案の定「夢」にめちゃめちゃ怒られました。子猫たちの中には先住猫のいる家庭に引き取られることも多いので、こうした年上の猫の存在は、いい予行練習になっているそうです。
シェルター内に入れるのは里親希望者のみですが、宿泊者で猫のボランティア希望者は猫たちのお世話をすることができます。(サイトに事前予約フォームあり)
もしその時に、猫の方から膝にのってきた時はそのまま膝を貸してあげてください。その温もりから、「一度は人間に裏切られた猫たちに、やさしい人間がいることを気づかせてほしい」と「夢」が言っているような気がしました。
さて、今回宿泊するゲストハウスは2階、シェルター前の階段を上がった所です。階段が狭いので大きなトランクの場合、ちょっと注意が必要です。
2段ベッドが並ぶドミトリースタイルの部屋は、各ベッドに窓がついているので、狭さを感じさせません。
ドミトリースタイルの客室は男女混合と女性専用ルーム、ほかに個室のダブルルームがあります。洗面ルームも窓があって開放的です。
オープンルームにあるボードには世界中から集まったゲストさんの猫写真でいっぱい。猫好きの外国人観光客ともコミュニケーションがとれるので、海外旅行気分が味わえますね。
場所は福岡市博多区、地下鉄箱崎線の「千代県庁口駅」から徒歩3分。博多駅より徒歩23分。静かな住宅地の一角に「ねこ蔵ホステル」はあります。
宿泊者以外も利用できるカフェ「茶蔵」を併設。夜にはバーとして料理のほか、世界的なワインコンテストの日本酒部門で受賞歴もある、福岡県八女市の酒造会社「喜多屋」など、日本酒が豊富に揃います。店内から猫シェルターも見られます。(夕方まで)
カフェ「茶蔵」はドリンク、軽食を提供。テイクアウトも可。その日は、若い男性の2人組がおいしそうなカレーを食べていました。
ゲストハウスを運営しながら猫の保護活動もする「ねこ蔵ホステル」は2年目を迎えています。ゲストハウスやカフェを利用することで、猫助けに繋がります。福岡旅行の際にぜひ訪れてみてください。
「ねこ蔵ホステル」
福岡県福岡市博多区千代4丁目7−86
TEL092–409–2242
https://www.nekokura.co.jp/
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