爪に貼るだけで華やかになるネイルシートやチップが人気だ。スマートフォンで好みのデザインを注文できるなど、手間や時間をかけないのに本格的な指先のおしゃれを楽しめるので「時短ネイル」と呼ばれている。年が改まり、気分を変えたい時におすすめだ。
シールやチップ華やか
東京都の会社員、児玉有希さん(31)は、半年前からスマホのアプリを使って作るオーダーメイドのネイルシールを愛用している。「多彩なデザインが楽しめ、ネイルサロンに行く時間や費用も節約できます」と笑顔を見せる。
児玉さんが利用しているのは、自分好みのネイルシールを作れる「ユアネイル」というサービス。スマホに専用アプリをダウンロードし、用意された色やモチーフを選ぶだけで、オリジナルのシールが作れる。好きな写真やイラストも取り込める。樹脂フィルム製のシールが2回分入り、740円(送料、税込み)。注文から3~5日で発送される。
市販のネイルシールは幅を調節する必要があるが、自分の爪の幅を測って注文するため、シールの幅はぴったりだ。「不器用な人でも、短時間で失敗なく仕上がる」と児玉さん。シールを爪に貼り、ヤスリを爪の先に当てて形を整えたら、トップコートを塗って仕上げる。10日間ほどきれいな状態が保てるという。
利用者がデザインしたネイルはアプリで公開され、他の利用者もデザインを気にいれば購入できる。「冬ネイル」「和柄」などのキーワードで検索して季節に合わせたデザインを探すなど、楽しみが広がる。
ユアネイルの運営会社「ユニック」(東京)の広報、谷畑朋美さんは、「簡単に貼れ、除光液なしではがせるという手軽さや、ネイルを通じて利用者同士交流できる点も支持されています」と話す。2017年8月のサービス開始以来、3万点以上のデザインが公開されている。
使い捨てで気軽に

雑貨店でも、「時短」で本格的に仕上がる商品が増えてきた。渋谷ロフト(東京)の美容・健康雑貨売り場では、ネイルシールやチップなど約100種類を扱う。
例えば、「ネイル・ルック」という爪形のネイルシール(税抜き540円)は、抽象画風、和柄、ステンドグラス風など様々なデザインがある。
「ダッシングディバ」というブランドの使い捨てネイルチップ(30個入り、税抜き1200円から)は、チップに接着剤が付いていて、爪に押し付けて貼る。ニューヨークを拠点とするネイルサロンが監修している。売り場担当の永松彩さんは、「サロンに行かずとも、短い時間で、完成度の高い指先のおしゃれが自宅でできる」と話す。
除光液を使わずにはがせるマニキュアや、ネイルサロンで施すようなツヤのある「ジェルネイル」が自宅ですぐに完成する合成樹脂のジェルなども人気だ。
「装いとともに、冬らしい爪のおしゃれを楽しんで」と永松さん。ただし、長期間付けたままだと爪に負担がかかるため、「クリームやオイルで手入れをしたり、時々爪を休ませたりすることも必要です」と話す。(読売新聞生活部 谷本陽子)