これまで、レストランで食事をするとき、「これさえ知っておけば安心」という、マナーの基本を紹介してきました。しめくくりは、サラダと肉料理の食べ方についてです。
サラダはフォークだけで食べる
ヘルシー志向が進み、ビジネスランチのような場面でも「サラダランチ」がメニューに登場します。ここで一度、サラダの食べ方をおさらいしておきましょう。
コース料理でいただくサラダは、基本的にフォークだけを使います。サラダを金属のナイフで切るのは、見た目も美しくありません。利き手でフォークを持ち、お皿の上で、フォークのヘリを使ってサラダ菜を切り、一度に口に入れます。大きめの葉ものを口にくわえてかみ切る……なんてことはしないでくださいね。扱いにくい大きさや形状の葉ものは、フォークで折りたたんでから口に入れます。
ヨーロッパ式のテーブルでは、葉を切りやすい形状のフォークが用意されていることもあります。また、最近はサラダの食材も種類が増え、トマトやインゲン、肉類、魚介類が一緒に盛られたボリュームたっぷりのサラダもあります。この場合は、サラダもオードブルの一品と考え、ナイフとフォークを使います。
とはいえ、やはり野菜をナイフで切り刻むのは美しくありません。フォークだけで食べる方がエレガントです。できるだけ、フォークで食べて、ナイフのサポートが必要な食材だけをナイフで切るのがオススメです。その場合、ナイフを使った後は皿の上に斜めに置きましょう。
お肉を切るときも“エレガント”に
なんといっても、西洋料理のメインディッシュは肉料理。肉の食べ方は、米国とヨーロッパでは少し異なります。どちらでも対応できるように、お肉の食べ方をおさらいしておきましょう。
フォークは左手、ナイフは右手で持ちます。これは米国もヨーロッパでも共通していることです。ステーキなど大きめの肉の場合、必ず左側(外側)から一口ずつ切り分けて、食べてください。フォークでしっかり押さえ、自分に向かってナイフを引くように切ります。力を入れすぎて肘を広げないように。肘は脇に付けるようにすると、エレガントに食べられます。
米国では肉を切ったら、ナイフをお皿に置いて、フォークを右手に持ちかえてから、肉を食べます。ヨーロッパでは、フォークを持ちかえずに、切った肉をそのまま左手で口に運びます。どちらの場合も、肉をすべて細かく切ってから食べるのはNGです。食べるたびに、その分だけを切りましょう。
付け合わせは、肉と交互に食べます。先に肉を食べてしまって、あとから付け合わせを食べるということはしません。レストランのシェフは、料理のバランスを吟味して作っています。交互に食べることで、料理はいっそうおいしくなるはず。作ってくれた人の心遣いを大切にするのも、マナーなのです。
たびたび言いますが、マナーの基本は思いやり。そして、大人の女性に大切なのは、エレガントな立ち居振る舞いです。忘年会やクリスマス、お正月など、年末年始はパーティーや食事会が増える時期です。思いやりとエレガントで、新しい年を迎えてください。
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