米ニューヨークのメトロポリタン美術館で毎年5月に行われるファッション界最大のイベント「メットガラ」が6日に行われ、豪華絢爛なファッションに身を包んだ世界的スターたちが一堂に会しました。
メットガラは、メトロポリタン美術館(通称:メット)の衣装研究所の運営資金を集めるために毎年開かれるパーティーで、研究所が毎年開催するファッション展覧会のオープニング・イベント。1995年からアメリカ版「ヴォーグ」編集長アナ・ウィンターが主催者を務めています。今年は、レディー・ガガと、グッチのクリエイティブ・ディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレ、歌手のハリー・スタイルズ、テニス界の女王セリーナ・ウィリアムズがホストを務めました。
今年のテーマは「キャンプ」
メットガラといえば、セレブたちのド派手なドレスを思い浮かべますが、そのドレスコードは特別展のテーマに基づいています。今年のテーマは「Camp: Notes on Fashion」(キャンプ:ファッションについてのノート)。「キャンプ」は、通常思い浮かべるアウトドアのキャンプではなく、「大げさな」という意味。米批評家スーザン・ソンタグの64年のエッセイ「Notes on Camp」(キャンプについてのノート)を枠組みにしています。ソンタグは、キャンプを「不自然さや巧妙さ、誇張への愛」と定義していて、セレブたちがこのテーマをどう解釈し、どのようなドレスを着用するのか、テーマが発表されてから期待が高まっていました。ちなみに、「キャンプ」の概念はコム・デ・ギャルソンの2018~19年秋冬コレクションでの着想源でもありました。
会場のメトロポリタン美術館の階段はレッドカーペット、ではなく、ピンクカーペットで敷きつめられ、参加者たちは思い思いのポーズやパフォーマンスを繰り広げました。
まるでコンサート会場? ガガ様、圧巻のパフォーマンス
ホストでもあるレディー・ガガは、最初は友人のデザイナーであるブランドン・マックスウェルのフューシャピンクのドレスからブラックドレス、ピンクドレス、最後は黒のランジェリーに早変わりして、オーディエンスを驚かせました。
アナ・ウィンターは、フェザーに覆われたシャネルのドレスを着用して登場しました。米紙USAトゥデーによると、これは親友カール・ラガーフェルドが今年2月に亡くなる前に作ってくれたものだそうです。
可憐だったのは、ディズニープリンセスのシンデレラにインスパイアされたドレスを着て登場したゼンデイヤです。トミー・ヒルフィガーのデザインで、ゼンデイヤと一緒に登場した魔法使い(実は彼女のスタイリストで男性!)が杖を振ると、なんとドレスが光を放ち始めました。そして彼女が階段を上った後には、“ガラスの靴”が片方だけ残されていたのです。
映画「ファンタスティック・ビースト」シリーズなどに出演している俳優エズラ・ミラーは、出演する映画ごとにガラリと雰囲気を変えるため、“カメレオン俳優”とも表されています。数年前にプラダのキャンペーンモデルにも起用された彼は、今年のメットガラに目を5つ描いたメイクで登場し、観客を驚かせました。
今年2月の米アカデミー賞授賞式で、クリスチャン・シリアーノのタキシード・ドレスを披露した俳優・歌手のビリー・ポーターは、太陽神をイメージした服装で6人の屈強な男性に担がれた輿に乗って登場しました。米「PLAYBILL」誌によると、この6人はブロードウェーのダンサーで、ビリーは「舞台俳優であるので演劇のような登場の仕方をしたかった」と語っています。
毎年話題になるメットガラですが、今回も多くのセレブたちが強烈なインパクトを残しました。日本でも、ツイッターなどのSNSでは「#MetGala」で彼らの独創性あふれたドレスをウォッチしていた人も多いようで、トレンド上位にランクインしていました。
(メディア局編集部 杉山智代乃)
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