きみしぐれ
200円(税込み)
店舗 東海
東京都中央区日本橋人形町1-16-12
03-3666-7063
9:00~19:00
日曜、祝日休
秋が深まり、温かい緑茶がおいしい季節になってくると食べたくなってしまうのが、大正創業の御菓子司「東海」の「きみしぐれ」です。人形町の路地を抜けてお店を訪れてみれば、変わらない趣ある佇まいと、変わらない笑顔で迎えてくれるご主人と女将さん、そして、変わることなく飾らず、やさしい表情を浮かべるお菓子の数々。その真ん中に、まるで日だまりのようなほっこり、淡いオレンジ色のきみしぐれを、今日も見つけました。
こだわりの奥久慈卵の黄身を混ぜて蒸し上げた手亡(白インゲン)豆の白あんは、自然な割れ目が美しく、ほろりとやわらかで手に持ってお皿に移すのが怖いほど。そっと口に入れれば、きめ細かい餡がしっとり、ふわっとほどけて、おだやかな甘さと卵のまろやかさが広がります。そして、余韻だけを残してさらりと消えていく、その儚さといったら! どこまでもやさしい食感と味わいに、舌で喜びを感じるのはもちろん、心までほわっと温かくなって、なんだかちょっぴり泣きたいような、うれしい気持ちになってしまうのです。
◇ ◇ ◇
「おいしさの秘訣は、たっぷり卵黄を使うこと。白餡に加えてしっかり練るのだけど、最後は手で練らないとふっくらいかない」とおだやかに語る、ご主人の田所遜さん。その横で「腕で覚えるのよね。やっぱり年輪」と明るく笑う、女将の照子さん。手づくりを貫き続けるご主人の和菓子職人としての心意気と、ご夫婦二人の温かい気持ちが溶け込んだ、やさしさあふれるお菓子です。
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